だから事業目標を達成できない――適切な目標設定に不足している情報とは

事業目標を立てたが成果が得られないと感じた時、再検討すべきポイントとは何か。専門家たちの意見を紹介。事業目標の役割や設定において重要な情報を指摘。企業が成功するための具体的なスケジュールやアクションを明確にする必要性も示唆されている。

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Google Cloudをやめるときの「データ転送」が無料に なぜなのか?

Googleは2024年1月12日に、Google Cloudの利用を停止し別のクラウドサービスに移行する場合に無料データ転送を発表しました。手順、条件、そして競争的なライセンス慣行についても取り上げられています。このプログラムはクラウドエコシステムの健全な発展を目指していますが、ライセンス慣行の問題も指摘されています。

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なぜ今こそ「API」の時代なのか? そもそも“APIの役割”とは

 オンプレミスインフラあるいはクラウドサービスに構築したアプリケーションと、SaaS(Software as a Service)を併用する場合、企業のIT部門はデータのサイロ化(連携せずに孤立した状態になること)という課題に直面する。この課題について、調査会社 Forrester Researchでシニアアナリストを務めるデビッド・ムーター氏は次のように分析する。「SaaSと非SaaSの対立というよりも、アプリケーションの量の問題だ」 ムーター氏によれば、今や大企業では何百というアプリケーションを利用することも珍しくない。アプリケーション間の接続数は理論上、新しいアプリケーションが追加されるたびに指数関数的に増加する。つまり、個々のアプリケーション間をポイントツーポイント(2拠点間)で結び、管理するのは持続可能な方法ではないということだ。IT部門はどうすればいいのか。 そもそも「API」の役割は? 「SaaSの利用が無秩序に拡大しているからといって、企業が従来利用していたシステムが一夜にして消え去るわけではない。置き換えるには膨大なコストがかかる」とム―ター氏は指摘する。ムーター氏はITリーダーに対し、レガシーシステムを、クラウドサービスで動作することを前提に構築する「クラウドネイティブアプリケーション」と連携させることで延命を図る方法を検討するよう勧めている。 ただし、例えレガシーシステムから脱却しても、アプリケーション間の連携は依然としてIT部門にとって負担だ。ビジネス要件の変更が生じた際、従来のIT部門は変更に対処するために、アプリケーション間やデータベース間をいかに接続するかを検討してきた。「扱うアプリケーションの数が少なければその方法で済んだが、現在は、接続が指数関数的に増加するという問題にぶつかっている」(ムーター氏) ムーター氏によれば、今後のIT部門が注力すべき領域はAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)だ。「IT部門は誤解していることがあるが、企業に価値を生み出すのはビジネスプロセスであり、アプリケーションではない」とムーター氏は断言する。同氏が勧めるのは、ビジネスプロセスとその要件を定義した上で、要件を満たすにはどんなアプリケーションを構成する必要があるのかを考えるやり方だ。この時、APIはビジネスプロセスとアプリケーションをつなぐ存在となる。 実際にAPIが生きる場面について、ムーター氏は次のように説明する。「例えば、新しいパートナー企業のために受注処理が必要になった時だ。3つの受注管理システムと8つのERP(統合基幹業務システム)を新しいパートナー企業と接続することなく、受注処理APIを呼び出すだけで済む」 短期的には、ポイントツーポイントで接続を構築する方が容易だ。社内に存在するアプリケーションが限られており、将来的に規模の拡大や再利用が必要ない状況であればわざわざAPIを開発しなくてもよい。ただしムーター氏は次のように提言する。「将来のことを考えれば、基本的に各企業は業務プロセスのニーズに沿ったAPIにアプリケーションを組み込む努力をすべきだ」 データ統合ツールで何ができる? SaaSとSaaS以外の企業向けシステムにおけるデータの統合に関しては、データ統合ツールの採用を検討する方法もある。 Forrester Researchのバイスプレジデントでプリンシパルアナリストを務めるミシェル・ゲッツ氏によれば、データ統合ツールはデータの収集と分類、更新、変更、削除、結合、整合性維持、クレンジング(不正確なデータの排除)などの機能を持つ。データ統合によって、以下のような効果が期待できるという。 データレイク(構造化データと非構造化データをまとめて保管できるデータベース)やデータウェアハウス(DWH)へのデータの取り込み ストリーミングデータのパイプライン(処理手順)のオーケストレーション(設定や管理の自動化) 異なる基盤にあるデータのマッピングと照合 「データ統合のプロセスを、アプリケーションの連携や自動化プロセスとまとめる場合は、APIがパイプ役を担えるだろう」(ゲッツ氏) 後編は企業のデータ統合におけるトレンドを分析するとともに将来を予測する。 Original Post>

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テック業界の現在を形作った オープンソースの過去と未来

1980年にゼロックスがマサチューセッツ工科大学(MIT)人工知能研究所に1台の新型レーザープリンターを寄付した時、この機械が革命の火付け役になることなど、同社にとっては知る由もなかった。プリンターは紙詰まりを起こした。2002年に出版されたサム・ウイリアムズ著『Free as in Freedom(自由としてのフリー)』によると、当時27歳のMITのプログラマーだったリチャード・M・ストールマンは、コードを徹底的に調べてプリンターを直そうとしたという。彼はそれが可能だと思っていた。これまでのプリンターでも、同じことをしてきたからだ。 ソフトウェア開発の初期の数十年間は、基本的にオープン・アクセスと自由な交換の文化によって動いていた。さまざまなタイムゾーンや機関に属するエンジニアたちがお互いのコードを調べ合い、自分のコードに書き換えたり、バグを潰したりする世界だった。だがこの新しいプリンターは、アクセス不可能なプロプライエタリ(独占所有)ソフトウェアで動作していた。締め出しを食らったストールマンは、彼が頼りにしていたオープンなコード共有システムをゼロックスが侵害したと怒った。 数年後の1983年9月、ストールマンは当時の支配的なオペレーティングシステム(OS)の1つだったUNIX(ユニックス)に代わる自由なOSとしてGNU(グヌー)を公開した。ストールマンは、テック業界に氾濫し始めていた著作権などのプロプライエタリな仕組みへの対抗手段として、GNUを思い描いていた。自由ソフトウェア運動は、不満を抱えた1人のエンジニアのシンプルでかたくなな哲学から生まれた。その哲学とは「世界のために、あらゆるコードは制約や商業的介入なしにオープンにすべきだ」というものだった。 それから40年が経ち、テック企業はプロプライエタリ・ソフトウェアで数十億ドルの収益を上げ、チャットGPT(ChatGPT)からスマート温度計に至るまで、人々を取り巻くテクノロジーの多くは一般の消費者にとって謎めいたものになっている。こうした環境では、ストールマンの運動は商業的現実の重さに押しつぶされ、失敗に終わった価値観に関する実験のように思えるかもしれない。だが2023年時点において、フリーおよびオープンソースのソフトウェア運動は健在であるのみならず、テック業界の要となっている。 現在、全コードベースの96%にオープンソースのソフトウェアが組み込まれている。オープンソース・コミュニティ最大のプラットフォームであるGitHub(ギットハブ)は、世界で1億人以上の開発者に利用されている。米国ではバイデン政権による2022年のオープンソース・ソフトウェア保護法により、オープンソースのソフトウェアが重要な経済・安全保障インフラとして公的に認められる形となった。アマゾンの収益源となっているクラウド部門のAWSでさえ、オープンソース・ソフトウェアの開発と保守を支援している。アマゾンは2022年12月、自社の特許ポートフォリオの一部をオープンユース・コミュニティに提供することを決めた。民間のテック企業に対する社会的信用が急落する一方で、グーグル、スポティファイ(Spotify)、フォード財団、ブルームバーグ、米国航空宇宙局(NASA)をはじめとする企業や団体は、オープンソースのプロジェクトやそれに相当するオープン・サイエンス(オープンソースと同様の価値観を科学研究に適用したもの)に対する新たな資金提供の仕組み作りを始めている。 オープンソースのソフトウェアが今や不可欠な存在になったということは、この運動における長年にわたるリーダーシップや多様性の問題が、あらゆる人々にとっての問題になったことを意味する。多くのオープンソース・プロジェクトは「優しい終身の独裁者(BDFL)」型の運営形態から始まった。BDFLには、創設者が長年に渡ってリーダーの座に留まり、彼らが必ずしも責任を持って行動を取るわけではないという特徴がある。ストールマンや一部のBDFLたちは、ミソジニー(女性蔑視)や虐待的な振る舞いによって、自身のコミュニティから批判を受けてきた。ストールマンは2019年にフリーソフトウェア財団(FSF:Free Software Foundation)の代表の座から退いた(ただし、その2年後、理事に復帰している)。全体として、オープンソースの参加者の圧倒的多数は未だにグローバル・ノース(北半球に存在する先進国)の白人男性だ。オープンソース・プロジェクトは、企業の利害に過剰に影響される可能性がある。他方で、重要なコードを健全に保つための大変な作業をしている人々には、一貫した資金援助がない。実際のところ、主要なオープンソース・プロジェクトの多くが、いまだにほぼ完全にボランティアによって運営されている。 そうしたさまざまな課題はあれど、GNUの40周年を迎えた2023年は、祝福すべきことが数多くある。現代のオープンソース運動は、分裂と競争が激化した業界内において、透明性のある働き方をするための共同作業の避難所として存続している。ウィキメディア財団(Wikimedia Foundation)の最高製品・技術責任者(CPTO)であるセレーナ・デッケルマンは、オープンソースの力は「ソフトウェア、さらには他のたくさんのことに関して、どんな場所にいる人でも協力しあって作業ができるという考え方」にあると話す。この哲学を行動へと落とし込むためのメーリングリスト、オンラインチャット、オープンなバージョン管理システムといったツールはオープンソース・コミュニティの先駆けであり、より幅広いテック業界からも標準的な慣行として採用されてきたと同CPTOは指摘する。一方、「私たちは、背景を問わず、世界中の人々が共通の大義を見つけ、協力しあうための手段を発見したのです」と話すのは、ケルシー・ハイタワーだ。ハイタワーはアプリのデプロイと管理を自動化するオープンソース・システムであるKubernetes(クバネティス)の開発初期に貢献した人物で、最近グーグル・クラウドの一流エンジニアとしての職を退いた。「それがオープンソースの世界の、とてもユニークな点だと思います」。 2010年代のテック業界の無制限な成長に対する反動や最近の人工知能(AI)ブームにより、オープンソース運動の考え方に注目が集まっている。他人のネット上の情報を利用する権利を持っているのは誰か、テクノロジーから恩恵を受けるのは誰か、ということが焦点になっている。最近、評価額が40億ドルとされたオープンソースのAI企業、ハギング・フェイス(Hugging Face)のクレメント・デラング最高経営責任者(CEO)は、2023年6月に議会で証言し、AI開発における「倫理的なオープンさ」が組織のコンプライアンスへの意識と透明性を高めるのに有効であり、一部の巨大テック企業以外の研究者によるテクノロジーや進歩へのアクセスも可能にすると述べた。「今は文化的にユニークな時期です」と公益テクノロジーへの資金提供と支援を実施している非営利組織、コード・フォー・サイエンス・アンド・ソサエティ(Code for Science and Society)のダニエル・ロビンソン事務局長は話す。「開発されるテクノロジーの内容に資本主義がどのように影響を与えているのか、それに関わっていく選択肢はあるのかということに対して、人々の意識はかつてないほど高まっています」。ここでもフリーのオープンソース・ソフトウェアが、テクノロジーはどうあるべきかについての議論をする自然な場となっている。 自由としてのフリー 初期のフリーソフトウェア運動において、「フリー」の意味を巡る議論が絶えなかった。ストールマンと1985年に創設されたフリーソフトウェア財団は、4つの自由という考え方を曲げなかった。それは、どんな目的であってもプログラムを実行すること、ソースコードの仕組みを調べて必要に応じて変更を加えること、複製を再頒布すること、改変版を頒布することを認められるべきだという思想だ。ストールマンはフリーソフトウェアを本質的な権利だと考えていた。「言論の自由(free)と同義のフリーであって、ビール無料(free)のフリーではない」というのが、ストールマンの非公式のスローガンである。ストールマンはGNU一般公衆ライセンス(GNU GPL)を作った。これは「コピーレフト」として知られ、GNUで開発されたコードの4つの自由を保護するためのものだ。 UNIXの代替として今やおなじみとなったLinux(リナックス)を1991年に生み出したフィンランドのエンジニア、リーナス・トーバルズはこの教義を受け入れなかった。トーバルズやマイクロソフトのビル・ゲイツをはじめとする人たちは、エンジニア間のオープンな交換文化は商業と共存でき、より制約の強いライセンスによる金銭的な持続可能性、ソフトウェアのクリエイターおよびユーザー保護という両方の道が開けるはずだと考えていた。フリーソフトウェアの提唱者たち(注目すべきはここにストールマンが含まれていなかったことだ)が集った1998年の戦略的会合で、この実用主義的アプローチは「オープンソース」として知られるようになった(この言葉を考案し、グループに提案したのはエンジニアではなく、未来学者でナノテクノロジー学者のクリスティン・ピーターソンであり)。 未来学者でナノテクノロジー学者のクリスティン・ピーターソンは、1998年に「オープンソース」という用語を考案した。 PETER

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必要なのは“ビジネスとデジタルをつなぐ人材”──創業150年を目前とするサッポロビールのDX戦略

サッポロホールディングスはDXを重要視し、2023年から2026年のグループ中期経営計画において、DX方針を策定。DX・IT人財育成プログラムを開始し、育成した人材が活躍できる環境の整備に注力。DX人材の内製化や市民開発イベントを通じたスキル向上を図る。同社ではDXを推進するための柱に人財育成を据えている。

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企業が責任を持って活用できる生成AIで経営のAI Innovationを加速–グーグル・クラウド・平手氏

2024年のIT企業のトップメッセージでは、グーグル・クラウド・ジャパンの平手智行氏が、AIの革新と新しいユースケースについて述べています。特に、生成AIの正確な情報と非構造化データの取り扱いに焦点を当てており、Google Cloudの取り組みと今後の展望が紹介されています。

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「OpenAI GPTs」と「画像生成AI」

「ChatGPT Plus」は、カスタム指示で応答をカスタマイズ可能。GPT Builderで特定用途のGPTを作成可能。また、Made by OpenAI GPTsでは多様な専用GPTが提供されており、学習データは2023年4月までに拡張された。さらに、画像生成AIについて解説されている。

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サードパーティークッキー廃止に向けて–2024年にマーケターが知るべきこと

 広告業界ではこれまで、抜本的な改革が頻繁に行われてきましたが、2024年は最もダイナミックな改革が予想されています。特に「Chrome」でのサードパーティークッキー廃止計画による変更は影響が大きく、マーケティング担当者やメディアオーナーは、パーソナライズされた関連性の高い広告を消費者に配信するために、大幅なアプローチの変更を強いられることになります。 Criteoはここ数年、業界を率先してサードパーティークッキーの廃止に備えた調整を重ねてきました。「Safari」と「Firefox」はそれぞれ2017年と2020年にサードパーティークッキーを廃止しましたが、Chromeはいまだにブラウザートラフィックの63.5%(執筆時点)を占めており、代替策がない状態でクッキー廃止が行われる場合、広告エコシステムに及ぼす影響はさらに大きなものとなるでしょう。 本記事では、Googleが提唱するプライバシーサンドボックスなどの業界標準ソリューションの最新情報を共有するとともに、多方面にわたる包括的な(ユーザーを特定できる)アドレサビリティー戦略の概要と、今後の広告パフォーマンスの変化に備えるポイントを紹介します。 エコシステムへの影響を評価する 代替策がない中でのアドレサビリティーの変化はエコシステム全体に影響を与えます。パーソナライズされた広告を提供するためには、全てのプレーヤーがオンライン環境全体における消費者の行動(検索、ショッピング、購入の方法)を把握する必要があります。 ブランドや代理店にとって、オーディエンスにアピールし、キャンペーンの効果を正確に測定することが難しくなり、広告費による影響が大きいパブリッシャーや小売業者のサイト、ソーシャルメディアプラットフォーム全体でメッセージ効果を最適化することができなくなります。 アドレサビリティーとアトリビューションの低下により、ブランドや代理店はターゲットとするオーディエンスに合わないパブリッシャーのインベントリーへの入札をちゅうちょするようになるかもしれません。 この関心の低下がパブリッシャーの利益縮小につながり、ブランドの投資全体を抑えることになります。この流れに適応するため、あらゆるパブリッシャーがファーストパーティーデータに注力しており、アピールできない消費者に対するターゲティングオプションを強化して、リテールメディアのオフサイト広告をはじめとする新たな収益源を拡大しています。 ファーストパーティーデータへのアクセス手段が豊富な小売業者であっても、オーディエンスと収益の規模を拡大するため、引き続きファーストパーティーデータ戦略を強化したいと考えています。小売業者が持つサイトでのオンサイトスポンサー広告やディスプレイ広告による収益はアドレサビリティーの変化から守られているものの、このインベントリーにも限りがあるため、小売業者はいわゆるオフサイトと呼ばれる自社のECサイト以外のオープンなインターネット上での収益機会を探っています。 オフサイトでも収益を得ることができれば、データを最大限に生かすことができ、自社のECサイト外でリーチした消費者からのコマースデータを利用して、購買意欲の高い消費者をサイトに再度呼び込めます。こういった戦略が功を奏すかどうかは、ハッシュ化されたメールアドレスなどのファーストパーティーデータを生かせているかどうかにかかっているのです。 こういった課題は消費者の体験に大きな影響を及ぼします。広告がパーソナライズされていない場合、消費者はブランドの商品やパブリッシャーのコンテンツに価値を見いださない可能性があります。それどころか、購入までの道のりで表示されるメッセージの頻度や順序が適切に設定されておらず、同じ広告を何度も見ることになれば、サイトを再訪する意欲を削いでしまい、さらに悪い結果を引き起こします。歯のホワイトニングやダイエット、その他購入意欲の全くないサービスに関する質の低い広告が大量に表示された、過去のアドテクブームの最期をほうふつとさせる事態です。 業界標準のアドレサビリティーソリューション サードパーティークッキー廃止を示唆した2020年のGoogleによる発表以来、業界では過剰なアドレサビリティーソリューションが導入されてきました。さまざまなアドテク企業がクッキーに代わる独自の「代替機能」を提案してきましたが、こういったソリューションの多くがメーカーの組織やプラットフォーム内でアドレサビリティーを最適化するものであり、幅広いエコシステムに対応するための汎用性や相互運用性を制限して、断片化を助長するものでした。 その中で、最も広く議論された業界ソリューションがGoogleの「プライバシーサンドボックス」です。これは、同社が提案したAPIをテストすることでサードパーティークッキーなしにChromeでのアドレサビリティーを維持するワーキンググループの取り組みです。Criteoは数年間にわたりGoogleとプライバシーサンドボックスやイテレーションにおいて協力しており、アドテクのリーダーとして、提案されたソリューションが当社の顧客やパートナーにおける広告パフォーマンスを維持するよう働きかけてきました。 Googleは2024年第1四半期にChromeユーザーの1%でサードパーティークッキーを無効にし、クッキーが全くないトラフィックを5カ月間テストする予定です。Criteoでは、プライバシーサンドボックスソリューションをサードパーティークッキーと比較する形で厳密にテストしており、2024年には一次結果を公開できる予定です。テスト完了後、GoogleはCriteoをはじめとする参加企業からの結果を評価し、英国の競争・市場庁(CMA)の承認を待って、廃止に進む可能性があります。 Googleは、同社が提唱するプライバシーサンドボックスへのCMAの調査結果に応じて、CMAに対してコメントを書面で発表しており、プライバシーサンドボックスがオンライン広告エコシステム全体における競争への有害性を十分に抑制しない限りはサードパーティークッキーを廃止しないとしています。 また、このコメントの対象を世界中の国と地域としています。CMAは広告パフォーマンスがオープンウェブで損なわれ、デジタル広告関連の支出がGoogleに集中し、エコシステムと消費者に悪影響を及ぼすことを懸念しています。このため、プライバシーサンドボックスはターゲティングと測定において十分なパフォーマンスを達成する必要があり、達成されない場合、Googleは規制の執行に直面する可能性が高いのです。 CriteoはGoogleと協力し、Chromeがサードパーティークッキーを廃止する前に何が必要か、プライバシーサンドボックスが要件を満たせるかどうか、また、経済的パフォーマンスとプライバシーを両立できるかどうかを理解してもらうことを目指しています。 1月のサードパーティークッキー廃止に向け、プライバシーサンドボックスソリューションのCriteoによるテストは引き続き行われます。当社のカバー範囲は小売業者220社を含む広告主クライアント1万9000社、ブランドセーフティーが確保されたオープンインターネットのパブリッシャー数千社に及び、テスト結果はChromeのテスト用トラフィックの割合が少ない状態であっても、Googleが提示する内容を証明する上で統計的に重要な役割を果たすと考えられます。 マーケターと対話していると、プライバシーサンドボックスが誤解されていると感じることが多々あります。プライバシーサンドボックスが大規模なコホートや、イニシアチブで言うところの「興味・関心グループ」に重点を置いたものであると思われがちですが、個人のパーソナライズやアトリビューションといった測定もテストの対象であることを伝えることも重要です。 これを踏まえ、プライバシーサンドボックスを活用する上でのCriteoの目標は、Googleがプライバシーサンドボックスで保証するユーザーのプライバシーを実現することを支援し、新規顧客の獲得や既存顧客の維持、リターゲティングキャンペーンで当社のお客さまが期待するパフォーマンスレベルを達成することとします。 Criteoは現在、リターゲティング広告や興味・関心に基づく広告、効果の測定をサードパーティークッキーなしで実現できるよう、Chromeで運用可能になった「Protected Audience」(旧FLEDGE)、「Topics」「Attribution Reporting」の3つの主力APIに対応を完了しており、引き続きそのテストに注力しています。 Criteoの多岐にわたるアドレサビリティー戦略

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「Microsoft 365」「Office 365」は高い、安い? 月額をシナリオ別に計算

Microsoftは、Microsoft 365およびOffice 365というサブスクリプションサービスを提供しており、それぞれのプランが異なるサービスを含んでいます。本稿では、異なる組織に対する適切なプランとその費用について説明し、最終的には合計で728万円/月(税別)になることを示しています。

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ミロ・ジャパン社長が説く「日本企業がイノベーションを起こし続けるための要件」とは

毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントでのコメントを取り上げ、その意味や背景などを解説している「松岡功の『今週の明言』」。今回はミロ・ジャパン代表執行役社長の五十嵐光喜氏とKPMGコンサルティング執行役員の尹暢模氏のコメントに注目。五十嵐氏は企業にイノベーションを起こす環境の重要性を強調し、尹氏は日本の経営層の先端テクノロジーへの理解についてコメント。

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2024年のサイバーセキュリティ予測–AI、クラウド、CISOの変化など

2024年のサイバーセキュリティの予測では、AIの悪用が拡大し、クラウドセキュリティの取り組みが重要視される。企業や組織はAIのリスクを評価し、クラウドセキュリティ対策を強化する必要がある。CISOの役割もビジネスリスクとしての認識が進み、新たなスキルや連携が求められる見通し。

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激動の「生成」ブームに揺れた2023年のAIシーンを振り返る

今年はAIにとって特に重要な年となり、製品発表が続き、AI企業の役員室でクーデターが起き、政策論争が巻き起こり、次なる「大ヒット」を目指す競争も始まりました。一方、AI産業に対するより責任ある行動や、影響力のあるプレイヤーたちに対する責任追及を求める具体的なツールや政策も登場しました。これはAIの未来に対する期待を大いに膨らませるものとなりました。2023年に得られた教訓を踏まえ、2024年は生成AIの真の価値を決める重要な年になると予想されます。

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AI時代のメールセキュリティ技術とは–Check Point傘下のAvanan創業者に聞く

現在、メールはマルウェア感染の主要な入口であり、攻撃者はフィッシングサイトへのリンクを埋め込んだメールを送ることでユーザーにマルウェアをダウンロードさせる手口が主流となっています。しかし、生成AIの発展により、フィッシングメールの日本語文面が自然に見えるようになっており、検出が困難になっています。このような状況に対応するために、Check Point Software Technologiesはクラウドベースのメールセキュリティを提供するAvananを買収し、より高度なメールセキュリティソリューションの提供を開始しています。メールは依然として攻撃ベクターの大きな要素であり、日本を含む世界各地でフィッシングメールが観測されています。

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生成AIで縮小する開発者の役割–より求められるビジネスへの注力

生成AIの進化により、ソフトウェア開発者の役割は変化している。この技術は、迅速なコード生成を可能にし、開発者がもっと創造的な業務に集中できるようになるかもしれない。しかし、その進展は開発者の仕事内容を縮小させ、新しいビジネス要件に応じた機能開発により注力するよう変える。AIと自動化の時代において、開発者の役割はより興味深い新たな領域へとシフトしていくとされている。それは、プロジェクトでこなせる作業量が増え、開発者がもっと多くの技術やプラットフォームに対応できるようになることを意味している。また、AIの利用が拡大し、開発者はより高度な役割に対応し、ビジネスの要件にAIリソースをマッピングする能力が求められるだろう。

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