IoT胎児モニターのメロディ・インターナショナルが東南アジアで周産期遠隔医療サーバーのクラウド運用開始

IoT胎児モニターを開発し国内外で展開している メロディ・インターナショナル は4月26日、Microsoft Azureの東南アジアリージョンにおいて周産期遠隔医療プラットフォーム「Melody i」を開設し、第1弾としてタイ・チェンマイにおいてオンプレミス利用していたMelody iをクラウドに移行して運用を開始した。これを皮切り海外での導入を進め、今後中東のドバイなど、複数リージョンでの運用も開始する予定。

IoT型胎児モニター「分娩監視装置iCTG」は、胎児の⼼拍数と妊婦のお腹の張りを、病院や⾃宅などで測定できるデバイス(2018年5⽉にクラス2医療機器認証を取得)。妊婦のお腹にセンサーをあて計測すると、Bluetooth接続でスマートフォンやタブレットのアプリケーション内に結果が表⽰され、医師が診断に活⽤できる。防滴性能を有しており、ケーブルレスのため、清浄や消毒が容易という。また、医療従事者が直接接触しなくともその指導の下で、妊婦が自分自身で装着して、計測データはリモートで確認可能。

Melody iは、妊婦が計測した結果を医師に送信でき、遠隔で医師から受診推奨などアドバイスを得られるコミュニケーションプラットフォーム。妊婦と医師との連携(DtoP)だけでなく、医療機関から医療機関(DtoD)のデータ連携も可能という。

iCTGとMelodyiの活⽤により、遠隔で胎児の健康状態をモニターしつつ分娩のタイミングなどを予測可能となり、国内外の妊婦がより安⼼・安全に出産できる環境の提供につながるとしている。

東南アジアで「Melody i」サービスの提供開始

メロディ・インターナショナルによると、タイ、カンボジアやミャンマーなどですでに導入済みのiCTGについては、これまでAzureの日本国内リージョン上やチェンマイ大学のオンプレミス周産期サーバー上で運用していたという。今回、よりシームレスでフレキシブルなサービスを提供するため、Azureの東南アジアリージョンでの運用を開始した。

チェンマイ大学に設置しているオンプレミスサーバーは、オンラインでのサポートに限界があることと、タイの民間病院や周辺国の医療データ等を保存できないため、日本のサーバーを利用する場合が多くあったという。しかし、医療データは国によって運用基準が設けられている場合もあり、日本国内のサーバーを使ったサービスの提供が難しい場合もある。

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そこでこれら課題をクリアするために、Azureの東南アジアリージョンにおいてもMelody iサービスを開始した。今回のクラウドサーバー運用開始、また2021年1月のタイFDAライセンス取得とあわせて、今後タイを中心として周辺国の医療機関への導入を加速する。

第1弾として、チェンマイ大学のオンプレミスサーバーで運用していた妊婦さんと胎児の医療データを、クラウド運用に移行。これにより、地域での導入コスト・維持費を抑えるとともに、よりきめ細かなサービスやメンテナンスが可能となるとしている。

チェンマイ地区では、25ある公立病院すべてにiCTGが導入されており、産婦人科医が常駐しない16の医療機関から、産婦人科医のいる病院とデータを共有することで、1次医療機関から3次医療機関をつなぐネットワークを構築しているそうだ。データの共有には、メールとSNS(LINE)と連携した、チェンマイ独自のシステムで、世界で最も進んだICTリファラルネットワークとなっているとした。

現在iCTGとMelody iは、国内で約70の医療機関、海外では7カ国約90の医療機関に導入されているという。

現在利用しているAzureは、医療機関の情報システムにおいてクラウドサービスを利用するために満たすべきセキュリティ要件を示した厚生労働省・総務省・経済産業省の3省庁ガイドラインをクリアしており、国内で培った医療データの運用ノウハウは海外でも活用するとしている。

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カテゴリー:フェムテック
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