マスターデータ管理「Teradata MDM」、DWHとの統合で蓄積したデータを標準化

[ 新製品・サービス ] マスターデータ管理「Teradata MDM」、DWHとの統合で蓄積したデータを標準化 住信SBIネット銀行の全社データ基盤構築事例を紹介 2021年9月30日(木) 日川 佳三(IT Leaders編集部) 日本テラデータは2021年9月29日、マスターデータ管理(MDM)ソフトウェア「Teradata Master Data Management」(Teradata MDM)を発表した。データ分析プラットフォーム/データウェアハウス(DWH)の「Teradata Vantage」に蓄積したデータを標準化する。複数のシステムでバラバラに管理しているデータの違いを吸収し、マスターデータとして利用できるように整備する。英語版は提供済みで、2021年第4四半期に日本語版(Teradata MDM 4.7)の提供を予定している。Teradata Vantageとは別ライセンスとして提供する。  

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日本テラデータの「Teradata MDM」は、マスターデータ管理(MDM)ソフトウェアである。リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)にデータ分析エンジンを統合したデータ分析プラットフォーム/データウェアハウス(DWH)の「Teradata Vantage」と組み合わせて利用する(関連記事データ分析基盤「Teradata Vantage 2.2」、AWSに続きAzure/Google Cloudでも提供)。

 マスターデータ管理とは、データ分析などデータのビジネス活用の前段としてマスターデータを整備することを指す。MDMツールは、複数のシステムでバラバラに管理しているデータの違いを吸収し、信頼できる唯一のデータであるマスターデータとして利用できるように整備する(図1)。図1:マスターデータ管理(MDM)の概要(出典:日本テラデータ)
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 マスターデータ管理の考え方として、日本テラデータは、同じ意味を持つデータであっても、個々の業務システムごとにデータの持ち方はバラバラである問題を挙げる(「千葉県」と「千葉」など)。「複数のシステムがそれぞれ管理しているデータを合わせて活用するためには、各システムが管理しているデータ個々の違いを事前に吸収する必要がある」(同社)。

 Teradata MDMの特徴は、分析用データを蓄積・格納する「Teradata Vantage」との統合にある。DWHの手前に独立したMDM用のデータベースサーバーを用意するのではなく、Teradata Vantageのデータベース(DWH)に蓄積したデータを用いてデータを標準化する仕組みを取る(図2)。図2:Teradata MDMの特徴(出典:日本テラデータ)
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作成済みのAI予測モデルをPMMLでTeradataに取り込む

 説明会では、Teradata MDMに加えて、Teradata Vantageの周辺ツールやユーザー事例の動向も示した。まず、Teradata Vantageの周辺ツールとして、外部ツールを用いて作成したAI予測モデルをTeradata Vantageに取り込むためのツール「Bring Your Own Model」(BYOM)を紹介。すでにリリース済みのツールで、ダウンロードして利用を始められる。

 作成したAI予測モデルをツール間でやりとりするためのデータ形式として、PMML(Predictive Model Markup Language)と呼ぶXML形式のデータがある。BYOMは、PMML形式で出力したAI予測モデルをTeradata Vantageに取り込むツールである。外部のツールで作ったAI予測モデルをTeradata Vantageに取り込み、Teradata Vantageに蓄積してあるデータを使ってスコアリング(予測)が行える。

 日本テラデータは、PMML形式でAI予測モデルをツール間で移行できるメリットは大きいと強調している。「PMMLを使うと、学習用データを使ってAI予測モデルを作成するツール(任意のAIツール)と、作成したAI予測モデルを使って予測を実行するツール(Teradata VantageなどのDWH/データ分析サーバー)を容易に分けられる。DWH側でAIモデルを作成する必要がなくなるほか、予測のためにDWHから大量のデータをダウンロードする必要がなくなる」(同社)。