NTTドコモ、5GコアをAWSと自社仮想化基盤のハイブリッド環境で動作させる技術検証

NTTドコモは2022年3月1日、NECの5Gコアネットワーク(5GC)ソフトウェアをAWSと自社仮想化基盤のハイブリッド環境で動作させる技術検証を開始した。ユーザーの要求条件に合わせて機能をカスタマイズ可能で、環境負荷の低いネットワークを提供することを目的に、技術検討を推進していくとしている。

 NTTドコモは、NECの5Gコアネットワーク(5GC)ソフトウェアをAWSと自社仮想化基盤のハイブリッド環境で動作させる技術検証を開始した(図1)。ユーザーの要求条件に合わせて機能をカスタマイズ可能で、環境負荷の低いネットワークを提供することを目的に、技術検討を推進していく。

図1:5GコアをAWSとNTTドコモの仮想化基盤を組み合わせたハイブリッド環境で動作させる検証の概要(出典:NTTドコモ、NEC)
図1:5GコアをAWSとNTTドコモの仮想化基盤を組み合わせたハイブリッド環境で動作させる検証の概要(出典:NTTドコモ、NEC)
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実証では、AWS上の5GCとNTTドコモの自社仮想化基盤上の5GCを、協調動作させる。これにより、可用性や運用性を検証する。加えて、5GCのプロトタイプを開発し、技術検証を実施する。なお、5GCのソフトウェアは、AWSの低消費電力プロセッサであるGraviton2で動作させる。

今後は、今回実施する5GCだけでなく、その他のネットワーク装置に対しても、今回検討する構造・構成や検証で得られた知見を応用する。これにより、5G時代に求められる、ネットワークの柔軟な配備や信頼性の実現を目指す。

例えば、突発的なイベントの際に、自社仮想化基盤に加えてクラウドにも5GCを自動で構築し、つながりやすさを向上させる。また、AWS Outpostsなども含めた柔軟な配備形態を検討・検証する。5GCをAWSやAWS Outposts上に配置することで、AIなど各種AWSアプリケーションと5GCの連携が容易になる。

背景には、モバイル通信においては、将来に向けてより柔軟なネットワークを提供する要望が高まってきており、外部のクラウドとモバイルネットワークとの連携が求められている状況がある。また、クラウド上のAI/IoTアプリケーションを使う際には、ネットワーク装置がある自社仮想化基盤とアプリケーションが動作するパブリッククラウドを個別に接続するケースがあるなど、運用が負担になっていた。

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