米Delphix、用途別のハードウェア一体型仮想DBシステム、ランサムウェア対策とテストデータ管理

米Delphixは2022年7月14日(米国現地時間)、仮想データベースソフトウェア「Delphix」をベースとしたハードウェアアプライアンス2製品を提供開始した。CDPコピーによってデータを保護する用途の「Delphix CDP Appliance」と、テストデータ準備など開発工程を効率化する用途の「Delphix DevOps Appliance」である。

 米Delphixは、仮想データベースソフトウェア「Delphix」をベースとしたハードウェアアプライアンス2製品を新規に用意した。「Delphix CDP Appliance」は、CDP(継続的データ保護)コピーによってデータベースを保護する用途である。もう1つの「Delphix DevOps Appliance」は、テストデータを迅速に準備するなどしてソフトウェアの開発工程を効率化する用途である。

ベースとなるDelphixは、本番環境で使っているデータベースのデータを、開発環境のデータベース用にコピーして運用するための、仮想ストレージ製品である。Delphixを使うと、本番データを流用した開発テスト用途のデータベースを簡単に構築できる。外部にある本番系のデータベースと同期し、Delphix内に構築した複数の仮想ストレージにデータをコピーする仕組みである(関連記事大企業の開発基盤はオンプレミス続行、半数以上がテストデータ準備に24時間以上─Delphix調査)。

Delphix CDP Applianceは、データベースのデータをランサムウェア攻撃などから保護する目的を持ったシステム製品である。サイバー攻撃を受けたシステムを復旧することを目的としており、アプライアンス2台のレプリケーション構成で提供する。

変更が加わったデータだけを即座にコピーしてデータを同期するCDP(継続的データ保護)により、RPO(復旧時点目標)をほぼゼロにできる。サイバー攻撃を受けたアプリケーションを、直前のトランザクションを実行した時点まで復旧可能である。「従来のバックアップは1日1回しかデータを取得しないため、最大で1日分のトランザクションが失われる可能性があった」(同社)。

Delphix DevOps Applianceは、本番環境のデータを流用したテストデータを迅速に準備するなど、開発工程を効率化する目的を持ったシステム製品である。アプライアンス1台構成で提供する。

Delphixの機能により、開発環境のツールからWeb API(REST API)を介してテストデータの準備や更新、巻き戻しといった、各種の操作が可能である。テストデータの生成にあたっては、機密データを検出してマスキングするといった機能も備えている。

なお、今回提供を開始した2つのアプライアンスは、いずれもPCサーバーとして米デル・テクノロジーズ製品を組み合わせている。

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