Azure OpenAI Serviceで利用可能なAI機能

自然言語でデータ分析を指示、ソースコードも生成─Microsoft製品が持つAI機能を説明

日本マイクロソフトは2023年3月16日、会見を開き、同社製品に組み込んだAI機能の最新情報を説明した。これらの多くは、大規模言語モデルを活用したAIがCopilot(副操縦士)となってユーザーを支援する形をとる。例えば、GitHub Copilotでは、AIに指示を与えることでソースコードを自動生成する。Microsoft Dynamics 365 Copilotでは、顧客からの問い合わせに対してメール返信文を自動で生成する。

 日本マイクロソフトは、同社製品に組み込んだAI機能の最新情報を説明した。これらの多くは、ユーザーが自然言語で指示を出すと、大規模言語モデルを活用したAIがCopilot(副操縦士)となってユーザーを支援する、という形をとる。米マイクロソフトは2019年から米OpenAIと提携しており、ローコード開発ツールのPower Appsに自然言語からコードを生成する機能を実装するなど、AI機能を取り込んできている。

会見では、7つの製品サービスについて、AIの活用状況を紹介した。

  • GitHub Copilot
  • Azure OpenAI Service
  • PowerBI
  • Teams Premium
  • New Bing
  • Microsoft Dynamics 365 Copilot
  • Power Platform

(1)GitHub Copilotは、GitHub上に実装したAIによるプログラミング支援機能である(図1)。AIに自然言語で指示を与えるだけで、プロジェクトの文脈に沿って、一般的なプログラミング言語のソースコードを自動生成する。AIとのペアプログラミングを実現する。GPT3の派生モデルでコードを生成可能なCodexを使う。

図1:GitHub Copilotに組み込んだAI機能の概要(出典:日本マイクロソフト)

(2)Azure OpenAI Serviceは、米OpenAIが開発したAIモデルをMicrosoft Azure上のマネージドサービスとして提供する(図2)。GPT-3/3.5(文章の生成や要約)、Codex(ソースコードの生成)、DALLE-E(画像の生成)、ChatGPT(GPT-3.5をもとにした会話用のモデル)が使える。後日、GPT-4も使えるようにする予定。

図2:Azure OpenAI Serviceで利用可能なAI機能(出典:日本マイクロソフト)

(3)PowerBIは、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールである。2021年から、自然言語を使って分析レポートを生成・描画できるようにしている(図3)。SQLなどのクエリーを記述することなくデータを分析可能である。AIがデータ分析結果の要約もしてくれる。

図3:PowerBIに組み込んだAI機能の概要(出典:日本マイクロソフト)

(4)Teams Premiumは、チャットやWeb会議などを行えるコミュニケーションツールである。GPT-3.5を組み込んでおり、Web会議を書き起こして要約し、議事録を自動生成する(図4)。長い文章から重要部分を抜き出すだけの抽出型の要約ではなく、新たな文面を起こす抽象型の要約で議事録を作る。会議後の録画も、自動でチャプター分けし、誰がどのパートでどんなトピックを話したのかを可視化する。

図4:Teams Premiumに組み込んだAI機能の概要(出典:日本マイクロソフト)

(5)New Bing(新しいBing)は、検索に特化した、AIによるCopilot(副操縦士)機能を搭載している(図5)。GPT-4を利用している。

図5:New Bingに組み込んだAI機能の概要(出典:日本マイクロソフト)

(6)Microsoft Dynamics 365 Copilotは、CRM(顧客関係管理)やERP(統合基幹業務システム)などの業務アプリケーションに組み込んだAIアシスタント機能である(図6)。営業担当者や顧客サポート担当者の日々の仕事を支援する。例えば、顧客からの問い合わせに対して自動でメールの返信文を生成する。

図6:Microsoft Dynamics 365 Copilotに組み込んだAI機能の概要(出典:日本マイクロソフト)
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(7)Power Platformは、ローコード開発ツール群である。OpenAIの技術を最初に組み込んだ製品がPower Platformの構成要素の1つであるPower Appsで、自然言語をもとにローコード言語「Power Fx」の計算式を作成できるようにした(図7)。自動化ツールのPower Automateも、自然言語からフローを生成する。

図7:Power Platformに組み込んだAI機能の概要(出典:日本マイクロソフト)

Power Platformでは今回、新たなツールとして、Power Virtual AgentsとAI Builderを加えた。これらを使うことで、チャットボットを簡単に作れるようになった。Azure OpenAI Serviceと連携し、GPTモデルをテンプレートとして組みこむことで、想定外の質問にも答えられるようになる。

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