履歴書の空白期間をどう前向きに説明するか

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サマリー:本稿は、採用面接でキャリアの空白期間を説明する際のアプローチとポイントについて解説する。子育てや家族介護、旅行、学び直し、解雇といった空白期間が生じた理由を、ポジティブな視点で説明する方法を示す。

キャリアの空白期間を無視してはいけない

採用面接の過程において、少なくとも一度は「履歴書の内容について説明してください」と聞かれることだろう。スキルや経験だけでなく、空白期間も含めて職務経歴の説明ができなければならない。これは重大なことで、履歴書について話す時に空白期間を無視すると、転職や離職に関する内容をコントロールする機会を失ってしまう。

そこで本稿では、拙著Wanted -> A New Career(未訳)のために行った離職期間に関する調査に基づき、空白期間が生じてしまう主な5つの理由と、面接時に空白期間について自信を持って説明する方法を解説する。

子育て

子育てのために仕事を離れた場合、その間に応募する仕事に関連するスキル、知識、経験をどのように得たかを説明する。たとえば、子どもの学校でボランティアをしただろうか。イベントや資金集めの企画をしたり、子どものスポーツチームの活動のために旅行を手配したりしただろうか。これらの経験はすべて、応募する仕事に置き換えることができる。

たとえば、グローバルな資金調達の分野でのキャリアを継続させたいなら、面接官にこう述べる。「子育てのために仕事を離れましたがが、子どものスポーツリーグのためにボランティアをし、資金集めの目標を立て、チームがそれを達成して必要とする人に資金援助をすることをサポートするなどして、ビジネスに関するスキルを維持することができました」

家族との死別や家族の介護

親や家族の世話をするために離職したなら、大切な時間を過ごすためにした選択について、自信を持って話をする。そして、その経験を仕事の視点から見てみる。たとえば、顧客サービスの仕事に戻りたいなら、家族が利用していた医療機関との連絡役としての役割に焦点を当てる。

「私は父の介護のために離職しました。その間、複数の医療提供者に対して効果的なコミュニケーションスキルを活用し、ファイナンシャルプランナー、ブローカー、法定代理人に対してはミーティングを調整するうえで取りまとめる能力を発揮して、父を安心させることができました。この仕事でも、同じような問題解決能力に加えて、プレッシャーの中でも冷静でいられる力を活かしたいと考えています」

財務関連の仕事に応募するなら、遺言執行者として果たした役割に焦点を当てるのもよいだろう。

「母が亡くなる前、一緒に過ごすために仕事を離れました。私が遺言執行者に任命されたのは、責任感が強く、課題処理が速く、財務の見識があるからです。母の遺産を整理する際には財務のスキルを活用するとともに、公共サービス、クレジットカード会社、医療機関、銀行などと効果的なコミュニケーションを取るなど、ソフトスキルも発揮できました。これらのスキルのおかげで、迅速かつ効率的に遺産を清算することができ、いまはその力を新たな挑戦に活かしたいと思っています」

世界旅行

旅行から戻り、再び企業で働く時は、旅行の間に新たな視点を身につけたことを強調する。たとえば、多国籍企業の面接を受けるなら、異文化の人々との交流についてや、他国の生活を経験して、職場で多くの人が持たない視点を得たことを話す。事業の運営を担いたいなら、旅行計画の効率性、損益を考慮した予算の組み方、次の旅行先を決定するために批判的思考をどのように使ったかを強調する。第2、第3、第4の言語を学習するために時間を費やしたならば、複数言語にわたる流暢な会話力が、マルチリンガルでない候補者よりもいかに高いパフォーマンスをもたらすことができるかを説明する。

大学

MBAや博士号を取得するために大学で学んだ人もいるだろう。フルタイムで通学したなら、取り組んだ具体的なプロジェクトがその仕事に直接関連していること、また過去の職務経験と合わせて、自分が担おうとしているポジションにユニークな価値をもたらすことを伝える。MBAを取得し、事業運営に関わることを目指しているなら、実際に携わった企業のプロジェクトを履歴書に記載し、面接で話せるようにする。

学位取得のために学校に通うのではなく、コースの受講や資格取得を通してスキルを身につけたなら、そのスキルがどのように希望する職種に適用でき、他の候補者と差別化できるかを説明する。書籍からその分野に対する新たな視点を得たり、リーダーシップ能力を高めたりしたら、学んだ原則をどのように職場で活かせるかを話す。

解雇

業績とは関係なく、大量解雇の影響を受けた場合は、ビジネス戦略が変わり、自分の部署やチームも最近の解雇の波にのみ込まれたと面接官に説明する。その不運な状況をポジティブなことと位置づけることもできる。「新たな挑戦を探していたので、それは幸運でした」

業績が原因で解雇となった場合、解雇を選択した雇用主は、あなたが仕事で成功したとは思っていない。一方、おそらくあなたは違った見方をしているか、当時の役割が自分の期待したものではないと感じていただろう。その場合は、その仕事が考えていたものとは異なり、スキルや能力を最も効果的な方法で活用できなかったと説明する。常に伝えるべきなのは、その経験から何を学んだか、そして、次の仕事が自分の期待に近いものになるように、どのように積極的に取り組んでいるかだ。

「入社後すぐに、その仕事が説明されたものとは異なるとわかりましたが、その会社と契約した以上、全力を尽くしたいと思いました。結局、私のA、B、Cのスキルは、そのビジネスに価値をもたらすために有効に活用されることがありませんでした。そこで、友好的に退職し、結果、ビジネスニーズに基づいて最も価値をもたらすことのできる、適切な仕事を探すことができています」

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