横浜国立大学とゼロゼロワンは2月24日、家庭用ルーターやスマート家電を始めとしたIoT機器のマルウェア検査サービス「am I infected?」(アム・アイ・インフェクテッド)の提供を開始したと発表した。費用は無料で、オプションなどによる追加料金は発生しない。 安全な状態の表示例 マルウェア感染が疑われる際の表示例 同サービスは、横浜国立大学 情報・物理セキュリティ研究拠点が運用しているハニーポットのほか、ゼロゼロワンが開発・提供するIoT検索エンジン「Karma」(カルマ)のデータ、情報通信研究機構(NICT。エヌアイシーティー)が開発・運用するサイバー攻撃観測・分析システム「NICTER」(ニクター)のデータを利用している。 横浜国立大学 情報・物理セキュリティ研究拠点とゼロゼロワンは、2021年6月より横浜国立大学内外のセキュリティスキャンに関する共同研究を行っており、今回のサービスは学外のIPアドレスに対するセキュリティスキャンの成果を活用しているという。 また横浜国立大学は、NICTが2021年4月に創設した産学官連携拠点「CYNEX」(サイネックス。Cybersecurity Nexus)に参画しており、CYNEXのサブプロジェクト「Co-Nexus S」(Security Operation & Sharing)よりNICTERの観測データの提供を受けている。 横浜国立大学 情報・物理セキュリティ研究拠点では、サイバー攻撃の実観測、分析に基づき、対策を導出する研究を行っている。IoT機器のウェブインターフェースを模倣したハニーポットと、Telnetと呼ばれる脆弱なサービスを動作させたハニーポットを運用しており、IoT機器の脆弱性を利用した攻撃や、IoT機器に感染するマルウェアを収集しているそうだ。 同ハニーポットによりサイバー攻撃をひきつけ、詳細に観測する受動的観測や攻撃の対象となる脆弱なシステムを探索する能動的観測により、これらの状況を把握し、独自の分析により、そのメカニズムを明らかにすることで、効果的な対策を導出するという。また、これまでIoTにおけるサイバー攻撃やマルウェア感染の蔓延、超大規模サービス妨害攻撃の観測、分析を行い、その観測・分析結果を多数の公的機関・民間企業・研究コミュニティに提供している。 ゼロゼロワンは、IoT機器開発事業者向けに設計段階におけるセキュリティ面での不安解消や想定外の脅威を作らないための支援を行うとともに、IoT機器を安全・安心に利用してもらうための啓蒙活動を行う会社。 公開情報を情報源とするOSINT(オシント。Open Source INTelligence)を含む様々な情報を可視化する検索エンジンであるKarmaと、より安全な製品開発のためのコンサルティングサービスを事業の柱としている。
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NEC、SaaSの設定不備によるセキュリティリスクを可視化するサービス
NECは2022年2月22日、「SaaSセキュリティ設定管理プロフェッショナルサービス」を提供開始した。Microsoft 365やBoxなどのSaaSの設定状況を可視化し、セキュリティリスクの洗い出しと改善を支援するサービスである。SaaSの設定を管理するSSPM(SaaS Security Posture Management)製品「Adaptive Shield」を活用する。NEC社内でAdaptive Shieldを導入・運用したノウハウをもとに、リスクアセスメントから改善、継続的な運用の支援までを総合的に提供する。 SaaSセキュリティ設定管理プロフェッショナルサービスは、Microsoft 365やBoxなどのSaaSの設定状況を可視化し、セキュリティリスクの洗い出しと改善を支援するサービスである(図1)。SaaSの設定を管理するSSPM(SaaS Security Posture Management)製品「Adaptive Shield」を活用する。NEC社内でAdaptive Shieldを導入・運用したノウハウをもとに、リスクアセスメントから改善、継続的な運用の支援までを総合的に提供する。 図1:「SaaSセキュリティ設定管理プロフェッショナルサービス」の概要(出典:NEC)拡大画像表示 50種類以上のSaaSを対象に、設定状況を管理できる。例えば、Microsoft 365、Box、Salesforce、Zoomなどである。提供するサービスは大きく3つある。(1)「CISベンチマーク」などのセキュリティ標準に則ってセキュリティリスクのある設定を洗い出す「SaaSセキュリティリスク可視化アセスメント」、(2)アセスメント結果に基づいて設定の見直しを支援する「SaaS設定改善支援」、(3)SaaSの機能追加や設定変更にともなう新たなリスクを定期的にチェックして報告する「SaaSセキュリティ運用支援」、である。 背景には、テレワークの導入などにともないSaaSの利用が急増している一方で、利用企業側で機能追加や変更に合わせた設定の見直しができておらず、設定不備が原因の情報漏洩が多数発生しているという状況がある。また、事業部門での利用実態を情報システム部門が把握できていないことや、利用しているSaaSが多数あり管理が追い付かないといったことが課題になっている。 Original Post>
日立、生体認証による無人店舗を社内の「オフィスグリコ」で実証、商品を手に取って離れるだけで自動精算
日立製作所は2022年2月22日、小型無人店舗のサービスコンセプト「CO-URIBA(コウリバ)」を発表した。同コンセプトの下、同社事業所内の「オフィスグリコ」において、生体認証による無人店舗の実証を開始する。生体認証による本人確認、自動決済、センサーを活用した購買行動ログの取得、デジタルサイネージなど、同社グループの各種技術を組み合わせた。今後も「オフィスグリコ」をはじめ、複数の事業者との実証を重ね、新しい売り場づくりの仕組みやサービスモデルの検討を進める。 CO-URIBA(コウリバ)は、生体認証による本人確認や自動決済の仕組みを採用した、小型無人店舗のサービスコンセプトである。商品を手に取って離れるだけで自動で精算可能な無人店舗を実現する。同コンセプトの下、日立製作所は、同社事業所内の「オフィスグリコ」(グリコチャネルクリエイトが展開する、オフィス向けの無人店舗)において、生体認証による無人店舗の実証を開始する(写真1)。 写真1:無人店舗「CO-URIBA」のイメージ(出典:日立製作所)拡大画像表示 利用者は、生体情報とクレジットカード情報をあらかじめ登録しておくことで、生体認証による手ぶら決済が可能になる。商品を手に取って店舗エリアから離れるだけで、自動で精算する。商品棚と天井に設置したセンサーを使って、ガムなどの小型・軽量の商品も認識するほか、手に取った商品を棚に戻した際にキャンセルと判別する。生体認証技術には、成りすましのリスクが低い公開型生体認証基盤(PBI)を利用する(関連記事:日立、手ぶらで決済できる「生体認証統合基盤サービス」、生体情報からPKIの秘密鍵を都度生成)。 購買情報や行動ログを活用して在庫管理に役立てられる。現場で商品を確認することなく、どの商品がいつ売れているか、在庫状況はどれくらいかなどの情報をリアルタイムに把握可能であるため、売り切れ前の商品補充、人気商品の売り場面積拡大など、ニーズに応じた販売計画の立案に役立つ。 消費行動を可視化して、商品開発や販売戦略立案などのマーケティングに役立てられる。商品棚の重量センサーと商品棚上部の3Dセンサーから利用者の行動履歴を収集する。「購入者の属性」や「購入商品」、「時間帯」などの情報に加え、「商品前でしばらく足を止めた」、「一度手に取ったものの購入に至らなかった」などの行動履歴を取得する。 今後も、マーケティング機能を強化する。デジタルサイネージ「MediaSpace」を活用して入場時の認証情報をもとにしたパーソナライズ広告を表示したり、手に取った商品に応じて広告やカロリー/栄養成分を表示したり、施設のお知らせや天気予報などを表示したりする。さらに、ダイナミックプライシング(需要に応じた価格変動)機能の実装などを検討している。 背景には、無人店舗のニーズが高まっている状況がある。無人店舗のさらなる利用拡大に向けて、在庫管理や商品補充の最適化、売れ行きの把握、消費者の購買行動や好みなどに基づいた新しい買い物体験の提供が求められている。 Original Post>
日本ユニシス、RPA「UiPath」の全社運用を支援する「RPAエンタープライズサービス」を開始
日本ユニシスは2022年2月25日、RPA運用支援サービス「RPAエンタープライズサービス」を提供開始した。トレーニングや運用サポートなど、RPAツール「UiPath」を全社で運用していく上で必要になる内部統制のための仕組み作りを支援する。既に提供済みの「RPA導入支援サービス」と組み合わせることで、RPAの新規導入から全社展開までをワンストップで支援する。 RPAエンタープライズサービスは、RPA導入後の運用・保守フェーズを支援するSIサービスである(図1)。トレーニングや運用サポートなど、RPAを全社で運用していく上で必要になる内部統制のための仕組み作りを支援する。既に提供済みの「RPA導入支援サービス」と組み合わせることで、RPAの新規導入から全社展開までをワンストップで支援する。 図1:RPAエンタープライズサービスの概要(出典:日本ユニシス)拡大画像表示 RPA導入後の、(1)教育、(2)運用、(3)保守、の3つのフェーズをカバーする(表1)。 RPAエンタープライズサービスのサービス内容(出典:日本ユニシス) フェーズ サービス名 サービス内容 教育 ユーザートレーニング(管理者向け) 大規模運用でのロボット展開を始める管理者(RPAサービスデスク)に向けて、UiPath Orchestratorを利用したロボット管理手法の研修を実施する 運用 Orchestrator導入支援 オンプレミス版UiPath Orchestratorを導入するサービス。製品のインストールから、ロボット接続の動作確認までを実施する RPA運用サポートサービス UiPath Orchestratorの運用支援を行うサービス。監視、障害対応、ログ管理、UiPath Orchestrator運用代行、セキュリティリスク管理、レポーティング、ヘルプデスクなどを組み合わせて利用できる 開発/運用ルール作成 ルール作成の対象となる業務についてヒアリングし、開発ルール、運用ルールを作成する 開発ルールの項目例:RPA化フロー、設計、開発(注釈、ネーミング、設定ファイル、エラー、ログ)、テスト 運用ルールの項目例:体制、監視、ロボット管理、セキュリティ対応、障害管理、ナレッジ管理 保守
空港を中心に移動を検索、手配できる「JAL MaaS」–1つのアプリでシームレスに旅行
日本航空(JAL)は2月17日、国内空港を中心とした地上交通での移動について、航空機の移動を含めた経路検索や、交通事業者と連携した予約、手配ができる「JAL MaaS」の提供を開始すると発表した。 JALグループ国内線(コードシェアやジェットスタージャパン、スプリングジャパンの国内線を含む)、日本国内における地上交通などが検索対象経路となる。利用は、JALのウェブサイト「そのほかのサービス」「発着案内」から可能。連携する事業者は、オンデマンド型シャトルサービス「スマートシャトル」を提供するNearMe、公共交通のチケット販売システムを提供するウェルネット、タクシー配⾞システムを提供する電脳交通など。 同社はこれまでも、さまざまな交通事業者と連携し、出発地と空港および、空港と目的地間をダイレクトにつなぐ移動手段の手配ができるサービスなどを提供してきた。 JAL MaaSでは、経路検索機能を導入。経路検索上で利用者と各事業者の接点をつなぐことにより、それぞれのシーンで専用のアプリやウェブサイトを開くことなく、出発地から目的地までをシームレスに旅行できる仕組みを構築している。 なお、東日本旅客鉄道(JR東日本)が提供する「リアルタイム経路検索」を活用しており、国内の航空会社で初めて、空の便と地上交通の遅延状況を反映するリアルタイムな経路検索が可能となっている。 加えて、自治体との連携を強化し、移動手段の選択肢が限られているなどの地域が抱える移動に関する課題の解決と、交流人口の創出に取り組んでいくという。 具体的には、2月17日~5月31日までの期間、JAL MaaSと、「徳島県(徳島阿波おどり空港)」「山形県(おいしい山形空港)と山形空港利用拡大推進協議会」「青森県(三沢空港)と三沢空港振興会」が連携する取り組みを実施する。 徳島阿波おどり空港では、新たな移動サービスとして開始する、空港と人気スポットをダイレクトに結ぶスマートシャトルがJAL MaaSに対応。JAL MaaSで一般路線バスの一日乗車券販売サイトへとワンクリックでアクセスできるようになった。 おいしい山形空港では、空港と観光地などを結ぶ地上交通の案内サイトと連携する。予約サービスの利用、最新のダイヤ情報の一元的な確認などが可能。 三沢空港では、地上交通においてスムーズな乗車をサポートするデジタル乗車券を販売する。 いずれの連携でも、予約、購入時に「JMBお得意様番号、JMB登録名(ローマ字)」を入力することで、マイルがたまるようになる。 今後は、連携する自治体の拡大を図るとともに、空港から目的地までの移動のサポートに加え、地域の魅力発信にも積極的に取り組んでいくという。 Original Post>
ラック、不正な金融取引をAIで検知して防御するサービス「AIゼロフラウド」、金融機関向けに提供
ラックは2022年2月17日、金融不正取引防御サービス「AIゼロフラウド(AI ZeroFraud)」を金融機関向けに提供開始した。キャッシュカードを騙し取って現金を引き出すといった不正な口座取引を、AIで検知して防御する。ラックの金融犯罪対策センター「Financial Crime Control Center」(FC3)が開発したAIを活用する。価格は対象口座数などに応じて変わり、個別見積もり。 AIゼロフラウドは、不正な金融取引をAIで検知して防御するサービスである(図1)。キャッシュカードを騙し取って現金を引き出すといった不正な口座取引をAIで検知して防御する。金融機関のサービス利用者の取引行動から特殊詐欺行為を発見し、不正利用を停止する。金額、口座情報、日時、などの属性データや取引履歴などのデータを元に不正かどうかを判別する。取引情報をAIゼロフラウドに送信すると、リアルタイムに分析結果が得られる。 図1:金融不正取引防御サービス「AIゼロフラウド(AI ZeroFraud)」の概要(出典:ラック)拡大画像表示 特徴は、AIを利用して不正取引の検知性能を高めたことである。不正取引検知率として94%をうたっている。不正取引は正常な取引と比べて極端に件数が少なく不均衡データとなるため、従来のルールベースの検知では対応が難しい。ラックが開発した技術では、犯罪パターンを分析し、学習用データの比率調整を実施する。不均衡データでも発見率が高いとしている。 サービス導入の流れはこうだ。事前検証フェーズにおいて、金融機関が保有する取引データを実際に使い、データ分析や不正検知モデルのチューニングを実施する。こうして、実現性や有効性を評価する。この後、検証結果に基づき、システム環境に沿った形で不正取引検知システムを開発・導入する。運用フェーズでは、定期的にAIエンジンをチューニングし、金融機関の取引状況を不正検知モデルへと反映させる。 Original Post>
東京初、隅田川上空で「橋横断」–ドローン医薬品配送、普及の鍵は「省人化」
日本航空(JAL)、KDDI、メディパルホールディングス、東京都デジタルサービス局は、2月8〜9日と16日の3日間に渡り、ドローンが隅田川上空を飛行して永代橋、中央大橋、佃大橋の3つの大橋を横断し、医薬品を配送する実証実験を実施。最終日となる16日には、実証実験を報道に向けて公開した。 本実証実験は、「東京都におけるドローン物流プラットフォーム社会実装プロジェクト」に採択された3件のうちの1つ。KDDIとJR東日本が中心となった竹芝でのフードデリバリー、ANAとセブンイレブンが中心となった日の出町でのコンビニ商品配送に続き、JALとKDDIが中心となって取り組んだ。 目的は、2022年度下期に法改正が見込まれる「レベル4(有人地帯における目視外飛行)」の解禁を見据えた、ドローンによる医薬品輸送ビジネスモデルの確立だ。医薬などの卸売業を営むメディセオと、東京都中央区にある聖路加病院がユーザーという立場で協力した。 (左から)メディセオ ロジスティクス本部長の若菜氏、KDDI 事業創造本部ビジネス開発部 ドローン事業推進Gリーダーの博野氏、JALデジタルイノベーション本部エアモビリティ創造部マネージャーの田中氏、聖路加病院 薬剤部部長の後藤氏 1日5回の医薬品緊急配送、ドローンでの代替を目指す 聖路加病院 薬剤部部長を務める後藤一美氏は、「1日4〜5回ほど、緊急配送が発生している」と明かす。配送物は、高額かつ緊急性が高く、常時使わない医薬品も多く、1回の投与量によっても必要量が変動するものもあるという。院内で薬剤を保管するスペースも限られているなか、即時オンデマンド配送へのニーズは高いという。本実証のシナリオは、「緊急時における医薬品の即時オンデマンド輸送」とされたが、有時平時問わず、ドローンによる医薬品配送のビジネス化が求められていることがうかがえる。 本実証で使われた機体は、国産ドローンメーカーACSLの「PF2」という自動航行ドローン。JAL デジタルイノベーション本部 エアモビリティ創造部 マネージャーの田中秀治氏は、「医薬品のように少量多頻度配送に、うってつけの機体」と話す。出発地点のメディセオ新東京ビルから目的地の聖路加国際病院へ、隅田川テラス沿いを5m/sの速度で約2.0km飛行して、医薬品サンプル(模擬品)を配送した。 ACSL製の「PF2」サイズは、横幅1173mm、高さ526mm 見どころの1つは、都内初となる「大橋の横断」だ。ドローンは、通行人がいる場合はホバリングして待機し、レベル2(補助者あり目視外)で飛行した。また、各橋に補助者を配置する、橋の両端に注意喚起の立て看板を設置するなど、安全管理につとめた。 実証には大勢の報道陣や関係者が集まり、ビルの向こうにドローンが現れるのを待ち構えた。橋でホバリングしている様子が遥か遠くに目視できたときには、現場はざわざわとどよめいていた。 左端のビルの左側に機体が見える その時のドローンからの風景(提供:ACSL) ドローンは、隅田川上空を自動航行して、約8分後に目的地付近へ到着した。実証期間中には、通行人の通過を待ちながら飛行したため、片道最大14分かかったフライトもあったという。PF2の最大飛行時間は35分のため、バッテリー不足への対策として残量が一定値を切った場合は、2カ所の緊急着陸地点のいずれかへ降りるというシステムが組まれていた。 ドローンが着陸するところ 着陸後、JALのスタッフが荷物を下ろした 本実証での重要な検証項目の1つは、配送中の品質検証だ。2021年6月に公布された「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン」に沿って、温度管理、固定を行った。 医薬品サンプルの受け渡し
akippa、駐車場オーナーが特定の利用者のみに貸し出しを行える「akippa private」
akippaは2月16日、分譲マンションや寮などの空き駐車場対策として、駐車場オーナーが特定の利用者のみに貸し出せる「akippa private(アキッパ・プライベート)」の提供を開始すると発表した。3月1日より利用できる。 駐車場オーナーが特定の利用者のみに貸出を行える「akippa private」 akippaは、契約されていない月極駐車場や個人宅の車庫、空き地、商業施設など空いているスペースを、ウェブまたはアプリから事前予約、事前決済して安く利用できる、駐車場のシェアリングサービス「akippa」を運営している。 今回のakippa privateは、駐車場オーナーが指定する特定の対象者に限定して駐車場を貸し出せる、akippaの新機能。分譲マンションや賃貸物件の入居者専用駐車場、施設の専用駐車場での利用を想定している。 akippaが専用の予約ページURLとパスワードを発行し、駐車場オーナーに通知。オーナーは特定の予約対象者に必要情報を伝える。予約対象者は該当のページからakippaにログインし、予約希望日時の選択、必要事項の入力を行って予約が可能だ。 「akippa private」の利用フロー なお、予約にはakippaの会員登録が必要。akippaの予約システムを活用して予約、決済をするため、利用者から徴収する駐車場利用料はクレジットカード、キャリア決済(docomo、au)、PayPay決済となる。管理会社は窓口業務の管理工数を削減できるほか、現金取り扱いのリスクを回避できる。 また、分譲マンションにおいて外部収益が駐車場シェアの導入障壁となっている場合、入居者専用で外部収益とならないakippa privateは、税金リスクなく空きスペースの活用が可能。さらに、セキュリティの整った分譲マンションや学生寮などにおいて、予約対象者を絞ることができるため、第三者の立入りを防げるとしている。 akippaとの違い Original Post>
KPMGコンサルティング、業績管理テンプレートを提供、S&OPとFP&Aを融合して予兆検知
KPMGコンサルティングは2022年2月14日、統合業績管理(経営企画、オペレーション計画、財務予測を統合した業績管理モデル)の実現を目的とした業績管理テンプレートを提供開始した。迅速に意思決定を行えるように、既存のEPM(経営管理)ツールとKPMGが独自に構築した予測エンジンを組み合わせた。まずは小売業に向けて提供し、今後は製造業を中心に、より幅広い業態に対応した製品へと発展させる。 KPMGコンサルティングは、統合業績管理(経営企画、オペレーション計画、財務予測を統合した業績管理モデル)の実現を目的とした業績管理テンプレートを提供開始した。迅速に意思決定を行えるように、既存のEPM(経営管理)ツールとKPMGが独自に構築した予測エンジンを組み合わせたとしている。 テンプレートは、有限責任あずさ監査法人のアカウンティング・アドバイザリー・サービス事業部が持つ、事業ポートフォリオ分析などの財務分析に関する知見を活用している。さらに、KPMG Ignition Tokyoが持つアセット「予測エンジン」および「マネジメントコックピット」を利用している。 提供する機能の1つが「マネジメントコックピット」である(画面1)。ダッシュボード上に、ROIC(投下資本利益率)ツリー、財務KPIヒートマップ、ESG指標分析、複数の事業ポートフォリオシナリオ分析、などの各種分析画面をマルチスクリーン型で視覚化する。需要予測における予測値の正確性を高められるように、相関係数の高いデータを利用したシミュレーション機能も備える。 画面1:「マネジメントコックピット」のイメージ(出典:KPMGコンサルティング)拡大画像表示 業績管理モデルは、S&OP(Sales & Operations Planning)のデータモデルとFP&A(Financial Planning & Analysis)のデータモデルを融合させている。これにより、予兆検知的な洞察が得られるとしている。また、分析機能では、数理的手法を活用した分析・予測モデルを提案する(図1)。統計的な予測データの算出や仮想シナリオに基づいたWhat-If分析などの機能を提供する。 図1:分析機能の概要(出典:KPMGコンサルティング)拡大画像表示 Original Post>
海洋研究開発機構と鹿児島大、デジカメ撮影による海岸の写真からAIで漂着ごみの被覆面積を高精度に推定する新手法を開発
セマンティック・セグメンテーションを用いた、海岸の写真からの海ごみ検出のイメージ図。写真に対して、ピクセル単位でのクラス分類が行われる。訓練用に2800枚、評価用に700枚の画像データを用いた(写真は山形県提供) 海洋研究開発機構と鹿児島大学は2月4日、ディープラーニングを用いた画像解析で、デジカメなどで普通に撮影された海岸の写真から、海岸の漂着ゴミを検出する手法を開発したと発表した。 海岸漂着ゴミの実態調査は世界中で行われているが、ゴミの現存量の定量化が行える、汎用性と実用性の面で優れた技術がなかった。人による調査では、経済的負担、時間的制約、さらに範囲も限定されてしまい、精度にも課題があった。ドローンや人工衛星を使う技術も開発されているが、それではコストがかかりすぎる。そこで、海洋研究開発機構の日高弥子臨時研究補助員、松岡大祐副主任研究員と、鹿児島大学の加古真一郎准教授からなる研究グループは、地上においてデジカメなどで簡易的に撮影された画像から、高精度で海洋漂着ゴミの定量化ができる技術の研究に着手した。 ここで採用されたAI技術は、セマンティック・セグメンテーションと呼ばれるもの。ディープラーニングを用いた画像解析技術で、画像内のすべてのピクセルにラベル付けを行い、ピクセルごとに、人工ゴミ、自然ゴミ、砂浜、海、空といったクラスを出力する。そのクラス特有のパターンの学習には、山形県庄内総合支庁から提供された海岸清潔度モニタリング写真3500枚が利用された。そこから正解となるラベルを作成し、AIの訓練や判断の評価を行った。 入力画像、正解ラベルおよびAIによる推定画像の例 今回の研究では、海岸漂着ゴミを検出した後の画像を、真上から見た構図に変換(射影変換)して、ゴミの被覆面積を推定することも可能であることがわかった。ドローンによる空撮画像から推定した被覆面積と比較したところ、誤差は10%程度だった。 セマンティック・セグメンテーションと射影変換による人工ごみの被覆面積推定結果。海岸漂着ごみ検出後の画像を真上から撮影した構図に射影変換することにより、海岸全体のごみの被覆面積が推定可能であることを示したもの。同手法の精度は、ドローンによる空撮から得られた正解値との比較により検証している 今後は、海岸漂着ゴミの堆積の推定や、プラスチックゴミの個数のカウントもできるように発展させるという。今回の研究から生まれた学習用データセット(The BeachLitter Dataset v2022)は、非商用の研究目的に限って公開される。汎用性の高いシステムなので、多くの人がデータを集め学習させることで、それぞれの地域特有の、目的に合ったAIの開発が可能になり、全世界で活用できるようになるとのことだ。そこで、研究グループは、アマチュア科学者をはじめ多くの人々が参加する市民科学に期待を寄せている。 Original Post>
NTTコミュニケーションズ、山形県との連携のもとAIで積雪状況を分析し除雪業務の効率化を目指す実証実験を開始
NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は2月4日、山形県との連携のもと、米沢市と高畠町において、車載カメラで収集した画像データからAIで積雪状況を分析する実証実験を同日開始した。これは除雪業務の効率化を目指す実験で、積雪状況をリアルタイムに「可視化プラットフォーム」の地図上に表示する。 同実証実験はNTT Comの社内ビジネスコンテスト「DigiCom」および社内新規事業創出プログラム「BI challenge」にて創発されたビジネスアイデアで、その事業化に向けた取り組みの一環。 山形県は豪雪地帯として知られているが、なかでも米沢市と高畠町は国土交通省から「特別豪雪地帯」に指定されており、除雪の緊急度把握が特に重要な地域となっている。今回実験を行うNTTコミュニケーションズのシステムは、様々な車両の車載カメラで撮影された道路の映像をクラウドに集め、地図上にマッピングするというもので、積雪状況のリアルタイムの可視化、状況把握の効率化、緊急度に応じた除雪車の早期手配などに役立つ。 これには、NTT Comが提供するクラウド録画カメラサービス「coomonita 」(コーモニタ)」と、ネット地図サービス企業HERE Technologies(ヒアテクノロジーズ)の位置情報システム「HERE Maps API」が用いられる。AI画像分析は、東大・松尾研発のAIスタートアップACES(エーシーズ)と協力し実施する。 実証実験は、2つのステップで実施される。2月28日まで実施されるステップ1では、道路などの積雪状況の画像データを集め、個人情報をマスキングした上でリアルタイムに「可視化プラットフォーム」の地図上に画像を表示し、可視化データを自治体に提供する。2022年12月に実施予定のステップ2では、積雪状況、道路の幅、事故、道路陥没状況などをAIで画像分析し、結果を自治体に提供する。 今後は、積雪アラートなどの機能を追加すると同時に、道路の損傷検知や地域防犯など、積雪地域以外の全国にも同システムを展開を目指すとのことだ。 Original Post>
ソニー銀行、住宅ローン審査のオペレーションをSalesforceと連携した文書管理システムで改善
ソニー銀行は、住宅ローン審査のオペレーションを改善し、文書管理基盤とともに2021年5月に稼働させた。新たなオペレーションでは、審査書類をソニー銀行に送付する手段を増やし、郵送、メール添付、FAXに加えて専用サイトへのアップロードを可能にした。これにともない、どの経路から来る書類でも効率的に一元管理できる仕組みとして、文書管理システムの「SPA Cloud」(ウイングアーク1stが提供)を導入した。ウイングアーク1stが2022年2月7日に発表した。 ソニー銀行は、住宅ローン審査のオペレーションを改善し、文書管理基盤とともに2021年5月に稼働させた(図1)。新たなオペレーションでは、審査書類をソニー銀行に送付する手段を増やし、郵送、メール添付、FAXに加えて、専用サイトへのアップロードを可能にした。これにともない、どの経路から来る書類でも効率的に一元管理できる仕組みとして、文書管理システムのSPA Cloudを導入した。 図1:Salesforceと連携したSPA Cloudで重要書類を一元管理するフロー(出典:ウイングアーク1st)拡大画像表示 従来は、書類受付から審査結果の告知まで3~5週間かかっていた。特に、書類の受付と確認に1~2週間がかかっており、ボトルネックになっていた。これを改善するため、顧客が書類をアップロードして提出する方法を追加した。書類の受付や確認を含め、書類の管理に要する時間を短くすることによって、書類受付から審査結果の告知までを早期化した。 ソニー銀行は、顧客管理にSalesforce.comのExperience CloudとService Cloudを活用している。SPA Cloudでは、Salesforceで管理している顧客情報と書類を紐づけて管理する。これにより、各経路から送られてくる書類を、SPA Cloudを介してSalesforceの画面から確認できるようにした。また、SPA Cloudでは、住宅ローン関連の書類だけでなく、過去20年分の顧客関連書類のデータを一元的に管理している。これにより、数百万個のフォルダから対象フォルダを4秒程度で検索可能になった。 なお、アップロードは、ソニー銀行から顧客にExperience CloudのIDとパスワードをメールで送り、顧客にファイルをアップロードしてもらう。メールで受け取った際には、Service Cloudで検索した顧客フォルダにドラッグ&ドロップで格納可能である。郵送で受け取った書類は、顧客のQRコードが付いた表紙を出力して書類と一緒にスキャンするという工夫によって、顧客ごとのSPA Cloudフォルダに自動的に格納する。 今後は、紙の書類のスキャン作業にAI-OCR(光学文字認識)などを活用することにより、書類の振り分けを自動化させる予定である。 Original Post>
理研ら国際共同研究チーム、医療ビッグデータとコンピューター科学を活用し卵巣がんの新しい治療標的を特定
高異型度漿液性卵巣がんにおけるLKB1-MARK3経路の機能異常 理化学研究所(理研)は2月7日、医療ビッグデータとコンピューター科学の活用により、卵巣がんの新しい治療標的「LKB1-MARK3経路」を特定したと発表した。卵巣がんの中でもっとも死亡者数の70から80%を占める「高異型度漿液性卵巣がん」の新しい治療法の開発につながると期待されている。 これは、理研、国立がん研究センター研究所、国立がん研究センター中央病院、東京大学、米メモリアルスローンケタリングがんセンター、米国立がん研究所の国際共同研究によるもの。 高異型度漿液性卵巣がんの研究では、ゲノム解析の結果、ほぼ全例にがん抑制遺伝子TP53の不活性化型変異が認められている。その症例の半数にはPARP阻害剤が有効な治療法とされるが、残りの半数の症例への治療標的が十分には確立されていなかった。しかし、個別の遺伝子変異に注目した従来型の研究手法では、これ以上新しい治療標的を発見できない可能性がある。そう感じた研究グループは、様々なアルゴリズムを用いてコンピューター解析を行う「ビッグデータ解析」による、遺伝子発現量の変化を定量的に評価する必要があると考えた。 研究グループは、高異型度漿液性卵巣がんのがん組織と正常卵巣組織の遺伝子発現量を比較解析するために、大規模なマイクロアレイデータ、RNA-seqデータ、臨床情報などが含まれる複数データベースの統合解析を行い、遺伝子発現変化が臨床予後に影響する遺伝子を抽出するために、新しい解析プラットフォームを構築。これにより、「LKB1-MARK3経路」のMARK3遺伝子が高異型度漿液性卵巣がんで発現抑制されており、その遺伝子発現量の低下が臨床予後の悪化に関わることがわかったという。 医療ビックデータ解析による新規治療標的の探索パイプラインと解析結果 次に、ビックデータ解析の結果を臨床医学的に検証するために、高異型度漿液性卵巣がんの正常組織(卵管上皮細胞)と前がん病変(上皮内がん)、浸潤がんの患者由来検体を用いて、「セリンスレオニンキナーゼ(serine-threonine kinase)をコードするがん抑制遺伝子」であるLKB1と、「LKB1によって直接的にリン酸化修飾を受けるセリンスレオニンキナーゼ」であるMARK3のタンパク質発現量を評価した。 その結果、LKB1とMARK3からなる「LKB1-MARK3経路」のMARK3遺伝子が高異型度漿液性卵巣がんで発現抑制されており、その遺伝子発現量の低下が病状の悪化に関わっていることがわかった。さらにその後の解析により、MARK3は卵巣がん細胞株において抗腫瘍効果を発揮することもわかった。これは、マウスの皮下組織にMARK3を強制発現させた卵巣がん細胞株を移植する実験でも、明らかとなった。 卵巣がん組織におけるLKB1とMARK3のタンパク質発現プロファイル 今回の研究は、理化学研究所革新知能統合研究センターの情報科学技術を用いて、「医療ビッグデータを解析し、従来の医学研究手法でその結果を検証した」ものであり、その成果は「がん研究においても情報科学と医学が融合した学際的な研究手法が重要であることを示しています」と研究グループは話している。このビッグデータ解析手法は、異なるがん種や疾患の原因探索にも応用できる可能性があるとのことだ。 Original Post>
SUBARU、AIモデルでエンジン部品研削加工工程の品質を保証、量産ラインで稼働開始
SUBARUは2022年2月9日、エンジン部品であるカムシャフトの研削加工品質をAIで判定するシステムを稼働させたと発表した。同年1月末からSUBARUの群馬製作所大泉工場で運用している。全カムシャフトの品質保証をリアルタイムに実現したことで、従来の抜き取り検査による品質検査と比べて品質保証レベルが上がったとしている。なお、AIモデルは富士通と共同で開発した。AIモデルの導入に合わせて、製造現場でAIモデルを管理するための運用管理ソフトウェア「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA 現場品質AI 運用管理パッケージ」(COLMINA 現場品質AI)も導入した。 SUBARUは、エンジン部品であるカムシャフトの研削加工品質をAIで判定するシステムを稼働させた(図1)。2022年1月末からSUBARUの群馬製作所大泉工場で運用している。導入の効果として、全カムシャフトの品質をリアルタイムに保証できるようになったことにより、従来の抜き取り検査を主体とした品質検査と比べて、品質保証のレベルが上がった、としている。 図1:カムシャフトの研削加工品質をAIで判定するシステムのイメージ(出典:SUBARU、富士通)拡大画像表示 開発したAIモデルの特徴は、加工中の全カムシャフト(写真1)の品質をリアルタイムに推測する点である。研削設備に接続したセンサーから、全カムシャフトの主軸動力値や振動のセンシングデータを、エッジデバイスを介して収集する仕組み。収集したデータを基に、AIモデルで推測した品質状態が品質基準値の範囲内かどうかを判定し、設備側へフィードバックする。 写真1:カムシャフトの外観 製造現場でのAIモデルの運用を支援する仕掛けとして、運用管理ソフトウェア「COLMINA 現場品質AI」も導入した。複数の設備に組んだAIモデルを一元管理できるようにした。予測精度を維持できているかどうかを、AIモデルの推論結果と検査結果を照らし合わせて常に監視する。蓄積した予測結果からAIモデルのチューニング時期を判断し、必要に応じてAIモデルの再学習と展開を実施できる。 実運用前には実証実験も実施した。2019年12月から2020年12月にかけてAIモデルの実証を群馬製作所大泉工場で実施した。1年間の量産での研削加工工程において、AIモデルが高精度に加工品質を予測可能で、実運用でも確実な品質保証が期待できるという結果を得た。 さらに、量産運用を想定した「COLMINA 現場品質AI」の開発・実証を2020年8月から2021年12月にかけて実施した。精度維持のための定期的な確認、精度低下時のAIモデルの再学習、エッジデバイスへの再導入、などを繰り返し実施する仕組みを検証した。AIモデルを組み込んだ各種設備のデータをリアルタイムに処理する仕組みも検証した。 SUBARUと富士通は今後、今回の取り組みをリファレンスとし、カムシャフト以外の部品を含めた群馬製作所全体に横展開を推進する。 Original Post>
