「CIO賢人倶楽部」は、企業における情報システム/IT部門の役割となすべき課題解決に向けて、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)同士の意見交換や知見共有を促し支援するユーザーコミュニティである。IT Leadersはその趣旨に賛同し、オブザーバーとして参加している。本連載では、同倶楽部で発信しているメンバーのリレーコラムを転載してお届けしている。今回は、パーソルホールディングス 執行役員CIO 古川昌幸氏によるオピニオンである。 保守を志向する今の若年層 2021年10月31日、任期満了に伴う衆議院議員選挙があった。結果は読者の皆様も知るところだが、選挙前には自民党の劣勢が報道され、また当日の出口調査の結果からしても過半数ギリギリ確保という情勢だったにも係わらず、261議席という絶対安定多数を確保した。なぜ予想が外れたのかも興味深いが、それ以上に筆者は投票行動の分析結果に非常に興味を持った。年齢層が高い有権者ほど野党に、20代や30代の若い有権者は自民党への投票が高かったことが示されたのである。 先の衆院選の結果から、20代や30代の若い有権者の保守志向がうかがえる 誤解を恐れずに言えば、変化を望んでいるのは50代や60代であり、若い層は保守的だった。これは選挙に限らない。コロナ禍によりテレワークに取り組んだ企業は多いが、パーソル総合研究所の調べで意外なことが分かった。20代の若手社員はテレワークに対してメリットよりもデメリットを感じ、出社意欲が他の年代より高いのである。背景には、ちょっとしたことを身近な先輩に聞くことができず、自分は他者と比べて成長が遅れているのではないかという不安があるようだ。このような面からも若年層の保守的な志向が見てとれる。 読者の皆様はどうだろうか。変化を嫌がるのはおおむね昭和世代であり、若年層は改革志向が強いという印象を持たれている人が多いのではないか。しかし、実態はそう単純ではなく、むしろ真逆と言ってもいいようである。 ITとDXの位置づけは保守と革新? 経済産業省が2018年9月にDXレポートで示した「2025年の崖」などをきっかけに、国内企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みは加速したように思う。しかし、何らかの成果を上げている企業はまだまだ少数である。これまでIT(情報技術)というくくりで、「経営とITは両輪」という言われ方をしてきたわけだが、そもそもITとDXは何が違うのだろうか。 IT組織とDX組織を分けて設置している企業を見てみると、IT組織は効率化や生産性向上を実現し利益の確保を目指す「守り」=保守の組織。DX組織は新サービスの開発やデータ利活用によって競争力を高め売上を伸ばす「攻め」=革新の組織と位置づけている。どちらもデジタルテクノロジーを使う点は共通なので、別々の組織として設置する必要があるのか疑問があるが、CIOが営業やマーケティング、製造などのライン業務に精通していないということから、ライン部門出身者をCDO(Chief Digital Officer)にして組織も分けるのが予定調和の1つの智恵なのかもしれない。 今日、企業の中期計画や事業戦略にDXの文字を見ないことはなく、継続的に革新に取り組んでいかなければ企業の事業成長が望めない時代に変わったことは、読者も異論のないところだろう。しかし冒頭の日本人の特性をみても、社員(特に若手)は心の奥では革新よりも保守を望んでいるのではないか。そこに目を瞑って革新(DX)一辺倒に突き進むと、足元がぐらつくのではないだろうか。 特にコロナ禍でテレワークやオンライン会議が増えている今日、経営陣は若年層の社員とのコミュニケーションがコロナ禍以前に比べて不足しており、意識や認識のギャップを捕まえ切れていないと認識すべきであり、足元のグラつきを起こさないようにケアしなければならないと筆者は考える。 そうすると「じゃあ、ITとDXの比率はどのくらいがベストなのか?」という質問が出てくる。はっきり言ってこれには正解はないと筆者は考える。長い社歴があり、まだまだITに80%を費やしてインフラや基幹システムの刷新が必要な既存企業と、スタートアップ企業のように生まれながらにして100%近くDXへ投資して新たなサービスや事業を展開していく企業とはまったく異なるからだ。筆者の会社で言えばITが60%、DXが40%というところである。 むしろ問題なのが、自社のDXはうまく行っているのかという評価のあり方である。DXへの投資がIT投資を上回れば「勝ち」なのかという話でもある。次から次へとPoC(概念実証)を実施しDX投資を食いつぶしているだけでは、決して「勝ち」とは言えないだろう。施策によって「価値」を生み出すことが本来の「勝ち」であると筆者は考える。 Original Post>
Category: Japanese IT domestic
CNDT2021、三菱UFJのIT子会社が語る伝統的な銀行システムとコンテナーを繋ぐシステム
CNDT2021から「Mableの高速開発を支えるプラットフォーム」というタイトルのセッションを紹介する。これは三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社(以下、MUIT)のアーキテクト、千野修平氏によるセッションだ。千野氏はシステムインテグレーターでの勤務から2017年に三菱UFJ銀行に入社し、その後MUITに出向しているという立場だ。MUITは三菱UFJ関連のIT開発を行っているということから、このセッションにおける「エンドユーザー」は銀行の利用者ではなく三菱UFJ関連の企業ということになる。 セッションを行う千野氏 簡単な自己紹介と会社紹介の後に、今回のセッションの対象となるMable(メイブル)という三菱UFJ銀行が提供するスマートフォン向けのアプリケーションについて解説を始めた。ただ、このセッションではそのアプリケーションそのものの解説はほとんどせずに、アプリケーション開発を行った組織の概要、アジャイルな開発と安定した運用をどうやってバランスさせているのか? について解説を行っている。 インターネットバンキングの利用者は1年(2019から2020)で3倍に増加 このスライドではインターネットバンキングの利用者が1年間で3倍に増えたことを解説しているが、ユーザーの増加という観点については店舗での口座開設がインターネットからの口座開設に移行していることだけが三菱UFJ銀行の目的ではない、それより顧客との関係を強化したいというのが目的だと説明した。その目的の一つがスマートフォンを活用した新しいサービスであり、Mableであると解説した。 お金の管理に慣れていない人でも使えるアプリを目指しているMable ここからMableの開発を行った組織の話に移り、モバイル側の開発とバックエンドの開発が別のグループによって行われたことを説明した。 EUDとSYSDによる開発を説明 このスライドではモバイル側の開発がMUFGとそのパートナーである開発会社によって行われ、バックエンドがMUITによって行われたことを説明している。特に安定、安心を担う部分をMUITが担当し、顧客に接する部分をMUFGと開発会社が行うことで、素早い価値の提供と安心安定を両立させることをめざしているという。 Mableのアーキテクチャー。バックエンドはレッドハットのOpenShiftだ ここでMableを支えるバックエンドのアーキテクチャーを解説。ここではAWSで稼働するレッドハットのコンテナプラットフォームのOpenShiftが採用されている。右端のMUFGのデータセンターにバンキングシステムのコアの部分が存在し、そことOpenShiftのサーバーが通信することで全体の機能が実現していることがわかる。 灰色がエンドユーザー側による開発、ピンクがMUITによる開発 ここでスマートフォンアプリとそのフロントエンドはMUFGとパートナーによる開発、それ以外はMUITによる開発であることが解説された。MUFGのデータセンターに存在するコンテナレジストリもMUITによる開発のようだ。 ここで伝統的な銀行システムに求められる特性が、モダンなクラウドネイティブなシステムの特性と相容れないことを説明した。System of Record(SoR)の世界とSystem of Engagement(SoE)の世界について、SoEの良さを認識しながらも銀行システムとしての安定性、堅牢性は譲れない要件であったことを語った。 SoRとSoEの良さを両立させるためのポイントとは 次のスライドで千野氏は「コンテナ納品」と「フィードバックループ」を解説。このフローの前半の部分はSoE的なアプリケーションの領域であるとして、アジャイルなスクラム開発で素早くループを回す。検証が終わったコンテナについては納品場所と称されるリポジトリを介してMUIT側に引き渡され、ステージング環境を経て本番環境にデプロイされることを解説している。つまり開発から実装までを2つのステージに分けて、前半をアジャイル開発、後半をこれまでの銀行システムと同じように検証し運用に移すという発想だろう。成果物を納品するという発想はクラウドネイティブなシステムにおいてはあまりお目にかからない考え方だが、安定稼働を目的とするのであれば譲れないということだろう。 前半と後半で担当もやり方も異なる方法を選択 またコンテナは可搬性が高いため、開発を担当する開発会社にとっては環境設定などについても利点は多いと説明。複数の会社が開発を担当することになっても、コンテナベースで成果物を受け渡せば検証は容易になることを説明している。 2つの発想を組み合わせたシステム開発の効果を説明 この方法による効果について説明したスライドでは、リリース後、8か月でモバイルアプリの更新が10回、バックエンドについては15回のリリースを行ったことを紹介している。8か月で15回ということは1か月に2回弱のリリース、つまり2週間に1回ということになり、クラウドネイティブなシステムとしてみれば少ない頻度のように思える。しかしこれまでの銀行システムと比較すれば多いということだろう。これまで銀行の基幹システムのリリース頻度などと比較すれば、よりその効果が明らかになっただろう。
DIC、製造プロセスをデジタルツインで自動化、2024年に実用化し複数拠点に展開
化学メーカーのDICは2021年12月15日、製造プロセス全体を自動化するデジタルツイン技術を構築するため、日立製作所との協創を開始したと発表した。まずは、2022年中にプロトタイプによる検証とシステム化を実施する。その後、DICのプラントでの検証を経て、2024年に製造プロセス全体を自動化する技術を実用化し、国内外の複数拠点に展開する。 化学メーカーのDICは、日立製作所と協創し、製造プロセス全体を自動化するデジタルツイン技術を構築する(図1)。まずは、2022年中にプロトタイプによる検証とシステム化を実施。その後、DICのプラントでの検証を経て、2024年に製造プロセス全体を自動化する技術を実用化し、国内外の複数拠点に展開する。 図1:DICと日立製作所が実現を目指す、デジタルツインを活用した樹脂製造における次世代プラントのイメージ(出典:DIC、日立製作所)拡大画像表示 DICは従来、サンプリングした製品の状態や品質を監視しながら、熟練者がDCS(分散制御システム)の操作値補正や追加操作によって反応を制御していた。これに対し、今回開発する仕組みでは、サイバー空間に反応予測モデルを構築し、統計分析などを活用して最適な運転条件を導き出し、これをフィジカル空間(現場)にフィードバックする。このための仕組みを構築する。 デジタルツインによって、現場でのサンプリング確認を最小限に減らせる。品質の安定化、オペレーターの作業効率向上、新製品導入時の立ち上げ期間短縮なども図れる。生産性が高まることで、CO2排出量も削減できる。構築したモデルを他工場に展開することで、製造拠点ごとの品質誤差や生産品目の偏りを抑制できる。 協創の第1フェーズは、2021年3月から取り組んでいる(図2)。DICの国内3工場で製造する樹脂製品を対象に、「理論モデル×現場データ×AI解析」による反応シミュレーションを実現するための反応予測モデルの探索と精度検証を実施した。 図2:DICと日立製作所のこれまでの協創内容と成果(出典:DIC、日立製作所)拡大画像表示 従来、プラント内の反応や蒸留といった操作では、文献を基に各操作の理想状態をモデル化した理論モデル(文献値)を用いてシミュレーションを実施し、品質値(粘度など)の各種パラメータの挙動を推定していた。一方、製造現場では装置サイズや設備構成による影響からシミュレーション結果(理想状態)と現場データに乖離が発生し、熟練者が感覚的に調整することが一般的だった。また、少量多品種のバッチ生産はデータ数が少ないため、共通する特徴や普遍的なルールを導き出すアプローチには限界があった。 協創では、日立製作所がこれまで培った化学プロセスに関する知見を生かし、少数の現場の実運転データ(DCSデータ、原料データ、サンプリングの分析結果など)から文献上の反応理論式に用いる変数を作成し、この変数を用いた新理論モデルを構築することで乖離を抑えた。さらに、この新理論モデルと現場データを用いたAI解析により、品質値に影響を与える因子を分類し、高精度の反応予測モデルを構築した。 少量多品種のバッチ生産における高品質化・高効率化にも貢献できることを確認したとしている。協創で構築した反応予測モデルは新理論モデルを活用しているため、少数データから構築可能で、かつ反応機構が類似する品種への転用が容易だとしている。また、AI解析によって各品種のモデル構築に対応できる汎用的なデータセットを確立すれば、新規モデルの構築時に必要な因子をデータセットから網羅的に検索して抽出できるとしている。 Original Post>
信号の情報などと連携した自動運転移動サービスの実証実験–インフラ側からの走行支援は都内初
大成建設、ティアフォー、損害保険ジャパン、KDDI、アイサンテクノロジー、日本信号、大成ロテック、プライムアシスタンスの8社は12月15日、第5世代移動通信システム(5G)を活用した自動運転移動サービスの実証実験を実施すると発表した。2022年1月22日、西新宿エリアで開始する。 走行ルートイメージ 東京都では、「『未来の東京』戦略」で2025年の無人自動運転による移動サービスの実現を政策目標として掲げている。また、「スマート東京実施戦略」においても、自動運転の実用化を目指している。 特に、輸送ニーズが高く、「スマート東京先行実施エリア」として先行的に5Gを整備する西新宿エリアにおいては、無人自動運転による移動サービスの早期事業化を目指した新たな支援を先行的に実施。都内の他エリアへ横展開し、“スマートシティ東京”の実現を目指しているという。 今回開始する実証実験では、自動運転移動サービスの事業化に向けて課題を抽出し、採算性やニーズを分析。西新宿の移動環境の整備や地域の魅力創出に向け、5Gの利活用による実証を通じて自動運転移動サービスの可能性を探るという。また、西新宿や都内の他エリアへの早期実用化を促すことも目的になるとしている。 具体的には、5Gを活用し、車両を信号の灯色、現示切替りまでの残秒数といった信号情報と連携させ、交差点での安全な走行支援を実施する。 また、信号機や道路に設置したセンサーと連携させ、車両の死角となる範囲の対向直進車、歩行者などを検知。交差点の安全な走行や、駅前ロータリーからの発進などを支援する。そのほか、特殊な塗料を塗布したパネルをトンネル内に設置し、自車位置の推定も支援する。 都内初となるインフラ側からの走行支援技術を導入しつつ、5Gを活用して大容量の映像データを低遅延で伝送。複数台の車両を同時に遠隔で見守る実証実験になるとしている。 都内初となる自動運転技術の高度化実証内容のイメージ 実施期間は、2022年1月22日と23日と、土日を除いた1月26日〜2月4日の合計10日間。トヨタの「JPN TAXI」をベースに開発した自動運転対応車両を使用する。 なお、参加する8社のうち、KDDI、ティアフォー、損害保険ジャパン、アイサンテクノロジーの4社は、2020年度に車両に設置したセンサーと5Gを活用した実証実験を実施しており、交差点での右折走行や段差、落ち葉などへの過剰な制御機能に課題があることを認識しているという。 このことから、2021年度は大成建設、日本信号、大成ロテックなどが保有するインフラ側からの走行支援技術と、プライムアシスタンスの遠隔見守り技術を導入した。「自動運転技術の高度化」と「社会実装につながる事業面の工夫」をテーマとして、公道における自動運転移動サービスの実証実験を実施することになった。 なお今回の実験は、東京都が公募、日本工営が事業プロモーターとなっている「令和3年度西新宿エリアにおける自動運転移動サービス実現に向けた5Gを活用したサービスモデルの構築に関するプロジェクト」に採択されたことを受けて実施する。また、交通事業者の知見を生かし、小田急電鉄が実施パートナーとしてプロジェクトを支援するという。 事業者の名称と役割 8社は、同実験の成果を基に自動運転車の走りやすい環境の整備(まちづくり)や持続可能なサービスモデルの検討を進め、2023年度に西新宿エリアでの自動運転移動サービスの開始、事業化を目指す。 Original Post>
日本ゼオン、AIを活用した「技術動向予兆分析システム」を稼働、IBM Watsonで特許データを解析
日本ゼオン(本社:東京都千代田区)は2021年12月、「技術動向予兆分析システム」の稼働を開始した。10万件以上の特許データを網羅的に解析し、経営判断に活用する。仕組みとして、IBMの文章検索エンジン「IBM Watson Discovery」を採用している。同システムの利用により、移り変わる市場や需要、技術トレンドの予兆を的確・迅速に捉え、ものづくりにつながるアイデアの導出を目指す。 古河グループの化学メーカーである日本ゼオンは、エラストマー素材事業を収益の柱としつつ、新規事業(高機能材料事業)の継続的な創出に取り組んでいる。化学資源からの脱却や脱炭素戦略を盛り込んだ持続可能な社会に貢献するため、時流や目的にあった技術動向の予兆分析が喫緊の課題となっていた。こうした中、特許などの知的財産分析を企業の経営判断に生かす体制を推進してきた。 図1:日本ゼオンが稼働させた「技術動向予兆分析システム」の概要(出典:日本ゼオン、日本IBM)拡大画像表示 2021年12月には、技術動向予兆分析システムを稼働させた(図1)。10万件以上の特許データを網羅的に解析し、経営判断に活用するシステムである。仕組みとして、米IBMの文章検索エンジン「IBM Watson Discovery」を使っている。複合的にテキストを解析することによって、技術の動向を把握できるほか、自社技術との関連性といった新しい洞察を入手できる。 知財領域の専門かつ固有の表現や単語の分析には、日本ゼオンが持つ独自の辞書データを活用する。これにより、テーラーメードの分析ができる。今回、特に分析軸としてトレンド分析を利用し、技術や研究領域の動向や最新の研究結果を可視化する。これにより、新たな事業展開市場の割り出しや、日本ゼオンの技術と親和性の高い特許の発見が期待できる。 日本ゼオンは、本稼働前に3カ月間の実証期間を設けた。この期間中に、新たな事業展開に向けたアイディアを発見できたとしている。 Original Post>
Concurに経費申請のミス/不正を検知して差し戻す新機能、人力の承認作業を不要に
コンカーは2021年12月7日、出張・経費申請のミスや不正を機械的に検知して差し戻すSAP Concurの新機能の開発・提供において、日本IBMおよびデロイト トーマツ リスクサービスと協業したと発表した。両社がSAP Concurと連携した申請ミス/不正の検知機能をユーザーに販売する。価格は個別見積もりで、両社とも初期費用は「数100万円程度から」としている。 コンカーは、経費精算クラウド「Concur Expense」をはじめとする出張・経費管理クラウドサービス群「SAP Concur」を提供している。同社は経費申請の手間や負荷の軽減を目的に、法人クレジットカードや電子マネー決済と連携して申請データの手入力を廃する機能や、紙の領収書を電子化して申請を簡素化する機能を提供している。「経費精算はあらゆるビジネスパーソンによって最も付加価値のない仕事。社会的使命として、経費精算のない世界をつくる」(同社、図1、関連記事:経費精算クラウドのコンカーがPayPayと連携、経費計算のデータ入力を省力化)。 図1:経費申請の手間や負荷を軽減する機能に注力している(出典:コンカー)拡大画像表示 今回新たに、経費精算の人手作業を廃するのに未解決だった課題を解決すべく、日本IBMおよびデロイト トーマツ リスクサービスと協業した。両社は、SAP Concurの連携製品として、申請ミスや故意の不正申請を機械的に検知する機能を提供する(画面1)。 連携機能は、申請データの人手による承認作業をなくすことが狙いである。コンカーの標準機能でも入力データが正しいかどうかをある程度分析できるが、2社のサービスを活用することで、より高度な不正検出が行える。コンカーは、今後4年間でSAP Concur導入企業の半数以上への導入を目指す。 画面1:経費申請画面の例。領収書の画像データを登録して電車代を申請しようとしている(出典:コンカー)拡大画像表示 日本IBMは「経費精算不正検知ソリューション」の製品名で販売する(図2)。コンカーの申請ワークフロー内で申請ミスや不正申請を自動でチェックし、問題があった場合は差し戻せる。さらに、蓄積した申請データを後から分析する使い方もできる。AI-OCR(光学文字認識)による領収書の突合、領収書の使い回しチェック、入退館データなどを利用した出張確認などの機能を備える。 図2:日本IBMとデロイト トーマツ リスクサービスが提供する不正検知サービスの概要(出典:コンカー)拡大画像表示 例えば、領収書の画像から読み取った金額と、申請データの入力金額が異なることを検知する。また、すでに提出済みの領収書を再度提出しようとしていることを、画像とOCRデータから検知。入退館データや勤怠データなどに出張の痕跡が見られなかった場合は、出張費の根拠となる出張実績の証跡を出すように促す(画面2)。 画面2:ユーザーが経費を申請した際に出張・経費管理クラウドのバックエンドで「経費精算不正検知ソリューション」(日本IBM)が動作している様子(出典:コンカー)拡大画像表示 デロイト トーマツ リスクサービスは、「リスク
トレッタキャッツ「Toletta」とNEC「waneco talk」が連携、ねこの排泄状況をLINEで飼い主にメッセージ
トレッタキャッツは12月7日、ねこヘルスチェックサービス「Toletta」(トレッタ)と、NECの「waneco talk」(ワネコ トーク)を連携させ、ねこがTolettaで排泄するとそのデータをLINEで飼い主に送るサービスを発表した。2022年1月から提供開始する。 Tolettaは、ねこがスマートトイレ(Tolettaトイレ)に入ると、体重・尿量・尿回数・トイレ入室回数・滞在時間・経過時間の6つのデータが自動計測されるサービス。データは24時間スマートフォンで確認でき、体重や尿の量の変化もわかるため、ねこの体調変化に気づくきっかけとなる。AIねこ顔認証カメラが搭載されているので、多頭飼いをしてても、それぞれのねこが識別される。 waneco talkは、留守番をしている犬やねこの状況を、遠隔地からLINEのトーク形式で把握できるというサービス。ペット用IoT機器から取得したデータをNECの最先端AI技術群「NEC the WISE」で分析して、公式アカウントからペットが話しているようなLINEメッセージを飼い主に送付する。 [link ] この2つのサービスが連携することで、たとえばねこがTolettaで排泄をすると、飼い主に「トイレしたにゃ〜!」や「用を足したとこ……」といったメッセージと写真が届くようになる。「まるでねこちゃんと会話しているかのように、楽しく健康管理ができる」とのことだ。さらに、Tolettaから取得した排泄データをNECのAI技術により分析し、飼い主がねこの「いつもと違う変化」により早く気づけるような通知機能の追加も予定している。 waneco talkは12月19日まで、応援購入サイト「Makuake」で応援購入できる。応援購入を行うと、現在Tolettaを利用あるいは利用を検討している場合は、2022年1月から「waneco talk(Tolettaオプション)」が利用できるようになる。 また現在、Tolettaとwaneco talkの連携を記念して、ねこの排泄通知の大切さと楽しさを知ってもらうための「第2回 #ねこが入りました選手権」が開催されている。これは、Tolettaに入ったねこの写真コンテスト。Tolettaの「ねこ入室通知」画面の写真に「#ねこが入りました選手権」と「#wanecotalk」という2つのハッシュタグを添えてTwitterで応募する。募集期間は12月7日から12月19日。 Original Post>
ALBERT、データ分析自動化の「dotData」を活用した伴走型DX支援サービス
ALBERTは2021年12月9日、NECのデータ分析自動化ソフトウェア「dotData Enterprise」を活用した伴走型のDX支援サービスを開始すると発表した。まず、dotDataの導入によって労働集約的な分析プロセスを自動化し、人材やコスト面におけるボトルネックを軽減する。さらに、データサイエンティストが伴走してデータ活用や分析業務を支援することで、DXのサイクルを定着させる。 ALBERTは、データ分析をAIで自動化するソフトウェア「dotData Enterprise」を活用した伴走型のDX支援サービスを開始する。まず、dotDataの導入によって労働集約的な分析プロセスを自動化し、人材やコスト面におけるボトルネックを軽減する。さらに、データサイエンティストが伴走してデータ活用や分析業務を支援することで、DXのサイクルを定着させる(図1)。 図1:伴走型DX支援サービスの概要(出典:NEC、ALBERT)拡大画像表示 第1に、データ分析プロセスを整備する。システムを導入しただけでは分析結果を業務やビジネスにうまくつなげられないケースも多いことから、データドリブンDXに必要な分析リテラシ(データを分析し、ビジネス変革から価値創造を行う能力)向上のための仕組みを構築する。さらに、dotDataを活用し、経営目標に対してどのデータをどう活用するか、方針やプロセスの確立に向けたコンサルティングを実施する。 第2に、データ分析環境を整備する。データマートの構築、各種システムとの連携など、多様なデータをdotDataで活用するための環境を構築する。また、dotDataの導入後も環境変更の対応や問い合わせ対応、利用状況の連絡などdotDataの保守サポートを提供する。 第3に、データサイエンティストが伴走型で分析を支援する。伴走しながら、dotDataを軸に、クライアント企業のデータ活用、およびDX推進体制の構築を支援する。導入初期はdotDataの操作指導・操作代行、データ活用コンサルティング(分析テーマ選定・優先順位付け)を行う。習熟度に合わせて、クライアント自身のdotData操作・活用支援、データからの業務知見をもとにした施策の立案・分析などのスキルを習得する支援を実施する。 なお、dotDataは、データ分析をAIで自動化するソフトウェアである。データ分析の試行錯誤に費やす時間・労力を削減でき、ビジネス施策の検討に注力できるようになる。また、導き出す結果からは、人が思いもよらなかった洞察が得られる。特に「特徴量の自動設計」に強みがあり、従来であればスクラッチで3カ月程度かかっていた分析が数日程度に短縮できる。簡易なユーザーインタフェースで課題設定と分析のサイクルを現場で繰り返し実施できる。 dotDataを活用したユースケースの例を示している。 購入者予測(ターゲティング) 過去の購買データ等から、未来の購買の可能性が高い顧客を予測 機器故障予測(判別分析:数値ではないデータを予測する分析手法) センサーから取得した温度や振動データ等から、機器の故障を予測 シェアバイク利用予測(回帰分析:数値データを予測する分析手法) 過去のシェアバイク利用データや気象データ等から、未来のレンタル数を予測 NECは、2018年にdotDataの提供を開始し、経営や現場の課題解決に向けて、DX人材の育成とアジャイルでのデータ収集・分析、結果の可視化を定着させるデータドリブンDX事業に取り組んでいる。一方、ALBERTはデータサイエンス企業であり、ビッグデータ分析、AIアルゴリズム開発、AIシステム実装を通じたデータ・AIの活用支援やデータサイエンティスト育成支援などに取り組んでいる。ALBERTは今回、同社のデータ分析・AI活用ノウハウとdotDataを連携させ、データドリブンDXを加速させる支援サービスを開始する。 NECとALBERTは、サービス提供に至った、ユーザー側での課題を次のように説明している。「多くの企業で、データ分析から業務知見を抽出できず、分析結果をビジネスに繋げられない/利用できるデータやそれを活用する人材が限定的で会社全体にDXアクションが広がらない/DXを経営目標と位置付けたもののDX実現に向けた組織・環境づくりが自社だけでは困難といった課題を抱えている」。 Original Post>
“クラウドスマート”なHCIの狙いとは オンプレミスを再重視した三井化学の意図
3層に分かれることが普通だったサーバ、ストレージ、ネットワークを同じ筐体(きょうたい)に収めたのが「ハイパーコンバージドインフラ」(HCI)だ。HCIは基本的な仕組みとして、複数のサーバの内蔵ストレージを1つの共有ストレージにする技術を活用する。3層型インフラの運用管理の負担や、拡張のしにくさを解消するメリットが見込める。ただしこの基本だけでなく、HCIソフトウェアに組み込まれる追加機能や、ニーズの変化によってその役割は広がっている。 Nutanixの「AOS」(Acropolis OSとも)やVMwareの「vSAN」はHCIを実現する代表的な製品だ。TechTargetジャパンが読者向けに実施したアンケートでも「関心のあるHCI製品」として、この2製品が比較的多く選ばれる傾向にあった。昨今は、両製品とも「Amazon Web Service」(AWS)などのクラウドサービスのベアメタルサーバでHCIソフトウェアを動かす仕組みを提供するなど、活用範囲は単にオンプレミスのデータセンターに限られた話ではなくなっている。本稿はこのうちの1つである、NutanixのHCIがどのように使われているのかが理解できる事例を紹介する。 HCIの利用を考える上で注目すべき点は、クラウドサービスに関する企業のインフラ戦略に変化が見られることだ。Nutanixでアジア地域のCTO(最高技術責任者)を務めるジャスティン・ハースト氏は、アジア太平洋地域を対象にしたメディア向け説明会で「企業は『クラウドファースト』から『クラウドスマート戦略』に切り替え始めている」点を強調した。 国内企業も頻繁に使用するクラウドファーストという言葉は、可能な限りシステムやデータをクラウドサービスに置くことを意味している。対してクラウドスマート戦略は、クラウドサービスの重要性を前提にすることは同じであるものの、クラウドサービスを“最終的な目的地”にするのではなく“手段”として有効に活用することを意味するという。 この戦略転換が起きているのは海外だけではない。説明会でハースト氏は、クラウドファーストを採用してきた化学メーカーの三井化学が、次世代の生産体制を構築するためにオンプレミスのデータセンターや、工場などのエッジ拠点にHCIを配備した取り組みを一例として挙げた。 「事業の副産物であるデータを将来に生かすための取り組みだ」と、ハースト氏は三井化学の方針転換を説明する。三井化学は工場が生み出すデータの本格的な活用を視野に入れたときに、クラウドサービスだけではなくデータセンターやエッジ拠点の再整備が必要になった。そのインフラとして同社はNutanixのHCIを使用している。 Nutanixの年次イベント「.Next Conference Japan 2021」で、三井化学で業務システム分野を統括する黒田雅人氏が説明した内容を基に、もう少し具体的に見てみよう。同社は2015年にクラウドファーストの方針を採用し、ERP(統合業務)パッケージを含む大半のシステムをAWSに移行させた。「コスト抑制を重視して、各拠点にできるだけサーバを配置しない方針でインフラの集約を進めた」と黒田氏は説明する。このクラウドファーストの方針に変更を加えた理由の一つは、データ活用における問題が見えてきたからだ。 三井化学の工場はセンサーなどのIoT(モノのインターネット)機器がさまざまなデータを生み出しつつある。その全てのデータをクラウドサービスに転送するのではネットワークの負担が大きくなる上、遅延も無視できない。「リアルタイム通信を必要とする工場のデバイスが大量のデータを生み出すようになれば、クラウドサービスに転送する前に各拠点でデータの分析と保管をする前処理サーバは必須になる」と黒田氏は話す。 過去に工場が自然災害の被害を受けた経験を踏まえて、BCP(事業継続計画)の強化を図ることも三井化学の課題だった。大規模な災害発生時は、公共のネットワークや拠点間ネットワークが寸断する事態も考えられる。そうした場合でも業務に必要なファイルへのアクセスが各拠点で完結するように、工場を含む各拠点にファイルサーバを配置する方針を同社は採用した。 これらの点をまとめると、三井化学はクラウドサービスの利用は従来通り継続しつつも、データ活用のためのエッジコンピューティング(エッジ拠点におけるデータ処理)を導入し、さらには災害対策が必要になったために、オンプレミスのインフラを再び配備するという判断をしている。これを具現化するために、同社はHCIを中心としたNutanixのソフトウェア群「Nutanix Cloud Platform」を採用し、2021年9月に稼働させた。データの前処理サーバと、ファイルストレージ機能「Nutanix Files」によるファイルサーバを6カ所の工場に配置し、AOSのレプリケーション機能によって各拠点のデータを本社のHCIに複製してデータの冗長化を図る構成となっている。 稼働時点では本社のHCIとAWSが接続する形だが、今後計画しているWAN構成の見直しの際は、工場などの各拠点とAWSを直接接続させたデータ処理の仕組みも三井化学は視野に入れている。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大によって出社制限が各国で発生したことで、ハードウェアの運用や保守をベンダーに任せることができるクラウドサービスの利用は加速した。ただしデータ保護やネットワーク遅延などの要件からクラウドサービスに移せないものがあれば、システムはオンプレミスのインフラとクラウドサービスにまたがる。三井化学のように工場や小規模拠点でデータ分析基盤を取り入れればシステムはさらにエッジ拠点へと広がる。こうした動きの中で「システムに統一性を持たせ、事業に俊敏性(アジリティ)を与える役割としてHCIの有用性が高まっている」とハースト氏は話す。 Original Post>
NTTドコモが「BigQuery」を導入した訳と、その後も「Redshift」を使い続ける訳
NTTドコモはビッグデータ分析システム「IDAP」(Integrated Data Analytics Platform)を2014年から運用している。IDAPで扱うのは、同社が通信事業で収集した通信エラーログや通信速度などのネットワークデータと、スマートライフ事業の「dポイントクラブ」「dTV」といった各種サービスから収集した会員情報や決済履歴などのデータだ。運用開始から2021年現在までの累計で約2500人の従業員が利用し、1日当たり50TBのデータを処理する。保有データは年々増加しており、2021年時点でデータの保有量は5PBに達した。IDAPの稼働開始当初はオンプレミスインフラとAmazon Web Services(AWS)のクラウドサービス群を組み合わせて運用していたが、2020年10月からGoogleのクラウドデータウェアハウス(DWH)「BigQuery」を導入し、2021年7月に実運用を開始した。 NTTドコモはIDAPの稼働開始当初から現在も、AWSのクラウドDWH「Amazon Redshift」を利用している。NTTドコモでIDAPの開発と運用を担当する林 知範(とものり)氏によると、同社は2017年にIDAPのインフラを拡張した際に、BigQueryをはじめとするGoogleのクラウドサービス群「Google Cloud Platform」(GCP)の利用を検討した。だが「当時は性能やセキュリティ機能の要件を満たしていなかったことから採用には至りませんでした」と林氏は明かす。 従来のIDAPにおいて課題となっていたのが、同システムで扱うデータ量の急激な増加だ。NTTドコモはIDAPを大量のデータ分析に適したシステムに拡張するために、クラウドDWHの再検討を開始した。BigQuery導入の再検討に当たっては、クエリの並列処理機能で高速なデータ処理を実現できる点を評価した。IDAPにはデータ加工からロードまでのETL(抽出、返還、読み込み)処理といった運用面のワークロード(アプリケーション)と、IDAPユーザーの定期的または一時的なデータ分析ワークロードが存在する。「常時複数の処理プロセスが動いていることから、これらを同時に処理する能力が求められます」と林氏は説明する。地理空間分析機能「BigQuery GIS」、機械学習の実行機能「BigQuery ML」などの機能を備えている点も選定を後押しした。 膨大なデータを扱うIDAPの中には、社外に公開できない重要なデータが含まれている場合がある。そのためNTTドコモは、IDAPを構成する製品/サービスに厳格なセキュリティ要件を課している。BigQueryの場合、セキュリティ要件はネットワーク分離サービスの「VPC Service Controls」やアクセス制御サービスの「Identity and Access Management」(IAM)など、再検討時点で利用可能だったGCPのサービスで満たせたため、これらと併せてBigQueryの採用に至った。 「Google Cloud Platform」と「AWS」を両方使う理由 IDAPで扱うデータは閉域網で送受信されている。NTTドコモはVPC Service
三菱重工がGoogle「Vertex AI」を選んだ理由 航空機製造でどう使っているのか
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スシロー、店舗データ分析基盤をSnowflakeに刷新、寿司皿データの処理時間を85%以上削減
回転すしチェーン「スシロー」を運営しているFOOD & LIFE COMPANIES(大阪府吹田市)は、スシローの店舗データを分析するシステム基盤を刷新した。2021年10月に米SnowflakeのDWH(データウェアハウス)である「Snowflake」を稼働させた。導入効果として、食材データの処理時間を最大で70%以上、寿司皿データの処理時間を85%以上削減できた。スノーフレイクが2021年12月3日に発表した。 回転すしチェーン「スシロー」は、店舗データの分析基盤を刷新し、DWHのSnowflakeを導入した。Snowflakeの導入効果についてFOOD & LIFE COMPANIESの情報システム部は、「食材データの処理時間を最大で従来の70%以上、寿司皿データの処理時間を85%以上削減できた。今後は、Snowflakeデータマーケットプレイス上にあるウェザーニューズの気象データと連携して販促や仕入れなどに活用していきたい」としている。 スシローでは、すし皿にICチップを取り付けて商品を単品管理するITシステム「回転すし総合管理システム」を運用している。レーンを一定距離流れた皿を自動で排除したり、売れた商品をリアルタイムで把握したりできる。回転すし総合管理システムでは日次レポートも作成しており、前日の販売情報(どのメニューがいつどれくらい売れたか)を翌朝に経営層に報告している。 しかし、昨今では、国内外で新店舗を増やしている関係で処理すべきデータ量が増えており、日次のデータ更新処理に時間がかかっていた。また、店舗のBI(ビジネスインテリジェンス)ツールからのアクセスが増えていることで、レスポンスの劣化も課題になっていた。こうした状況を改善するためにSnowflakeを導入した。
Cloud Operator Days Tokyo 2021からNTT東日本とKDDIのインフラ監視に関するセッションを紹介
Cloud Operator Days Tokyo 2021から、NTT東日本とKDDIがそれぞれインフラストラクチャー運用の自動化について解説したセッションを紹介する。タイトルはそれぞれ「新入社員が9ヶ月でクラウド運用の自動化システムを作ってみた」「KCPSの運用で直面した仮想化基盤拡大に伴う課題とその対策」で、脱力系とまじめ系という対極のセッションのように思えるが、実際にはどちらのセッションも管理しているインフラストラクチャーから上がってくるアラートやエラーメッセージをどうやって処理するのか? に焦点を定めた内容となっている。 NTT東日本のセッション:新入社員が9ヶ月でクラウド運用の自動化システムを作ってみた KDDIのセッション:KCPSの運用で直面した仮想化基盤拡大に伴う課題とその対策 新入社員が9ヶ月でクラウド運用の自動化システムを作ってみた 最初に紹介するのはNTT東日本のエンジニア、坂齊史奈子氏のセッションだ。坂齊氏は2020年度の新卒入社で大学では機械工学を専攻しており、入社までプログラミングもクラウドも触ったことがなかったという経歴を持つ。タイトル通りに「新入社員がAWSを9ヶ月触った経験しかない」のに自動化システムを作ったという内容だ。AWSを使い始めたのが2020年6月で、今回の実装のインフラとなるAWSのサーバーレスサービスLambdaを触り始めたのが2020年7月という経験の少なさに驚くかもしれない。 坂齊氏のプロフィール 坂齊氏のプロフィールからわかることは、プログラミングやクラウドの知識も経験もなかった新入社員が、この1年間にAWSに関する4つの認定試験をクリアし、社内教育の講師役を担当しているということで、今回のシステムもすべてAWSに特化した内容となっている。 AWS上のシステムから発生するアラート対応を効率化するのが目的 このスライドでは、NTT東日本でAWS上のシステムを運用している際にアラートが頻繁に上がってくることで業務効率が落ちてしまっているという課題を解決するために、人手による処理を自動化することが解説された。 AWSのサーバーレス、Lambdaを選択 そのためにAWSのサーバーレスプラットフォームであるLambdaが選択されたわけだが、その理由として「サーバーのプロビジョニングや管理が不要であること」と「コードの複雑化を避けたかったこと」を挙げた。 Lambdaの中の処理方法を検討し、Step Functionsを選択 ここではアラートの処理のために複数のLambdaファンクションが必要となるが、その実行制御をどのように実装するのかという点について、SQSやEventBridge、Step Functionsを評価した結果、Step Functionsを選択したことが解説された。 Step Functionsのインターフェースを紹介 Lambdaで構築されたアラート処理システムのフロー この構成図では坂齊氏が開発したアラート処理の概要が解説されているが、アラートについて通知が必要かどうかを振り分けた後、誰にどのような文面でメールを送信するのかを処理するという中身が明らかになっている。
iPhoneの「App Clip」から空港ラウンジのシャワールーム予約─JALがiOSの簡易アプリ機能をテスト
日本航空(JAL)は2021年11月24日、インストール不要のミニアプリ「App Clip」を空港ラウンジのシャワー予約/通知に活用する実証実験を開始したと発表した。アプリのインストールやメールアドレスの登録といった手順を踏むことなく、シャワーを予約し、通知を受けることができる。実証実験は、同年11月1日から12月31日にかけて、羽田・成田空港国際線JALファーストクラスラウンジで実施している。
