日立製作所は2022年1月24日、システム運用管理ソフトウェア「JP1」および「JP1 Cloud Service」を強化したと発表した。JP1においては、ジョブ管理機能のAzure連携などを強化した新版「V12.6」を同年1月31日から提供する。JP1 Cloud Serviceにおいては、運用作業をコード化する新サービス「JP1 Cloud Service/Operations Integration」(Ops I)を同年3月31日から販売する。 JP1とJP1 Cloud Serviceは、システム運用管理ソフトウェア製品群である(関連記事:日立、システム運用管理の新版「JP1 V12.5」、障害対応時の対処案を提示して属人性を排除)。JP1ブランドの下、用途に応じて多数の運用管理ソフトウェアを用意している。クラウド版のJP1 Cloud Serviceでは、JP1を構成するソフトウェア製品のうち、システム監視(JP1/IM2)とジョブスケジューラ(JP1/AJS3)という2つの中核製品をSaaS型で提供している。 今回、JP1を新版「V12.6」とした。ジョブスケジューラ機能(JP1/AJS3)において、AWS上のサービスに加えて新たにAzure上のサービスとの連携機能を追加した。これにより、マルチクラウド/ハイブリッドクラウド環境をまたがった一連のジョブを自動で実行しやすくなった。価格(税別、以下同)は、JP1/AJS3のマネージャ機能が27万円から、エージェントは5万円から。 今回、クラウド版のJP1 Cloud Serviceも強化し、運用作業をコード化して実行・管理・再利用する新サービス「JP1 Cloud Service/Operations Integration」(Ops I)を追加した(図1)。これまでシステムごとの運用計画書や手順書などをもとに人手に依存して行ってきた運用作業を、各システムで再利用可能な形で標準化する。 図1:運用作業をコード化する新サービス「JP1 Cloud
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SCSK、SASE「Catoクラウド」の運用サービスを強化、CSIRT支援やSOCサービスを提供
SCSKは2022年1月28日、Catoクラウドの運用サービスを強化。初期導入サービスと運用/保守に加え、SOCサービスとCSIRT支援サービスを開始。CatoクラウドはSASEサービスで、セキュリティ機能やWAN機能を提供。SCSKは24/7監視・分析、通知、報告を日本語で提供。また、セキュリティアドバイザリサービスや常駐型セキュリティマネジメントサービスも提供。
“脱クラウド”するしかない5つの納得の理由
Forrester Researchは、パブリッククラウド市場は2021年中に35%成長して1200億ドル(約13兆6300億円)に達すると予想している。この成長を促すのがコロナ禍であり、特にクラウドベースのバックアップ&リカバリーへの移行だという。 だが、クラウドが全てに応えてくれるわけではない。場合によってはワークロードやデータをクラウドからオンプレミスに戻す必要があると考える企業もある。つまり脱クラウドだ。 クラウドがオンプレミスよりも安価になるとは限らない。また、価格は変化する。プロバイダーが値上げすることもあれば、要件が変わることもある。クラウドコストを過小評価していることも多い。 ストレージリソースやコンピューティングリソースをオンデマンドまたは従量制課金で利用している比率が高いと、請求額は大きくなる。想定するストレージ要件では瞬く間に予算を超過することに気付くことは多い。オンプレミスなら、使用率によってコストが変わることはほとんどない。 クラウドは、利用するサービスが増えるほどコストも高くなる。データのエグレス、セキュリティツールや管理ツールなどの関連リソースのコスト、データベースの書き込み回数などにも当てはまる。 クラウドプロバイダーが料金を引き上げる場合、契約によっては急激なコスト増に直面する恐れがある。オンプレミスの方が経済的な可能性もある。 2.セキュリティと規制 クラウド移行を適切に計画していれば、規制要件がクラウドからデータを戻す理由になることはない。適切なセキュリティポリシーに従ってシステムを正しく設定していれば、パブリッククラウドがオンプレミスよりも危険だという理由はない。 残念だが、それがいつも当てはまるとは限らない。パブリッククラウドプロバイダーがセキュリティ障害を引き起こすことはめったにない。だが顧客が構成を誤ることも珍しくはない。 パブリッククラウドプロバイダーは政府や業界の規制に対応している。ほんの数例だが、HIPAA準拠データやPCI DSSのデータを分類できるクラウドサービスもある。 だが多くの場合、最大の懸念はデータの場所だ。大手クラウドプロバイダーはストレージに特定の地理的ゾーンを用意するようになった。それでもオンプレミスやローカルデータセンターにデータを配置する方が適切だと判断したり、再配置を余儀なくされたりすることがある。 PA Consultingのアダム・ストリンガー氏(ビジネスレジリエンス専門家)は言う。「ワークロードをクラウドに移す際、規制が大きな障壁になるというのは誤解だ。規制当局は他の外部委託契約と同様の厳格さを求める。だが規制が厳しい業界の企業がクラウドに移行して成功している例は多い」。重要なのは慎重な計画だと同氏は話す。 規制に関連するさらなる課題は捜査に由来する。規制当局、法執行機関、裁判所が広範なデータフォレンジックを要求する場合、クラウドではそれが不可能または非常に高額になる可能性がある。これへの対策はデータを社内に戻すことだ。 3.遅延とデータ重力 クラウドが提供するストレージ容量はほぼ無制限だ。だがインターネット接続に左右されるので遅延が生じる。 バックアップ&リカバリー、メール、オフィス生産性ツールなど、遅延がそれほど気にならないアプリケーションもある。だがリアルタイム分析、データベース、セキュリティアプリケーション、センサーやIoT(モノのインターネット)に接続されるアプリケーションなど、遅延が問題になるワークロードもある。データソース、ストレージ、コンピューティングリソースとエンドユーザー間の遅延やクラウド内のサービス間の遅延(クラウド内部の遅延)を考慮する必要がある。 遅延を低減する技術(エッジコンピューティング、キャッシュ、ネットワーク最適化など)もある。だがもっと簡単な解決策は、データを社内に戻して通信経路を短くし、アプリケーションやワークロードに合わせてストレージ、コンピューティング、ネットワークを微調整することだ。 遅延の問題を回避するということは、データの重力の問題だ。大半のデータがクラウドに存在し、クラウド内で処理されるのであればデータの重力は問題にならない。データがクラウドとオンプレミスのストレージリソースやコンピューティングリソースの間で絶えず交換されているのであれば、何か問題がある。 4.計画が不十分なクラウド移行 クラウドは期待通りではなかったという理由で脱クラウドに向かう企業もある。Forresterのナビーン・チャブラ氏によると、それは「面目を保とう」としているだけかもしれない。「その場合、アーキテクチャ上すべきではないのにアプリケーションを変えようとしている」 ワークロードがクラウドに適していないか、クラウドへの移行が正しく計画されていないか、クラウドへの移行が適切に実行されていない可能性がある。PA Consultingのストリンガー氏は、「データアーキテクチャが混乱しているのにそれをクラウドに持ち込めば、クラウドが混乱するだけだ」と言う。クラウドに移行するだけで設計上の問題が解決するわけではないと同氏は補足する。
お部屋探しプラットフォーム「カナリー」が不動産業者間流通サイト「リアプロ」と連携、タイムリーな空室情報提供を実現
不動産仲介業者の業務をデジタル化する業務効率化ソリューションと、お部屋探しプラットフォーム「カナリー」(CANARY。Android版・iOS版)を開発・運営するBluAgeは1月24日、リアルネットプロが運営する不動産業者間流通サイト「リアプロ」と2021年11月から連携を開始したと発表した。 今回発表された連携後は、リアプロ管理の会員不動産管理会社は物件の空室情報を直接カナリーへ掲載することが可能になる。これにより仲介会社による入稿プロセスが省かれ、エンドユーザーに最新の空室情報をタイムリーで発信できるようになるという。カナリーにとっては、アプリ上の物件情報の鮮度と正確性を高めることで、ユーザー体験のさらなる向上、アプリダウンロード数の増加とそれに伴う反響数・成約数の上昇が期待できるとしている。 カナリーは、賃貸・売買物件を探すお部屋探しプラットフォーム。全国の賃貸マンション・アパート、新築・中古マンション・アパートの売買両方に対応している賃貸物件検索アプリとして提供しており、新規ダウンロード数は月10万件、累計ダウンロード数は100万件を達成しているという(2021年10月時点)。 また、募集終了物件や重複した情報を大きく削減した透明性と利便性の高さを特徴としており、ユーザーは最新情報を元に部屋探しが行える。不動産仲介・管理業務から部屋探し体験に至るまで、不動産業界における一気通貫したDXを推進し、「デジタルなインフラとして産業の発展に貢献する」というミッションの実現を目指している。 リアプロは、元付け情報のみを取り扱う賃貸物件情報データベースを活用し、管理会社や仲介会社の業務軽減・情報把握を可能にするシステム。賃貸管理業務用サービス「リアプロ管理」と賃貸仲介会社向けの業務用サービス「リアプロ仲介」からなる。リアプロ管理は2613店舗、リアプロ仲介は3万1766店舗(2021年10月現在)の利用があり、登録物件数は約620万戸に上るという。 リアプロ管理は、管理物件をデータベース化し、管理会社やオーナーの日常業務を効率化するというもの。「紙による入退去履歴の管理」「仲介会社との電話・FAX のやり取り」などの業務負担を削減できるほか、社内での共有、全戸登録での各種統計データ(物件情報登録はリアルネットプロが代行)、入居者管理にも利用できる。 またリアプロ仲介では、複数の管理会社やオーナーが持っている物件の空室情報をリアルタイムに把握でき、諸条件の画面上での確認により管理会社への電話・FAXによる問い合わせの手間を激減可能という。 Original Post>
日本ユニシス、アプリケーション内製化支援サービスを開始、Microsoft Power Platformを活用
日本ユニシスは2022年1月25日、アプリケーション内製化支援サービス「業務デジタル化支援サービス for Microsoft Power Platform」を提供開始した。プログラミング技術がない業務部門でも「Microsoft Power Platform」を使ってアプリケーションを内製開発できるように支援する。価格は、PoC環境構築は90万円から、本番アプリケーションの作成支援は個別見積もり。 業務デジタル化支援サービス for Microsoft Power Platformは、業務アプリケーションをローコード/ノーコード開発ツールのMicrosoft Power Platformを用いて内製開発できるように支援するサービスである(画面1)。 画面1:サンプルアプリケーションの例(残業申請)(出典:日本ユニシス)拡大画像表示 背景には、業務を理解している業務部門自身によるアプリケーションの内製化が有効である一方で、内製化のハードルが高いという状況がある。組織・業務・開発環境や開発の進め方などを考慮する必要があり、業務部門が持っていない新たな知見・知識が必要になる。 内製化支援サービスでは、業務改善に活用可能なサンプルアプリケーション(勤怠報告、休暇申請など)を提供する。これを利用することにより、短期間で、開発方法の習得や、実現可能な範囲を理解できるようになる。 サービスメニューは2つ。(1)アプリケーション作成のPoC(概念検証)環境を構築する「PoC 環境構築支援サービス」と、(2)本番環境向けのアプリケーション作成を要件定義から支援する「業務アプリケーション作成支援サービス」、の2つのサービスで構成する。 (1)のPoC 環境構築支援サービスでは、PoC環境を構築し、サンプルアプリケーションを導入し、動作確認を実施する。操作のレクチャーも行う。期間は1カ月から。納品物として、作業報告書、簡易設計書、簡易操作マニュアルを提供する。 (2)の業務アプリケーション作成支援サービスでは、本番利用を想定して業務の要件定義を行い、実務適用を目的とした業務アプリケーションの作成を支援する。 Original Post>
いまさら聞けない、テレワーク用デバイスに「最低限やるべき」5つのセキュリティ対策
ゼロトラストセキュリティが必要な理由 1.マルウェア対策 マルウェア対策製品を導入するだけでなく、「エンドユーザーがマルウェア対策製品をアンインストールしてしまった」という万が一の事態を想定する必要がある。その備えとして、マルウェア対策製品がインストールされていないデバイスを検知し、管理者に通知する仕組みを用意するのが望ましい。 2.遠隔データ消去、遠隔ロック デバイスが第三者の手に渡った場合を想定して、まずやるべきことは情報漏えい対策だ。この場合は遠隔地からデータを削除したり、デバイスをロックして使えなくしたりする仕組みが有効な対策になる。 盗難か、紛失かが分からない時点でデータを消去してしまうと、結果的にデバイスが見つかった後で業務に大きな支障が生じる可能性がある。状況が分からない場合は、まずロックをかけてしばらく様子を見ておき、デバイスが手元に戻ってこないという確証を得てからデータ消去を考えることをお勧めする。 情報漏えい対策が最優先ではあるものの、できればデバイスを取り戻す手段も考えた方がよい。デバイス管理製品の中には、デバイスの位置情報を管理して現在地を探し、回収を支援するサービスもある。 3.ストレージの暗号化 デバイスへの不正アクセスを狙う第三者が、簡単にデータにアクセスできないようにする仕組みとしては、まずストレージの暗号化を検討すべきだ。この技術は広く普及しており、さまざまな企業で利用実績がある。 ただし「HDD暗号化」などの「フルディスク暗号化」は次の点に注意を払う必要がある。フルディスク暗号化はOSを含めてストレージ内のデータを暗号化するので、電源を落とした状態からデバイスを立ち上げる際に認証を求める。つまりOSが起動した状態(スリープモードも含む)でデバイスが第三者の手に渡ってしまうと意味がない。たとえIT部門が「デバイスを持ち歩く際には、必ずシャットダウンをするように」と注意喚起をしたとしても、現実にはその手間を嫌ってスリープモードで持ち歩くエンドユーザーはいる。ストレージ暗号化製品は、遠隔データ消去やロックの仕組みと併用することをお勧めする。 遠隔データ消去やロックの仕組みだけでは不十分だ。悪意ある第三者が、紛失デバイスからストレージを抜き出して別のデバイスで操作する場合を想定すると、ストレージ暗号化製品を併用した方がよい。 4.BIOSパスワード、OSパスワード デバイスへのアクセスに制限をかける基本的な方法には、BIOSパスワードやOSパスワードの設定がある。ただしBIOSパスワードもフルディスク暗号化と同様に、OSのスリープモードで第三者の手に渡った場合は意味がなくなるので、設定したからといって安心はできない。 ユーザビリティの問題も考慮が必要だ。BIOSパスワードを設定し、ストレージ暗号化まで施したデバイスは、デバイスの電源を入れてOSを立ち上げるまでに「BIOSパスワード」「暗号化パスワード」「OSパスワード」の最大3つを入力する必要が生じる。これはエンドユーザーにとっては煩わしい運用になる。一般的にセキュリティと利用者の利便性は相反するため、導入時はバランスを見極める必要がある。BIOSパスワードを設定するならば、保護すべき情報の重要性やエンドユーザーの利便性、前述した注意点を考慮して検討するのが望ましい。 IT管理者はセキュリティを強固にしたいがために、暗号化やパスワードのルールを複雑に設定する場合がある。エンドユーザーにとっては、ルールが複雑であればあるほど覚えにくく、不便になる。その結果、ルールやパスワードを手帳に記入してデバイスと一緒に持ち歩いたり、パスワードを付せんに記入してデバイスに貼ったりするケースが発生する恐れがある。こうした不適切な運用を完全に防ぐことはできない。暗号化を含むパスワード設定をしたとしても、それだけで十分だとは考えない方がよい。 5.外部記憶媒体の利用制限 「メールの添付ファイルを開いた」「不適切なWebサイトを閲覧した」に次ぐ、代表的なマルウェア侵入のきっかけは「外部記憶媒体の利用」だ。USBポートのロックやSDメモリーカードの制御などを実施し、外部記憶媒体からのマルウェア感染に対策する。デバイス管理製品の中には、USBポートやSDメモリーカードのポートを利用不可にする機能を持つものがある。 利用デバイスやOSの種類を網羅する製品の組み合わせが鍵 企業で利用するデバイスのOSは、「Windows」「macOS」「iOS」「Android」「Chrome OS」などさまざまなものが混在している。デバイス管理製品を導入する場合は、前述のセキュリティ要件に加えて、対応OSも考えなければならない。この記事で触れた1〜5の機能を全てのOSで利用できる製品は、今のところ存在しない。自社が使用するデバイスの運用形態(どのデバイスをテレワークで利用するか、など)を考慮して、理想に近い製品を選択する必要がある。 複数の製品を組み合わせて、最も強固だと考えられる対策を施したとしても、人間が利用する限り「100%安全な仕組み」は構築できない。セキュリティ製品だけでなく、従業員のモラル維持と向上のための対策も併せて考えることが必要だ。 この連載について 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対策としてテレワーク体制に移行することになったものの、VPN(仮想プライベートネットワーク)やVDI(仮想デスクトップインフラ)のリソースを十分に用意できなかったために「通信がつながりにくい」「動作が重い」などの不満に直面した企業は少なくない。本シリーズは「テレワーク(特に在宅勤務)を前提にしたデバイス管理のベストプラクティス」をテーマに、テレワークを長期的に継続する上での技術的課題や不満の解消に役立つ情報を紹介。現状の課題整理、課題の解決と必要なシステム、支援ツールの情報などを整理する。 田北幸治(たきた・こうじ) 大学院修了後、外資系コンピュータベンダーで金融機関向けシステムエンジニア(SE)、営業を経験。その後IT企業を立ち上げ、ソフトウェア事業を展開。外資系ソフトウェア企業の日本代表を経て、2015年にエンドポイントセキュリティやエンタープライズモビリティー管理(EMM)に特化した製品を扱うアイ・ビー・シーを立ち上げる。
MetaのWorkplaceがWhatsAppを統合、コミュニケーション機能拡充へ
もともと企業の従業員がコミュニケーションをとるためのソーシャルネットワークとして構築された、Facebook(現Meta)のアプリWorkplace(ワークプレイス)には700万人以上のユーザーがいる。特にフロントライン、デスクレス、デスクベースの従業員が混在する多国籍組織で、経営陣が従業員全員とつながりを保ち、従業員が互いに仕事についてチャットできる手段として支持されている。そして今、その利便性をさらに高めるためにさらなる機能を追加する。Workplaceは、Metaが所有する数十億人のユーザーを抱える人気のメッセージングアプリWhatsApp(ワッツアップ)との統合を間もなく追加し、Workplaceの顧客がメッセージングアプリを使ってお知らせをクロスポストしたり、その他のデータを従業員と共有したりできるようにする予定だ。 WhatsAppの機能は、2022年後半に稼働する見込みだ。メッセージング・コミュニケーションが最初の立ち上げの一部のようだが、同社は他の種類のWorkplaceや生産性機能をWhatsAppに統合する方法にも取り組んでいて、例えば、2020年11月にWorkplaceで最初にローンチされた、シフトワーカー同士がシフトを交換し、マネージャーとその計画システムをループ内に保つ方法であるShift Coverを統合することも検討している。 Workplaceの責任者Ujjwal Singh(ウッジワル・シン)氏は、正確な時期について具体的には述べなかった。どのように機能するかについて「詳細を詰めている」ところであり、いくつかの決定はまだなされておらず、焦点はその消費者向けアプリのDNAにあるものを法人向けサービスとしていかに活用するかだと説明している。 「これはしばらく前から取り組んでいたことです」とシン氏はインタビューで語り、この2社はFacebook傘下の同じ安定した会社だが、例えば2021年のWhatsApp API拡張など、WhatsAppが行ってきた異なるビジネスの発表の内容が最初に整う必要があったことを指摘した。また、顧客と一緒になって機能を構築してきた。「消費者向けアプリに出るものには気をつけたいのです。企業が安全に使える方法でやりたかったのです」。 WhatsAppにビジネス用途を、Workplaceに機能性を持たせるという動きは、どちらも久々の試みだが、両製品の幅広い戦略、そしてMetaの戦略全体と合致している。 Metaでは、顧客向けサービスとバックエンドの両方で、さまざまなアプリをより密接に連携させるというミッションを何年も前から掲げている。その戦略には、MessengerとInstagramのメッセージ機能を統合し、消費者がアプリを横断してコミュニケーションできるようにしたことも含まれている。また、WhatsApp for Businessを利用している企業は、例えばFacebookでコンタクトを開始し、WhatsApp上で直接会話を続けることができるようにするなど、ビジネス / 商業的な側面にも重点を置いている。このような取り組みは議論の余地がないわけではないが、それでも徐々に展開されてきた。 これにより、各プラットフォームの利用が増えるだけでなく、広告を出したり、WhatsApp for Businessのようなプレミアム製品を利用したりと、一般的にMetaでより多くの商業活動を行おうと企業に思わせる。また、Metaを単なるアプリ間の広告をベースとするコンシューマー向け製品とするだけではなく、Metaのためにより大きなユースケースを構築する可能性もある。 Workplace は当初、Slack(スラック)の台頭に対するFacebooの対抗策として始まった。多くの人がすでに仕事以外のやり取りに(そして仕事でも)Facebook を使っていて、社員も仕事の雑談や計画にFacebookが使えることを証明しているのに、なぜ新興企業に美味しいとこ取りをさせるのか、と考えた。 長期的に見ると、この最初の理論はFacebookの思惑どおりにはいかなかったようだ。当初、Workplaceを生産性向上のハブとして位置づけるために、Slackに見られるような多くの統合を導入し、ナレッジワーカー向けのコラボレーションやコミュニケーションに関する多くのネイティブ機能を追加した。しかし、最近では、やや焦点が変わってきているようだ。 まず、SlackやMicrosoft(マイクロソフト)のTeamsといった製品が引き続き存在し、評判を高めている。この変化に追随するように、Workplaceはこれらのプラットフォームとより密接に連携するようになった(直近では、動画機能などでTeamsを統合した)。第二に、Workplaceは「デスクレス」と呼ばれる、1日中コンピュータの前に座っているのではなく、携帯電話を主な手段として上司や同僚、組織全体とやり取りをするフロントラインワーカーや接客ワーカーに、新たなユーザーを見出した。 「米国外の多くのフロントラインワーカーは、仕事をこなすのにWhatsAppのような消費者向けツールを使っています」とシン氏は話す。「シフト管理にWhatsAppを使うのはその一部に過ぎない、というデータも持っています。データによると、フロントラインワーカーは意思決定をする経営陣から切り離されていると感じているようです。それがこの統合の重要なポイントです」。ここで同氏が言っているのは、同社が米国時間1月20日に発表した、Workplaceがどのように発展しているかを裏づける新しい調査についてだ。半数強(54%)のフロントラインワーカーが、組織の本部とつながっていると感じていると回答していることがわかった。これは、そのギャップを埋める方法としてWorkplaceやWhatsAppを構築することにチャンスを見出した理由の1つだ。 長期的には、このWhatsAppの統合と、同社がデスクレスワーカーにサービスを提供するために行っている幅広い動きは、BlinkやYoobicのようにフロントラインの従業員と彼らの職場における特定の要件や機能をターゲットとした新しいアプリの波の中にWorkplaceを位置づけるものだ。Facebookがこのままシンプルなメッセージングコミュニケーションツールにとどまるのか、それともそうしたユーザーに特化した機能を構築し始めるのか、注目されるところだ。この分野は競争が激しい。2021年に2億ドル(約228億円)を調達したWhen I Work、7100万ドル(約81億円)を調達したHomebase、ホームサービスのプロに焦点を当てたWorkiz、WorkWhile、(2021年にSquareが買収した)Crew、(2021年9月に上場申請した)Justworksなどが顧客争奪戦を繰り広げている。
サイバネットシステム、ビッグデータを簡単な操作で可視化するツール「BIGDAT@Analysis」
サイバネットシステムは2022年1月19日、ビッグデータ可視化ツール「BIGDAT@Analysis」を発表した。実験データや工場の機器ログなどが出力する各種のビッグデータを、高度な専門知識がないユーザーでも、簡単な操作で可視化・分析できるとしている。同社が自社開発したツールであり、同年1月1日から販売している。 BIGDAT@Analysisは、実験データや工場の機器ログなどが出力する各種のビッグデータを可視化・分析するためのソフトウェアである(図1)。高度な専門知識を持たないユーザーでも、簡単な操作で可視化できるとしている。データの全体構造を俯瞰可能なため、工場設備の予兆保全などの効率が上がるとしている。 図1:BIGDAT@Analysisの概要(出典:サイバネットシステム) 拡大画像表示 背景には、IoTデータの監視による工場設備の稼働監視や予兆保全の動きが広まる一方で、IoTデータが多変量なビッグデータであることから、従来のツールでは分析が難しいという状況がある。「監視データを何にどう活用したらよいか分からない」、「データ活用のための統計解析や多変量解析といった専門知識を持つ人材やノウハウが不足している」などの課題がある。 BIGDAT@Analysisは、多次元のCSV(カンマ区切り形式)データをそのまま読み込ませるだけで、データの類似性を元に、マップを作成する。マップの形状によって、分析対象のデータの性質・構造が視覚的に把握できる(図2)。生産設備や工場ラインの現場担当者自身で、データ全体を俯瞰し、製造プロセスの不良要因の解明、対策立案などの対策を取れるようになる。 図2:多次元のCSVデータを読み込むだけでデータの性質・構造を把握できる(出典:サイバネットシステム) 拡大画像表示 多変量データの寄与度も可視化する(図3)。IoT機器で集積するデータは、膨大な特性(変数)があるため、仮設を立てながら目的に合わせた手法を選択して分析する必要がある。BIGDAT@Analysisを使うと、多変量のデータにおいても、ターゲットとなるデータとそれ以外のデータの差分を表示し、差の大きい物から順番に表示する。 図3:多変量データの寄与度が分かる(出典:サイバネットシステム) 拡大画像表示 データの特性に合わせたマップ化手法を選べる。まず、複数のマップ化手法でビッグデータを1度に可視化し、この結果を見てから、データの特性に合わせた適切な手法を選べる。マップ化手法に合わせてデータを加工する必要がないので、分析時間を短縮できる。 2022年後期に予定しているバージョンアップでは、前処理が必要な個所および修正案をワンクリックで表示し、修正の実行まで行える機能を追加する予定である。背景として、「集めたデータに欠損がある場合、どのように修正してよいか分からない」という声がある。また、「データの寄与度を数式で表したい」という要望に応えるため、選択領域のデータごとに複数の手法を用いて回帰分析を実行する機能を追加する予定である。 Original Post>
CNDT2021、クラウドネイティブなシステムにおけるデバッグ手法を紹介
CNCDT2021から、Visual Studio Codeを使ったKubernetesのデバッグ手法に関するセッションを紹介する。セッションを行ったのは、株式会社Mobility Technologiesのエンジニアの森下篤氏である。森下氏はサーバーサイドのエンジニアとしてタクシー配車アプリのGOの開発などに携わっているという。 セッションを行う森下篤氏 森下氏は一般的なアプリケーション、コンテナ、そしてKubernetes上で稼働するPod内のアプリケーションのデバッグなどについて解説を行った。 複数のプロセスが連携するアプリケーションを例に挙げて説明 このセッションは、複数のPodが連携するアプリケーションを例に挙げて、どうやってデバッグを行うのかについて具体的に解説する内容であると語った。そのための前提知識として、ローカルのアプリケーションやDockerコンテナのデバッグなどに関することも、おさらいという形で紹介した。 Kubernetesのデバッグの問題点を解説 ここでは、Kubernetesで実装されたアプリケーションにおいて発生する問題点について解説。特にローカルでは動くのにテスト環境のKubernetesでは動かないといった問題や、他のサービスとの連携が必要な場合においてはデバッグが難しいというポイントを紹介した。 森下氏は4つのパターンを挙げてそれぞれのコマンド例を使って紹介。 4つのパターンでデバッグ手法を解説 ここからローカルでのデバッグ、Dockerコンテナでのデバッグの解説をプログラミング言語に対応したコマンド例などを示しながら説明することで、実際にPythonとGoによるコマンドの違いなどについても紹介した。 Docker環境でのデバッグの注意点を解説 ここから、今回の焦点であるKubernetesで運用されている複数のPodの中でひとつのプロセスだけをデバッグする方法の解説に移った。 Kubernetes環境でのデバッグを解説 ここではローカルにデバッガとソースコードが存在し、テスト環境のクラスターのKubernetes上にPodが存在するという構成を前提としている。Podの中にデバッガと対象となるアプリケーションが存在している場合、ポートフォワードを使ってローカルのデバッガとPod内のデバッガが通信することで、ステップ実行や変数の確認などのデバッグ作業が可能になることを説明した。ここではKubernetesのDeploymentの設定によって複数のPodが実行されてしまうことを抑制するために、レプリカの数を1に設定することなどが操作上のポイントとして解説された。 実際にVisual Studio Codeを使ってデモを実施 デモでは実際にVisual Studio Codeを使ってVisual Studio Codeの設定ファイルの修正、ブレークポイントや変数の値の確認、実行までを紹介し、Visual
CTC、AzureでDXを推進する「デジタルプラットフォーム構築サービス for Microsoft Azure」
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2022年1月19日、「デジタルプラットフォーム構築サービス for Microsoft Azure」を提供開始すると発表した。Microsoft Azureを使ってデジタル基盤を構築することにより、企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を支援する。DX人材の育成を含め、開発・運用の内製化も支援する。販売目標として3年間で30社を掲げる。 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の「デジタルプラットフォーム構築サービス for Microsoft Azure」は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を支援するSIサービスである。IoTデータの活用に必要なデジタル基盤をMicrosoft Azureの各種リソースを用いて構築し、ユーザー専用の基盤として提供する。スマートデバイスやIoTカメラなどの各種IoTデバイスに加え、ユーザーの既存システムや利用中のクラウドサービスとも連携する(図1)。 図1:「デジタルプラットフォーム構築サービス for Microsoft Azure」の構成(出典:伊藤忠テクノソリューションズ)拡大画像表示 IoTシステムの設計や構築、運用など全フェーズの知識を持つフルスタックエンジニアで構成したユーザー専門の支援チームが、データ利活用やアジャイル開発などの支援を中長期的に行う。業務改善や新たなビジネス創出に向けたシステム開発の内製化に加え、自社のDX人材の育成にもつながる。 具体的なサービスとして、エッジAI基盤「Actcast」(Ideinが提供)と、AIアルゴリズムを組み込んだ汎用デバイス(Raspberry Pi)を連携させた物体検知製品や人流分析製品を用意している。大がかりな設置工事は不要で、小型のデバイスを設置するだけで、荷物や貴重品などの忘れ物の検知、来店者の属性分析や人数カウントによる人流の可視化を行う。 CTCは今後、スマートグラスやAIカメラなどと連携した製品もデジタル基盤上で展開し、ユーザーのDXを支援する考えである。 同社は、企業の変革や競争力の強化を目的としたデジタル化に向けた重要な要素としてデータの活用を強調している。「データを適切に活用するためには、エッジコンピューティングやIoTシステムの構築、アプリケーション開発、ネットワークやセキュリティの設定を含め、IT環境の準備とともに多面的な知識や技術が必要となる。さらに、データを分析しDXや新たなビジネス創出につなげるには、高度なIT人材も求められる」(同社)。 Original Post>
音楽業界にもAIの波–ヒット曲とスターを生み出せるか(後編)
前編に引き続き、音楽業界における人工知能(AI)の活用例と、それらがもたらす問題点を紹介していく。 AIが作り出す懐かしい楽曲 何年も前から、アーティストは古い楽曲のフックを再利用してきた。Flo Ridaの「Right Round」はDead or Aliveの楽曲をサンプリングしたものだし、Fatboy Slimは1990年の「Dub Be Good to Me」を皮切りに、サンプリングでキャリアを築いた。ずっと前に解散した人気バンドの新曲がリリースされることもある。1995年、The Beatlesの26年ぶりの新曲「Free As A Bird」がリリースされた。Free As A Birdは、John Lennonが1977年にカセットに録音した音源を使用しており、当時健在だったメンバーが楽曲を完成させた。「ザ・ビートルズ:Get Back」の人気が示しているように、一般の人々は未だにThe Beatlesの新しいコンテンツを求めているのだ。 2015年、ソニーコンピュータサイエンス研究所(Sony CSL)の科学者たちは、自らの手で独自のThe Beatles風の楽曲を作り出すことに挑戦した。「Daddy’s
大阪大学医学部付属病院とTXP Medical、治験や臨床研究のデータを標準化し効率化する電子ワークシートの共同開発を開始
大阪大学医学部附属病院とヘルステック企業TXP Medicalは1月11日、治験や臨床研究のデータ収集を標準化し効率化することを目的とした電子ワークシート(症例報告書)開発のための共同研究を開始すると発表した。治験や臨床研究の現場担当者の負担を軽減し、医薬品、医療機器開発の発展に貢献するという。 通常の診療とは異なり、治験では特別な臨床データの収集が必要となる。通常それら被験者情報は、紙媒体のワークシート(症例報告書)に記入され管理されている。臨床試験値など、病院内でデータ化され電子的に管理されている情報であっても、医師や臨床研究コーディネーターがそれをワークシートに転記して、さらに治験依頼者が用意したEDC(Electronic Data Capture System)に打ち込むという作業が求められることもある。 その結果、電子カルテ、ワークシート、EDCと3つの異なるデータソースの整合性を確認する必要が生じ、ワークシートに修正があれば、整合性確認をその都度行わなければならなくなる。担当者の負担は増大し、多くの時間も食われる。転記ミスやチェック漏れなどのヒューマンエラーが起きる恐れも少なくない。 そうした手作業を軽減しようと、電子ワークシートの開発が開始された。まずは、過去の治験のデータを使って電子ワークシートのシステムを開発し、実現可能性の評価を行う。ベースとなるシステム開発完了後に、実際の治験や臨床研究に適用し、さらに評価を行うとしている。 電子ワークシートによって、業務の流れは以下のようになる。 電子カルテ入力時にテキスト構造化システムを用いて患者基本情報や基礎疾患情報、有害事象と考えられる記載を自動抽出し構造化 治験特有の評価項目を電子ワークシートに入力 他院の服薬情報や臨床検査値はOCRで院内環境の電子カルテより抽出し構造化 院内ネットワークに構築された治験に必要な構造化データをQRコードに変換し、院外ネットワークの電子ワークシートに統合 電子ワークシートは、2022年3月末をめどに大阪大学病院所属のCRCグループと共同でブラッシュアップし、仕様を決定する。そして4月末をめどに効果推定を行い、大阪大学病院の新規治験で試験活用が開始される。実用性が確認された段階で、他の医療機関にも展開を開始する予定。 Original Post>
野村証券など、株取引データを量子暗号で伝送、従来システムと遜色のない通信速度を確認
NEC、野村ホールディングス(野村HD)、野村証券、情報通信研究機構(NICT)、東芝は2022年1月14日、株式取引に量子暗号通信を適用する検証を実施したと発表した。実際の株式取引データを大量に暗号化して伝送した際の、低遅延性と大容量データ伝送への耐性について検証した。検証の結果、従来のシステムと比べて遜色のない通信速度を維持できることと、大量の株式発注が発生しても暗号鍵を枯渇させずに通信できることの2点を確認した。 NEC、野村ホールディングス(野村HD)、野村証券、情報通信研究機構(NICT)、東芝は、株式のトレーディングに量子暗号通信を適用する検証を実施した。実際の株式取引データを大量に暗号化して伝送した際の、低遅延性と大容量データ伝送への耐性を検証した(図1)。 図1:野村証券などが実施した、株式取引に量子暗号通信を適用する検証の概要(出典:NEC、野村ホールディングス、野村証券、情報通信研究機構、東芝) 拡大画像表示 検証では、遠隔地同士で暗号鍵を共有する方法として、光の粒である光子に鍵情報を乗せて伝送する量子鍵配送(QKD)装置を利用した。NICTが2010年にQKD装置を導入して構築した試験用通信ネットワーク「Tokyo QKD Network」の上に、投資家と証券会社を模した金融取引の模擬環境を整備した。実際の株式注文と同様の模擬データを生成するアプリケーションを、野村HDと野村証券が開発した。 伝送する株取引メッセージの暗号化には、ワンタイムパッド(OTP)を採用した(図2)。OTPの特徴は、暗号が第三者によって解読されることがない情報理論的安全性を持つことである。一方、デメリットとしては、伝送データと同じ量の暗号鍵が必要となることから、暗号鍵が枯渇するリスクがある。今回の検証では、鍵の枯渇に対する備えとしてAES256も併用した。AESには情報理論的安全性はないが、暗号鍵を短時間で更新することによって十分なセキュリティ強度を持つと考えた。 図2:ワンタイムパッド(OTP)方式の概要。第三者は暗号鍵を知り得ないので、暗号前のデータを取得できない(出典:NEC、野村ホールディングス、野村証券、情報通信研究機構、東芝) 拡大画像表示 こうして、OTP、AES(ソフトウェアベースの実装:SW-AES)、AWS(低遅延な回線暗号装置:COMCIPHER-Q)の計3種類の方式を用いて、それぞれの通信性能を測定した。証券会社の株式業務で1日に伝送する取引メッセージ(FIXメッセージ)のデータ総容量と、その数十倍のデータ伝送量を想定した応答時間について、3種類の暗号化方式の違いによる影響を検証した。 Original Post>
【コラム】ヒートアイランド現象による影響を軽減するため、今、世界はAIを活用すべきだ
人類がこのまま何もしなければ、地球の温暖化はあとわずか数十年の間に少なくとも過去3400万年間前例のないレベルにまで達し、氷河が溶け、洪水がかつてないほど発生し、都市の熱波が我々に悲惨な影響を与えることになる。 米海洋大気庁によると、2021年には米国だけでもすでに18件の気候関連の異常災害が発生しており、それぞれに10億ドル(約1149億円)を超える損害が発生しているという。 世界中で起きた自然災害を結果や頻度の観点から見ると、洪水や地震は人や経済により大きな影響を与えるのものの、熱波よりも発生頻度は低い。熱波は一般的に都市ヒートアイランド現象(UHI)の形で発生し、ヒートポケットとも呼ばれているが、これは都市中心部の気温が周辺部より高くなる現象である。 都市部が急速に温暖化する中、世界各地のさらに多くの人々がヒートアイランド現象による致命的な被害を受けており、都市公衆衛生における格差が浮き彫りになっている。世界保健機関によると、2000年から2016年の間に熱波に影響を受けた人の数は1億2500万人急増し、1998年から2017年の間に16万6000人以上の命が奪われているという。 米国の市当局は現在、住民の中でも特に弱い立場にいる人々の生活レベルや状況が猛暑によって低下することを懸念しているが、影響を軽減するために活用できるようなデータは用意されていない。 デザイン主導のデータサイエンス企業で働く私は、組織のための持続可能なソリューションの構築や、ビジネス、社会、社会経済の複雑な問題は、高度な分析、人工知能(AI)技術、インタラクティブなデータ可視化を用いて解決できることを知っている。 とはいうものの、こういった新テクノロジーは、公衆衛生の専門家、企業、地方自治体、コミュニティ、非営利団体、技術パートナーの協力なくしては展開することができない。この分野横断的な介入こそが、テクノロジーを民主化し、都市ヒートアイランド現象の惨状を改善する唯一の方法なのである。それでは前述のプレイヤーは、都市ヒートアイランド現象を軽減するためにどのようにして協力しているのだろうか。 どの国が大きく貢献しているかを把握する 世界中のあらゆる企業、政府、NGOが熱波による問題の解決に取り組んでいる。 しかし、カナダでは1948年から2012年の間に平均1.6℃の上昇と、世界平均の約2倍の温暖化が進んでいるため、AIを使った熱波予測にはどこよりも力を入れている。もともとカナダの都市はテクノロジー主導で技術に精通しているため、世界中の都市はカナダの綿密な分析と革新的なアイデアから学べることが多くあるだろう。例えば、MyHeatは各建物における太陽光発電の潜在性を追跡し、熱波を持続可能なエネルギーの創出に利用している。 ヘルシンキやアムステルダムなどの欧州の都市もこの課題に積極的に取り組んでいる。EUの資金提供を受けているAI4Citiesは、カーボンニュートラルを加速させるAIソリューションを追い求めている欧州の主要都市を集結させるためのプロジェクトである。資金総額は460万ユーロ(約6億円)で、選ばれたサプライヤーに分配される予定だ。 こういったプロジェクトがAIを活用して気候変動問題を解決しようとしているが、二酸化炭素排出量の削減などのニッチな分野に集中して注目されているのが現状だ。気候変動の影響ではなく、原因の軽減に焦点が当てられているのである。 そのため、熱波の影響は依然として未解決のまま手つかずの状態だ。これは、すぐに甚大な被害をもたらす洪水など他の自然災害の方が注目されやすいからでもあるだろう。熱による不快感、エネルギー使用量の増加、停電などの問題を忍ばせたサイレントキラーとも言える熱波。最大の課題は、熱波に立ち向かうためのテクノロジーが自治体やNPOにオープンにされていないということだろう。 AIを用いたソリューションを活用 回復力のある都市を構築し、気候リスクを軽減することを目的とした非営利団体Evergreenとの協働を通じて、私たちはカナダの都市ネットワークを紹介された。調査と研究を重ねた結果、洪水や地震に対しては多くのデジタルインフラやデータ駆動の政策が存在しているが、熱波に対してはまったくと言っていいほどソリューションがないことが判明した。 依然として未解決の問題が多い熱波だが、拡張性の高いツールであるAIが都市に情報を提供し、それにより根拠に基づいた意思決定を行うことができたらどれだけ効果的だろうか。 Evergreenは地理空間解析、AI、ビッグデータを、MicrosoftのAI for Earthによる助成金で作成したデータ可視化ツールとともに使用して、あらゆる都市における都市ヒートアイランド現象を調査したさまざまなデータセットを統合・解析している。これにより自治体は、不浸透性の表面を持つエリアや植生の少ない問題地域をピンポイントで特定し、日よけの屋根や水飲み場、緑の屋根を設置することでヒートアイランドの影響を緩和することができるのである。 Microsoft Azure Stack上に構築された、AIを活用した解析・可視化ツールはさまざまな機能を備えている。マップ(地形図)を活用すれば地上30メートルブロックごとの地表温度を取得することができ、建物の数や高さ、アルベド値など、都市スプロールのパラメータを変更して将来の都市スプロールのシナリオを生成できるシナリオモデリングビューもある。 温室効果ガスをトラッキングできるこの多目的ツールは、すでにカナダ国内の気候変動に対する自治体の取り組みに良い影響を及ぼしている。今後は世界中の温室効果ガスや二酸化炭素の排出をめぐる政策転換にもプラスの影響を与えていくことだろう。 Sustainable Environment
