Japanese

  • SUUMO編集長が読み解く不動産業界DXの今–「業界の慣習」が変わる時

    デジタル化、オンライン化などDXが進まない業界と言われていた不動産が、ここ数年で大きな変化を遂げている。コロナ禍を受け、非対面、非接触の接客が浸透したほか、オンライン内見やIT重説などの新サービスもスタート。時間や場所にとらわれず家探しをできる環境が整いつつある。

  • DXの源泉─ニューノーマルで求められる人事・人材管理のトランスフォーメーション

    当初はいずれ終息すると思われたコロナ禍が長期化。多数の企業で経営ないしは事業の継続が危ぶまれたり、ニューノーマル=価値転換でビジネス戦略の変更を余儀なくされたりと、ビジネスの不確実性は高まる一方である。そんな環境下で、企業経営の源泉とも言うべき人事・人材管理の分野には、この先何が求められるのだろうか。

  • 日本は住みにくく、働きにくいのか?

    日本人の「和を保つ」行動様式が、時に同調圧力となって個性や活力を失う──そんなシーンを何度も見てきた。独創性をもってチャレンジを続ける人達にとって、日本は住みにくく、働きにくい。根源的なテーマに対して思うことを綴ってみる。 ノーベル賞受賞コメントに愕然とした 2021年10月、真鍋淑郎氏(画面1)がノーベル物理学賞を受賞したニュースは喜ばしい半面、愕然とした思いが今も記憶に残る。メディアの中には日本人の28人目の受賞として報道したところもあるが、真鍋氏は日本出身の日系米国人。大学で博士号を取得して早い時期に渡米し、米国籍になった。日本は2重国籍を認めていないので、米国籍を取った途端に日本国籍が抹消されてしまう。漢字名もなくなるので、正確にはSyukuro Manabe/シュクロウ・マナベと紹介しなければならない。 画面1:ノーベル財団Webサイトの真鍋淑郎氏業績紹介ページ 拡大画像表示 ただし筆者が愕然としたのは、国籍のことではない。受賞インタビューの際、記者から「なぜ日本ではなく米国で働くのか?」と問われた真鍋氏が、「(米国は)コンピュータが存分に使えること、そして自分は調和を保つことが苦手なので日本には帰りたくなかった」と言い切ったことが理由だ。「日本では人々が常に他人への気を遣い調和を保つ。米国では他人がどう思っているかなど気にすることなく、やりたいことができる」ともコメントした。真鍋氏にとって日本は住みにくいのだ。 あまり知られていないが、筆者には同じような思いで聞いたニュースがある。10年以上も前のことだが、2011年12月末に内閣官房 医療イノベーション推進室長の中村祐輔氏が退任し、翌年4月に米シカゴ大学医学部に拠点を移すといって渡米してしまった“事件”である。中村氏は2020年のノーベル賞最有力候補と言われた逸材であり、いずれその業績によってノーベル賞を受賞するに違いない。しかし、もう日本には戻らないとも語っていた。 少し説明すると、医療イノベーション推進室は10~20年後、さらには50年後の世界的な医療技術動向を見据えて、国際競争力を持つ日本発の医薬品・医療機器・再生医療などを次々と生み出し、世界に誇れる「医療イノベーション」を起こすことを目的に設置された。関係省庁である文部科学省・厚生労働省・経済産業省の3省による縦割りを排除し、産学官が一体となったオールジャパン体制を構築する。それにより基礎研究から実用化まで切れ目ない研究開発費の投入や、研究基盤の整備に取り組む目論見だった。 そんな組織の目玉人事として、東京大学 医化学研究所 ヒトゲノム解析センター長だった中村氏を推進室長に招聘したのは2011年1月のことだ。それからわずか1年足らずで中村氏は退任。その際、「国の制度や仕組みを変えようと頑張ったが、各省庁の調整機能さえ果たせず無力を感じた」と語っている。日本の硬直した官僚制度に匙を投げたのだ。2013年2月には推進室も廃止されてしまった。一連の経緯はインターネットで検索してもなかなか見つからない。多くの人は忘れてしまったのかもしれない。 日常的に感じてきた、日本の住みにくさ 真鍋氏や中村氏のようなノーベル賞級の逸材が、日本は住みにくいとばかり米国に移住してしまう事実には愕然とするしかない。と同時に、日本がずっと抱えている問題のことを考えざるをえない。両氏のような研究者への尊敬、研究環境の整備といった直接的なことはともかくとして、日本に根強くある和を求める風潮、あるいは波風立てずに和を保とうとする文化や風土のことである。日本書紀に記述された「和をもって尊しとなす」という規範は今も脈々と生きている。 和を保つことは大切だし、そのための議論や話し合いも重要だが、少数意見が同調圧力によって多数意見に吸い込まれてしまうことが問題だ。このことは筆者も体感し、日常的に感じてきたことでもある。同調圧力は集団統率には便利で有効だが、均質化することによって個性や活力を失う。 その強さが如実に現れたのが、新型コロナウイルスに対する日本人の行動ではないかと思う。他国に比べて、ロックダウンなどの手段を使わなくても自主的に自粛するし、しないと“自粛警察”が現れる。だれもがマスクを徹底しているが、しなければ“マスク警察”が現れる。営業制限の飲食業が要請に応じず営業していれば、嫌がらせの紙を貼って休店に追い込む。そうして巣篭もり、孤立して心を病む人も多く出た。 コロナ禍が日本人の特性を際立たせる。そんな局面が多く見られる 「出る杭は打たれる」という諺もよく引用される。才覚や能力があって頭角を出してくると、妬みや嫉みで足を引っ張られてしまう。組織内ではよくあることで、活躍の場を失って辞職した知人もいる。読者の皆さんも経験されたことがあるかも知れない。会社組織には理不尽や不合理は付きものだ。この感情も均質で同じでありたいと思うところから出てくるのではないかと感じる。 企業内には異能、異才、異端な能力を持った人が存在し、少なからず妬みや嫉みで妨害を受けながら能力を発揮していると推察される。才覚でうまく振る舞いながら、個性を顕著に出さずに立ち回れる人材であれば妨害をかいくぐって成果を出していける。しかし、変な人物、厄介な人物にカテゴライズされてしまうと悲惨である。 筆者は2014年から2年間、あるIT会社の支援を受けて「Innovation Cafe」というコミュニティイベントを企画・実施した。これは社内イノベーターのロールモデルを紹介しつつ、日本の組織の中でうまく振る舞う方法を伝え、組織に埋もれている異能、異才、異端な人材のネットワークを創る試みだった。大した宣伝もしていないのに200人以上の人達が集まって、ワークショップなどを通じて交流を深めてもらった。イベントが済んでも帰らずに話し込んでいる集団がいたり、女性たちの輪ができたりして潜在的な需要が大きいことを痛切に感じた。…

  • NEC、過去の事例から要因と発生条件を導き出して改善条件を提示するAI技術を開発

    NECは2022年2月25日、「ルール発見型推論技術」を開発したと発表した。過去の事例データから事象の要因と発生条件を導き出し、具体的な改善条件を提示し、人が理解しやすい表現で施策の立案を支援するAI技術である。製造業、小売業、金融業などの領域において、製品不良要因の事前特定や顧客の購買行動分析などに貢献する。  ルール発見型推論技術は、過去の事例データから事象の要因と発生条件を導き出し、具体的な改善条件を提示し、施策の立案を支援するAI技術である。製造業、小売業、金融業などの領域において、製品不良要因の事前特定や顧客の購買行動分析などに貢献するとしている(図1)。 図1:「ルール発見型推論技術」の効果(出典:NEC)拡大画像表示 過去事例を正解データとして学習することによって、結果につながる要因と発生条件を導き出す。「どの要因が、どのような条件のとき、何が起きるか」をルールとして構築し、それぞれの要因の改善条件を示す(図2)。 図2:「ルール発見型推論技術」を用いた施策立案支援の概要(出典:NEC)拡大画像表示 ルールに優先順位を付けて高精度なルールを探る 例えば、製造業における製品不良の要因分析においては、原材料の成分配合や処理装置の設定など大量の要因が影響し、ルールが膨大になる。従来は、これらのルールを網羅的に調査して各要因の改善条件まで導き出すことは現実的ではなかった。 これに対して今回開発した技術は、各ルールの優先順位付けを独自の方法で行うことによって、より少なく、より高精度なルールを探っていく。 具体的には、製品不良が発生したデータと発生しなかったデータを正解として学習させ、ルール群を構築する。ここから各ルールを優先順位づけし、さらに並列計算技術を応用することで、必要十分なルールを少ない計算量で選別する。 オープンデータを用いた実験では、事例全体をカバーするために既存手法で50個近いルールが必要だったものが、今回の技術では十数個のルールで達成できることを確認した。これにより、従来手法よりも少ないルールで、より精度の高いルールを導き出せるようになった。 製品不良要因分析や顧客の購買行動分析で効果を確認 検証したユースケースの1つは、製造業における製品不良要因分析である。欠陥品に影響する要因を特定できるようになったほか、「材料の温度が100度より高く、かつ設備の圧力が20hPaより高いとき、80%の確率で故障する」など、これまで専門家が想定していなかった要因が欠陥品発生に影響する可能性も導き出せた。 検証した別のユースケースは、小売業における顧客の購買行動分析である。過去の顧客の購買データや店舗施策データなどを基に、新規顧客から優良顧客へと変化する要因と条件を可視化することで、具体的な施策の立案を支援できることを確認した。例えば、「商品Aの購入数が10点より多く、かつ来店回数が50回より多いとき、90%の確率で商品Bを購入する」などの、結果につながる具体的要因と発生条件が提示できるとしている。 Original Post>

  • 横浜国立大学とゼロゼロワン、家庭用ルーターなどIoT機器のマルウェア検査サービス「am I infected?」を無料提供開始

    横浜国立大学とゼロゼロワンは2月24日、家庭用ルーターやスマート家電を始めとしたIoT機器のマルウェア検査サービス「am I infected?」(アム・アイ・インフェクテッド)の提供を開始したと発表した。費用は無料で、オプションなどによる追加料金は発生しない。 安全な状態の表示例 マルウェア感染が疑われる際の表示例 同サービスは、横浜国立大学 情報・物理セキュリティ研究拠点が運用しているハニーポットのほか、ゼロゼロワンが開発・提供するIoT検索エンジン「Karma」(カルマ)のデータ、情報通信研究機構(NICT。エヌアイシーティー)が開発・運用するサイバー攻撃観測・分析システム「NICTER」(ニクター)のデータを利用している。 横浜国立大学 情報・物理セキュリティ研究拠点とゼロゼロワンは、2021年6月より横浜国立大学内外のセキュリティスキャンに関する共同研究を行っており、今回のサービスは学外のIPアドレスに対するセキュリティスキャンの成果を活用しているという。 また横浜国立大学は、NICTが2021年4月に創設した産学官連携拠点「CYNEX」(サイネックス。Cybersecurity Nexus)に参画しており、CYNEXのサブプロジェクト「Co-Nexus S」(Security Operation & Sharing)よりNICTERの観測データの提供を受けている。 横浜国立大学 情報・物理セキュリティ研究拠点では、サイバー攻撃の実観測、分析に基づき、対策を導出する研究を行っている。IoT機器のウェブインターフェースを模倣したハニーポットと、Telnetと呼ばれる脆弱なサービスを動作させたハニーポットを運用しており、IoT機器の脆弱性を利用した攻撃や、IoT機器に感染するマルウェアを収集しているそうだ。 同ハニーポットによりサイバー攻撃をひきつけ、詳細に観測する受動的観測や攻撃の対象となる脆弱なシステムを探索する能動的観測により、これらの状況を把握し、独自の分析により、そのメカニズムを明らかにすることで、効果的な対策を導出するという。また、これまでIoTにおけるサイバー攻撃やマルウェア感染の蔓延、超大規模サービス妨害攻撃の観測、分析を行い、その観測・分析結果を多数の公的機関・民間企業・研究コミュニティに提供している。 ゼロゼロワンは、IoT機器開発事業者向けに設計段階におけるセキュリティ面での不安解消や想定外の脅威を作らないための支援を行うとともに、IoT機器を安全・安心に利用してもらうための啓蒙活動を行う会社。 公開情報を情報源とするOSINT(オシント。Open Source INTelligence)を含む様々な情報を可視化する検索エンジンであるKarmaと、より安全な製品開発のためのコンサルティングサービスを事業の柱としている。

  • 2025年度には中堅企業にもブロックチェーンが普及、市場は7000億円超へ―矢野経済研究所

    矢野経済研究所は2022年2月22日、国内におけるブロックチェーン活用サービス市場を調査した。2019年度の市場規模(事業者売上高ベース)は171億8000万円だった。2021年度は大手企業を中心に普及期に突入し、市場規模は783億3000万円になる見込み。2025年度には中堅企業においても普及期を迎え、市場規模は7247億6000万円に達すると予測している。  矢野経済研究所は、国内におけるブロックチェーン活用サービス市場を調査した(図1)。2019年度の市場規模(事業者売上高ベース)は171億8000万円だった。2021年度は、大手企業を中心に普及期に突入し、市場規模は783億3000万円になる見込みである。2025年度は、中堅企業においても普及期を迎え、市場規模は7247億6000万円に達すると予測している。 図1:国内ブロックチェーン活用サービスにおける市場規模の推移予測(出典:矢野経済研究所)拡大画像表示 2019年度までは、大手企業を中心にブロックチェーンの特性などを学んでいた最初期のフェーズだった。実証実験の多くが「お試し」の状況であり、試行錯誤しながらブロックチェーンの知見を吸収していた。このため、2019年度の市場規模は、171億8000万円に留まった。 現在は、実証実験の質がお試しから効果検証へと変化してきた。より本番環境での運用を想定した検証へと進む大手事業者が出てきた。導入領域別では、特に商流管理やデジタルIDをはじめとした認証を筆頭に、非金融領域の存在感が高まった。特に2021年度からは、トレーサビリティ(流通経路の追跡確認)や認証、NFTを中心に、ブロックチェーンの活用が広がっている。 矢野経済研究所では、ブロックチェーンの活用に際して、(1)トレーサビリティ、(2)認証、(3)NFTの3つが牽引役になるとしている。 (1)のトレーサビリティは複数のプレイヤが関わるため、ブロックチェーンの強みを活かせる領域である。事例も、化粧品の商流管理や物流管理をはじめ多くの領域で、流通経路における透明性の確保や最終ユーザーの特定など、応用範囲が広がってきた。また、地方において農作物の商流管理にブロックチェーンを活用した事例が複数出てきているほか、農林水産省によるスマートフードチェーンの取組みなど環境整備の動きもある。 (2)の認証領域においても、マイナンバーカードとデジタルIDを紐づけた自治体の取組みが徐々に始まってきている。今後、他の自治体への広がりが期待できる。また、大学の学位証明書などの電子化での活用も広がっていく。特に、ペーパーレス化への移行やコロナ禍も相まって、感染防止に向けた非接触・非対面への取組みは今後も導入を後押しする。 (3)NFTは、2021年度からの急速な普及にともない、特にゲーム業界において大手ゲームソフト会社を筆頭に、既存コンテンツを活用したNFTの提供などに取組んでいる。スポーツの領域でも、選手のデジタルトレーディングカードの発行を中心に事例が出てきた。現状のNFTは法的な枠組みが明確になっておらず、今後、一定金額以上の取引における本人確認の必要性などを含めた規制が入るものとみている。 Original Post>

  • CNDT2021、CNCFの元TOCメンバーがOSSにおける標準の重要性を解説

    CloudNative Days Tokyo 2021から、Katie Gamanji氏によるセッションを紹介する。 Katie Gamanji氏はConde Nast、American Express、CNCFのTechnical Oversight Committee(ToC)メンバー、エコシステムアドボケイトなどの職歴を経て、現在はAppleのSenior Kubernetes Field Engineerというポジションに就いているエンジニアだ。同時にUdacityにおいてクラウドネイティブなシステムにおける教材などの開発にも従事しており、クラウドネイティブなシステムにおいて広範囲な視野を持つ人材と言えるだろう。 このセッションでは、Kubernetesの拡大において標準仕様がどのようにエコシステムの拡大に役に立ったのか、またエンドユーザーとベンダーの立場の違いなどについて技術的な解説を踏まえて語りかける内容となっている。 セッションを行ったKatie Gamanji氏 ちなみに2020年に開催されたKubeCon+CloudNativeCon NA 2020では、Gamanji氏はクラスターAPIに関するセッションを行っているので参考にして欲しい。 KubeCon NA…

  • ダイキンのDX、他社協業の狙いとは?–アイデミー石川の「DXの勘所」【前編】

     AIを中心とするDX人材育成のためのeラーニングプラットフォーム「Aidemy Business」や、Python特化型オンラインプログラミングスクール「Aidemy Premium」などを提供する、アイデミーの代表取締役執行役員 社長CEO 石川聡彦氏が、さまざまな業界のDX実践例を連載形式で紹介する。目標はデジタル活用のキーポイント、言わば「DXの勘所」を明らかにすることだ。  初回は、空調機で知られるダイキン工業を取り上げる。空間データの協創プラットフォーム「CRESNECT(クレスネクト)」などの活動が評価され、「DX銘柄2020」にも選定された。また、「ダイキン情報技術大学(DICT)」と呼ぶ人材育成の仕組みを構築し、自社内の人材にDX知識をインストールし続ける方策に舵を切ったことも特徴だ。同社執行役員の植田博昭氏と、専任役員の小林正博氏との鼎談を、前後編でお届けする。 コモディティ化する主力製品で「新たな収益」を 石川氏:コロナ禍で多くの企業がデジタル化を余儀なくされ、DXはさらに加速したように見えます。しかし、DXに対する熱量は業界や企業によってさまざまです。「そもそも、ビジネスモデルの変革を迫られているのか?」「DXもAIに続く一過性のブームではないか?」「試作品止まりのプロジェクトがほとんどでは?」……といった疑問への答えを、各業界のDXをリードする企業に尋ね、今後のキーポイントを明らかにしていきたいと考えています。まずは経営戦略におけるDXの位置づけと、いかなる課題の解決を目指しているのか、伺えますでしょうか。 植田氏:経営層の認識は「デジタル化の遅れ」です。空調システムがコモディティ化していくであろう中で新たな収益を確保していくためにも、デジタルを活用したソリューション提供でビジネスを変革していく必要性に駆られています。また、一般的にいわれる業務効率の向上も課題ではあります。ただ、空調業界のビジネスの変革は難しい道のりです。なにせ、川上から川下までがしっかりと商習慣で固まっていますからね。 石川氏:どのような難しさがあるのでしょうか? 植田氏:われわれの機器は代理店や量販店経由で販売され、直販ではありませんから、仮にEC販売に踏み切ってもコンフリクトが生じます。他のソリューション商材にしても、確かにデータ取得などのメリットはありますが、代理店から仕事を奪う形になりやすい。これらのコンフリクトを解消し、いかに協業し、共生していくのかを考えなければなりません。 「オールコネクテッド戦略」の背景 石川氏:そうした中で、今年は「空調設備のオールコネクテッド戦略」というデータ活用や新しいデータビジネスの展開を打ち出されています。この戦略に行き着いた背景は? 植田氏:元々は「エアネット」という、弊社が保守や点検業務までを担うサービスを提供していたのですが、そこから得られるデータを分析しようとしても、物件固有の情報にとどまったり、そもそもデータ取得の方法が一律でなかったりと、使い勝手が悪く、言わば「使えるデータ」にはなっていませんでした。 そこで、保守や点検だけではなく、省エネに関わる提案や賃貸契約更新時に最適な空調環境の提案といった新規サービスを実施するほか、一貫性のある取得によってデータの質を高め、標準化を進めなければ、今後の障壁になってしまうことが予想されました。やはり空調機器もIoT的に全数接続が前提となる時代において、コネクテッドな商品を作っていかなければなりません。 業務用の空調機器1つとっても、病院、学校、工場、オフィスと使われる場所で用途も異なります。それらに対して用途市場別に故障予知や省エネへの貢献、電力使用レポート、空調環境の診断といった有効なコンテンツを提供していくことを目指しています。 他社協業を推し進める狙いとは? 石川氏:データが貯まるプラットフォームになり、それらのレポートが簡便かつ有用に使われると、企業内の総務や法務、不動産関係者、経営者も含めて、さまざまな仕事に影響が出そうですね。先ほどの「使えるデータ」という課題は、われわれもよく聞くキーワードです。たとえば、Netflixであれば会員登録した段階で年代や性別などによって区分けされますが、業務用エアコンは商習慣で直販もなく、またエンドユーザーの把握も難しいでしょう。 植田氏:完全にブレイクスルーしたわけではありませんが、弊社は主に「営業」と「サービス」で組織が分かれており、従来メンテナンスやソリューション販売といったデータはサービス側にだけ貯まっていました。つまり、アフターサービスをしに行ったところでないと顧客データが取得できていなかったわけです。今後は営業段階でもサブスクやソリューションを併売して台数を増やし、両組織からのデータ取得を促していく考えです。 石川氏:今おっしゃったソリューション販売としては、空間データの協創プラットフォーム「CRESNECT」の展開が特徴的ですね。この展開からは会員型コワーキングスペース「point 0 marunouchi(ポイントゼロ…

  • NEC、SaaSの設定不備によるセキュリティリスクを可視化するサービス

    NECは2022年2月22日、「SaaSセキュリティ設定管理プロフェッショナルサービス」を提供開始した。Microsoft 365やBoxなどのSaaSの設定状況を可視化し、セキュリティリスクの洗い出しと改善を支援するサービスである。SaaSの設定を管理するSSPM(SaaS Security Posture Management)製品「Adaptive Shield」を活用する。NEC社内でAdaptive Shieldを導入・運用したノウハウをもとに、リスクアセスメントから改善、継続的な運用の支援までを総合的に提供する。  SaaSセキュリティ設定管理プロフェッショナルサービスは、Microsoft 365やBoxなどのSaaSの設定状況を可視化し、セキュリティリスクの洗い出しと改善を支援するサービスである(図1)。SaaSの設定を管理するSSPM(SaaS Security Posture Management)製品「Adaptive Shield」を活用する。NEC社内でAdaptive Shieldを導入・運用したノウハウをもとに、リスクアセスメントから改善、継続的な運用の支援までを総合的に提供する。 図1:「SaaSセキュリティ設定管理プロフェッショナルサービス」の概要(出典:NEC)拡大画像表示 50種類以上のSaaSを対象に、設定状況を管理できる。例えば、Microsoft 365、Box、Salesforce、Zoomなどである。提供するサービスは大きく3つある。(1)「CISベンチマーク」などのセキュリティ標準に則ってセキュリティリスクのある設定を洗い出す「SaaSセキュリティリスク可視化アセスメント」、(2)アセスメント結果に基づいて設定の見直しを支援する「SaaS設定改善支援」、(3)SaaSの機能追加や設定変更にともなう新たなリスクを定期的にチェックして報告する「SaaSセキュリティ運用支援」、である。 背景には、テレワークの導入などにともないSaaSの利用が急増している一方で、利用企業側で機能追加や変更に合わせた設定の見直しができておらず、設定不備が原因の情報漏洩が多数発生しているという状況がある。また、事業部門での利用実態を情報システム部門が把握できていないことや、利用しているSaaSが多数あり管理が追い付かないといったことが課題になっている。 Original Post>

  • 【コラム】私たちはソーシャル+の世界を構築しようとしているが、それをどのようにモデレートできるだろうか

    ソーシャルはもはやFacebookで行われていることに留まらない。使用するすべてのアプリで行うことに相当する。Venmo(ベンモ)、Strava(ストラバ)、Duolingo(デュオリンゴ)、さらにはSephora(セフォラ)での体験を思い浮かべてみて欲しい。 ソーシャルコンポーネントをアプリやサービスに実装する「ソーシャル+企業」として知られる企業が、ユーザーとのつながりを確立し、インタラクションを実現するという強みを背景に、繁栄を続けている。 Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)のD’Arcy Coolican(ダーシー・クーリカン)氏は、ソーシャル+企業の魅力について次のように記している。 (ソーシャル+は)ビデオゲームから音楽、ワークアウトに至るまで、あらゆる分野でコミュニティを見つけるのに役立ちます。ソーシャル+は、喜びを刺激するような実用性が、人間の本質的なつながりと思慮深く統合されているときに生じます。その力は強力です。なぜなら、究極的には、正統的かつポジティブな形でお互いにつながる方法が多ければ多いほど、より良いものになるからです。 ソーシャル+はまもなく私たちの生活のあらゆる側面に浸透し、数カ月後には猛烈な勢いで加速することが予想される。実用性を維持するアダプションが進み、すべての企業がソーシャル企業となることを、筆者は保証したい。これはとてもエキサイティングであるが、そうなるのは私たちが適切な構想を整えている場合に限られる。過去にソーシャルの支配力を私たちは目の当たりにしてきたが、その方向に向かわない限り、すばらしいものが創出されるだろう。 ソーシャルを生み出すアプリが正当なモデレーションの実践に信仰を見出さず、正しいテクノロジーとプロセスを最初から確実に構築するために必要なリソースへの投資を行わなければ、今日のユーザー体験にみられる目覚ましいほどの付加的なものが、まさに悪夢のようなものになりかねない。 Facebookからの学び Facebookは、初代のソーシャルパイオニアとして社会の機能を再定義したが、そうすることで、いくつかの非常に痛ましい教訓に耐えることになった。注目すべきは、個人、グループ、組織に至る19億3000万人のデイリーアクティブユーザーからの投稿を監視しながら、同時に抑圧することなくコミュニティの意識を醸成し、プラットフォームアダプション、エンゲージメント、利益を促進するという重荷を背負わなければならないことだ。ソーシャル+企業は、少なくとも短期的には、この種の量を目にすることはなさそうだが、同じ問題に対処しなければならず、それが起こることを予見できない言い訳はもはや存在しない。 Facebookがモデレートに失敗したいくつかの領域を見てみよう。 急成長する中で不適切なユーザー行動を見過ごしてしまう:Facebookの初期の頃、プラットフォームモデレーションは、ユーザー主導の無料スペースとみなされていたところでは必要ないと考えられていた。この会社は単なるつながりのパイプだった。Facebookは、効果的に管理するには遅すぎるという状況になるまで、ユーザーに害が及ぶ可能性を認識していなかった。最先端のソフトウェア、そして1万5000人の従業員が70言語にわたるコンテンツのレビューに専念しているワークフォースをもってしても、コンテンツモデレーションは依然として大きな問題であり、企業ユーザー、広告費、膨大な評判資本を犠牲にしている。 言葉の壁の過小評価:私たちはオンラインサービスやネットワークを通じてますますグローバル化する社会に住んでいるが、議会に提出された文書によると、偽情報を特定するために割り当てられたFacebookのグローバル予算の87%が米国に充てられていた。世界のその他の地域でのモデレーションプラクティスにわずか13%しか充当されていないことになるが、北米ユーザーはデイリーユーザーの10%に過ぎないのである。Facebookはこの問題に対処するために、言語に極めて微妙な差異がある市場にAIベースのコンテンツモデレーション用ソフトウェアを適用しようとしたが、うまく機能しなかった。Facebook最大の市場(3億5000万人のユーザーを抱えるインド)では、言語不足に起因して、誤情報や暴力扇動が急増している。北アフリカや中東の多様な方言の場合はさらに深刻である。結果として、人間によるコンテンツレビューと自動化されたコンテンツレビューの両方においてヘイトスピーチが蔓延するのを誤って許容してしまい、一方で、一見テロ活動を助長しているように思われる無害な投稿が削除されるという事態に陥っている。 政治的になる:米国のディープフェイクや偽情報キャンペーンにおいて武器化されてきた最も明確な言葉は正常化されているが、Facebookがそのサービス規約に照らして合法的に削除したりフラグを立てたりする投稿は、表現の権利が侵害され、自分の声が抑圧されていると感じているユーザーの怒りを招いている。これは、新しい法的手続きの断片と連動して、重大な市民の反発を引き起こした。つい最近の2021年12月1日、政治的信条に基づいてコンテンツが削除された場合に州住民がFacebookを訴えて損害賠償を求めることを可能にするテキサス州法の施行を、連邦判事が阻止した。政治的候補者、ニュースサイト、ユーザーを検閲した責任をFacebookに負わせようとしたフロリダ州の同様の法律も却下された。しかし、これらの試みは、人々が自分たちの好まない、あるいは時間の経過とともに自分たちに対抗するように変化していると感じるコンテンツモデレーションのプラクティスに、いかに憤慨しているかを示している。 禁止コンテンツをどうするかの判断:コンテンツが削除された場合、そのコンテンツはどうなるかという問題や、好ましくないコンテンツを引き渡したり、違法行為の可能性について当局に警告したりする倫理的責任が企業にあるかどうかという問題もある。例えば、検察は現在、抗議者が銃撃された暴力事件に関与したグループ、ニューメキシコ州市民警備隊のメンバーを特定するのに役立つデータをFacebookに渡すよう要求している。Facebookは、禁止されていた同グループの記録は削除したため、どうすることもできないと主張している。誰が何を所有しているのか、プライバシーに対する合理的な期待は何か、企業はコンテンツを放棄できるのかという点で、法執行機関とソーシャル企業の間で緊張が高まり続けている。 これらの問題はすべて、アプリやサービスにソーシャルコンポーネントを組み込むことを計画している企業によって、慎重に検討されるべきである。 次世代のソーシャルアプリ ソーシャルエンゲージメントは、セールスやアダプションなど多くの側面で重要な要素となっているが、人間には欠点もあることを忘れてはならない。トロール、スパム、ポルノ、フィッシング、金銭詐欺は、ブラウザやショッピングカートと同程度にインターネットの一部となっている。それらによってコミュニティが一掃され、破壊される可能性もある。 考えてみて欲しい。Facebookとその開発者、モデレーター、AIテクノロジーの部隊が悪戦苦闘しているなら、モデレーションとコミュニティガイドラインを初めから優先しない場合、どのようなことが起こるだろうか? 企業は、特にサービスがグローバル化するにつれて、企業とともに拡張できるモデレーション機能を構築するか、堅牢なソリューションを提供する企業と提携する必要がある。これはいくら強調してもしすぎることはない。プラットフォームの長期的な成功と存続性、そしてソーシャル+ムーブメントの未来にとって、それは基本的な要素である。 しかし、モデレーションツールがその役割を果たすためには、企業はコミュニティのために明確に定義された行動規範を作成しなければならない。それはグレーゾーンを最小化し、その意図をすべてのユーザーが理解できるように明確かつ簡潔に書かれたものであることが求められる。 透明性は必須である。不適切な行為をどのように扱うのか、投稿を削除したりユーザーをブロックしたりするプロセスはどのようになっているか、という観点で構造を整備することも企業は求められる。いつまでアカウントがロックアウトされ続けるのか?ユーザーは訴えることができるのか?…