Coinbase、NFTコレクションをブラウザウォレットで閲覧可能に

暗号資産取引所で知られるCoinbase(コインベース)は、「Coinbase Wallet(コインベース・ウォレット)」というブランドのもと、2つのセルフカストディウォレットにも取り組んできた。このタイプのウォレットでは、秘密鍵がデバイスに保存されるため、ユーザー自身が暗号資産を管理できる。 同社は現在、NFT(非代替性トークン)をデスクトップブラウザに導入しようとしている。デスクトップブラウザでCoinbase Walletを使っている人は、まもなく「NFTs」という新しいタブが表示され、自分のウォレットアドレスに紐づくNFTにアクセスできるようになる。 RainbowやArgent、またモバイルのCoinbase Walletなど、多くのモバイルウォレットでNFTコレクションを見ることができるが、ブラウザ拡張機能には通常、ネイティブなNFTギャラリー機能はない。この機能が数日中に導入される。 画像クレジット:Coinbase NFTの新機能に加え、Coinbaseはテストネットと代替ネットワークのサポート強化にも取り組んでいる。Coinbase Walletではすでに、複数のネットワークを切り替える設定が可能だが、加えて、Arbitrum、Avalanche、Binance Smart Chain、Fantom、Optimism、Polygon、xdaiなどサポートしているすべてのネットワークでトークン残高が表示されるようになる。保有する暗号資産のための統合受信トレイのようなものだ。 Coinbase WalletはEIP-3085(EIPは「Ethereum Improvement Proposal」の略)にも対応する。Coinbase WalletがEIP-3085もサポートする分散型アプリケーションにも対応するようになれば、エンドユーザーのエクスペリエンス改善につながるだろう。 EIP-3085では、DApp(ブロックチェーンを使用した分散型アプリケーション)開発者が、あるトランザクションに対し特定のネットワークを提示できる。つまり、複数のネットワークとのやり取りが容易になる。 セルフカストディウォレットを使用する主な利点は、アプリで利用可能なものに制限されないということだ。WalletLinkやWalletConnectなどを使って、サードパーティのDAppに接続できる。 しかし、CoinbaseはCoinbase Walletのインターフェースに複数の分散型取引所を直接統合している。興味深いことに、Coinbaseはそれらの取引にUniswapと0xを使用している。Coinbaseは、ネイティブのDEX機能による取引で1%の手数料を取っている。 多くの点で、Coinbase WalletはCoinbaseのWeb3イニシアティブのように感じられる。同社は、暗号資産ユーザーの知識が増え、多くのDAppを利用するようになったときに、なお重要な存在でありたいと考えている。 MetaMaskは、初めてNFTを購入しようとする新しい暗号資産ユーザーにかなり人気がある。しかし、いったん使い始めると、これは良くないとユーザーはいう。Coinbaseは立ち止まることを望んでいない。暗号資産ウォレットスタートアップのBRDをアクハイヤー(人材獲得を目的とした買収)した今、独自のNFTマーケットプレイスを立ち上げる予定だ。 情報開示:筆者はさまざまな暗号資産を少額保有している。 関連記事・Coinbaseが暗号資産ウォレットBRDを人材獲得買収・CoinbaseがNFT市場参入を発表、OpenSeaに対抗するマーケットプレイスを準備中

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企業がデータから得る各種予測をAIの力で洗練強化するContinual

今日のデータウェアハウス中心型のデータスタックに運用レベルのAIを導入しようとするContinualが米国時間12月16日、Amplify Partnersがリードするシードラウンドで400万ドル(約4億5000万円)を調達したことを発表した。このラウンドには、Illuminate VenturesとEssence、Wayfinder、およびData Community Fundが参加した。この発表にともないContinualは、そのサービスを公開ベータで提供を開始した。その前の数カ月は、一定数の選ばれた顧客とともにテストを行っていた。 データウェアハウジング業界は売上ベースでは大きいが、実際にはSnowflakeやAmazon、Redshift、BigQuery、そしてDatabricksなど少数の企業が支配している。そのためこの市場は、それらのデータに対して独自のイノベーションを構築しようとするスタートアップにとって、取り組みやすい舞台だ。Continualの場合それは、企業に、予測モデルを構築するためのアクセスしやすいツールを提供することだ。 画像クレジット:Continual ContinualのCEOで共同創業者のTristan Zajonc(トリスタン・ザイコン)氏は「Continualを利用すると今日的なデータチームがデータウェアハウスに対して、直接、しかも継続的にモデルの構築とメンテナンスと改良ができるようになります。実際、最も多いユースケースは、顧客チャーン(の動態把握 / 予測)やリードスコアリング(見込み客ランキング)、プロダクトレコメンデーション、在庫予測、予測的メンテナンス、サービス、オートメーションなどです。基本的にContinuallyは予測モデルと予測の両方をメンテナンスし、そのためにデータウェアハウスのデータを利用して、予測をそこへ書き戻す」という。 画像クレジット:Continual ザイコン氏の以前のスタートアップであるSenseは、初期のエンタープライズプラットフォームで2016年にClouderaが買収した。また彼の共同創業者であるTyler Kohn(タイラー・コーン)氏はパーソナライゼーションサービスのRichRelevanceをつくり、2019年にManthan Systemに買収された。これらのスタートアップを創業しているとき2人の共同創業者は、エンタープライズにおけるAIプロジェクトの失敗率が高いことに気づいた。多くの場合、そんなプロジェクトは大きなチームを要し、プロジェクトの実行に大量のリソースを消費した。そしてその間、必要なAIのインフラストラクチャは果てしなく複雑になっていった。 「ビッグデータ(big data)の時代がビッグ複雑性(big complexity)の時代に変わろうとしていました。この問題を解決するために私たちはContinualを創業し、エンタープライズの運用AIを抜本的に単純化しようとしています。私たちは、クラウドデータウェアハウスの登場で、エンタープライズAIの構想を一新し、抜本的に単純化すべき機会が訪れていることを理解していました。データのインフラストラクチャには標準化が必要であり、今日的なデータスタックが勃興し広く普及し始めていました」とザイコン氏はいう。 Continualを使うとデータチームは、彼らの既存のSQLやdbt(data build tool)のスキルを再利用できる。そのために必要なのは、データウェアハウスにContinualを接続して、予測したい機能とモデルを宣言的に定義することだ。その際、ちょっと便利な機能は、予測をデータウェアハウスに保存してデベロッパーやアナリストが必要に応じてすぐにアクセスできることだ。 現在、このプラットフォームはSnowflake、Redshift、BigQuery、Databricksをサポートしており、チームの計画としては今後はdbtとこれらのデータプラットフォームとのパートナーシップを徐々に拡張していきたいという。ザイコン氏によれば、同社はデータ統合プラットフォームになる気はないとのことだ。 Amplify PartnersのDavid Beyer(デビッド・ベイヤー)氏は次のように述べている。「データから得られる予測的洞察を間断なく改善し続けることは、企業が効率的に稼働し、顧客への奉仕をより充実していくために欠かせません。しかしながらAIの運用化はごく一部の高度な企業を除いては永遠の課題であり続けています。Continualはデータチームの仕事の現場、すなわちクラウドデータウェアハウスに入り込み、これまでのやり方が要求する時間の数十分の一の時間で、彼らによる予測モデルの構築とデプロイと継続的改善ができるようにします。私たちが彼らに投資したのは、彼らのアプローチが抜本的に新しくて、AIをエンタープライズで活用するための正しいやり方と信じているからです」。

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信号の情報などと連携した自動運転移動サービスの実証実験–インフラ側からの走行支援は都内初

 大成建設、ティアフォー、損害保険ジャパン、KDDI、アイサンテクノロジー、日本信号、大成ロテック、プライムアシスタンスの8社は12月15日、第5世代移動通信システム(5G)を活用した自動運転移動サービスの実証実験を実施すると発表した。2022年1月22日、西新宿エリアで開始する。 走行ルートイメージ 東京都では、「『未来の東京』戦略」で2025年の無人自動運転による移動サービスの実現を政策目標として掲げている。また、「スマート東京実施戦略」においても、自動運転の実用化を目指している。 特に、輸送ニーズが高く、「スマート東京先行実施エリア」として先行的に5Gを整備する西新宿エリアにおいては、無人自動運転による移動サービスの早期事業化を目指した新たな支援を先行的に実施。都内の他エリアへ横展開し、“スマートシティ東京”の実現を目指しているという。 今回開始する実証実験では、自動運転移動サービスの事業化に向けて課題を抽出し、採算性やニーズを分析。西新宿の移動環境の整備や地域の魅力創出に向け、5Gの利活用による実証を通じて自動運転移動サービスの可能性を探るという。また、西新宿や都内の他エリアへの早期実用化を促すことも目的になるとしている。 具体的には、5Gを活用し、車両を信号の灯色、現示切替りまでの残秒数といった信号情報と連携させ、交差点での安全な走行支援を実施する。 また、信号機や道路に設置したセンサーと連携させ、車両の死角となる範囲の対向直進車、歩行者などを検知。交差点の安全な走行や、駅前ロータリーからの発進などを支援する。そのほか、特殊な塗料を塗布したパネルをトンネル内に設置し、自車位置の推定も支援する。 都内初となるインフラ側からの走行支援技術を導入しつつ、5Gを活用して大容量の映像データを低遅延で伝送。複数台の車両を同時に遠隔で見守る実証実験になるとしている。 都内初となる自動運転技術の高度化実証内容のイメージ 実施期間は、2022年1月22日と23日と、土日を除いた1月26日〜2月4日の合計10日間。トヨタの「JPN TAXI」をベースに開発した自動運転対応車両を使用する。 なお、参加する8社のうち、KDDI、ティアフォー、損害保険ジャパン、アイサンテクノロジーの4社は、2020年度に車両に設置したセンサーと5Gを活用した実証実験を実施しており、交差点での右折走行や段差、落ち葉などへの過剰な制御機能に課題があることを認識しているという。 このことから、2021年度は大成建設、日本信号、大成ロテックなどが保有するインフラ側からの走行支援技術と、プライムアシスタンスの遠隔見守り技術を導入した。「自動運転技術の高度化」と「社会実装につながる事業面の工夫」をテーマとして、公道における自動運転移動サービスの実証実験を実施することになった。 なお今回の実験は、東京都が公募、日本工営が事業プロモーターとなっている「令和3年度西新宿エリアにおける自動運転移動サービス実現に向けた5Gを活用したサービスモデルの構築に関するプロジェクト」に採択されたことを受けて実施する。また、交通事業者の知見を生かし、小田急電鉄が実施パートナーとしてプロジェクトを支援するという。 事業者の名称と役割 8社は、同実験の成果を基に自動運転車の走りやすい環境の整備(まちづくり)や持続可能なサービスモデルの検討を進め、2023年度に西新宿エリアでの自動運転移動サービスの開始、事業化を目指す。 Original Post>

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日本ゼオン、AIを活用した「技術動向予兆分析システム」を稼働、IBM Watsonで特許データを解析

日本ゼオン(本社:東京都千代田区)は2021年12月、「技術動向予兆分析システム」の稼働を開始した。10万件以上の特許データを網羅的に解析し、経営判断に活用する。仕組みとして、IBMの文章検索エンジン「IBM Watson Discovery」を採用している。同システムの利用により、移り変わる市場や需要、技術トレンドの予兆を的確・迅速に捉え、ものづくりにつながるアイデアの導出を目指す。  古河グループの化学メーカーである日本ゼオンは、エラストマー素材事業を収益の柱としつつ、新規事業(高機能材料事業)の継続的な創出に取り組んでいる。化学資源からの脱却や脱炭素戦略を盛り込んだ持続可能な社会に貢献するため、時流や目的にあった技術動向の予兆分析が喫緊の課題となっていた。こうした中、特許などの知的財産分析を企業の経営判断に生かす体制を推進してきた。 図1:日本ゼオンが稼働させた「技術動向予兆分析システム」の概要(出典:日本ゼオン、日本IBM)拡大画像表示 2021年12月には、技術動向予兆分析システムを稼働させた(図1)。10万件以上の特許データを網羅的に解析し、経営判断に活用するシステムである。仕組みとして、米IBMの文章検索エンジン「IBM Watson Discovery」を使っている。複合的にテキストを解析することによって、技術の動向を把握できるほか、自社技術との関連性といった新しい洞察を入手できる。 知財領域の専門かつ固有の表現や単語の分析には、日本ゼオンが持つ独自の辞書データを活用する。これにより、テーラーメードの分析ができる。今回、特に分析軸としてトレンド分析を利用し、技術や研究領域の動向や最新の研究結果を可視化する。これにより、新たな事業展開市場の割り出しや、日本ゼオンの技術と親和性の高い特許の発見が期待できる。 日本ゼオンは、本稼働前に3カ月間の実証期間を設けた。この期間中に、新たな事業展開に向けたアイディアを発見できたとしている。 Original Post>

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【コラム】マイニング業界の転換で訪れる、暗号資産のグリーンな夜明け

気候変動は現代における主要な問題だ。政策立案者から個人まで、誰もが持続可能性とグリーンな行動が社会に浸透するために自らの役割を全うする責任を持っている。 事実、米国から中国まで世界中の政府が気候変動に積極的に取り組んでおり、最近行われた2021年国連気候変動会議、COP26は、 パリ協定の目標に向けた気候変動対策の推進力となっている。 企業もまた大きな責任を負うべく前進を続けており、今や多くの投資家が、財務実績だけでは成功の指標に足り得ないと考え始めている。ESG(環境・社会・ガバナンス)指標、即ち負の外部性(negative externalities)が、社会に役立つ事業活動の真の価値を決めるためにいっそう考慮されるようになった。 その中で、金融インフラを再活性化させるプロセスがますます注目を集めている。Bitcoin(ビットコイン)をはじめとするデジタル資産は、ESG基準をどの程度満たしているのだろうか?この疑問は暗号資産の利用がいっそう幅広い層に行き渡るにつれ、これまでになく重要になってきている。米国では複数のBitcoin先物ETF(上場投資信託)が取引されおり、機関投資家の関与も最高水準に達し、 Standard Chartered(スタンダードチャータード)、 State Street(ステート・ストリート)、Citibank(シティバンク)をはじめとする多くの世界最大級の金融機関が、静かにこの分野で準備を進めている。 規制の明確化も世界でさまざまな人々の参加を可能にし、それぞれのデジタル資産戦略を加速させている。EUの広範囲にわたるMarket in Crypto-assets(暗号資産市場、MiCA)規制フレームワークは、欧州議会で法制化手続きが進められている。一方米国でも、Gary Gensler(ゲイリー・ジェンスラー)氏率いる証券取引委員会が、ステーブルコインと分散型金融(DeFi)のためのフレームワークを明確化する意志を表明している。 デジタル資産が真に主流となり、全世界の投資家のポートフォリオで地位を固めるためには、各国政府と企業が従うべきものと同じ厳格なESG基準の対象にならなくてはいけない。業界が徐々にこの要件を受け入れ、高まる受け入れに呼応して環境自主規制のプロセスを強化していることは特筆すべきだろう。 Bitcoin Mining Council(ビットコイン・マイニング協議会)などの組織は、報告基準を高めることで業界の透明性向上に取り組んでいる。多くの暗号資産ネイティブ組織も、Crypto Climate Accord(暗号資産気候協定)に参加して、暗号資産関連活動にともなう電力消費の2030年までの排出量実質ゼロを誓約している。、しかし、こうしたあらゆる活動にとって、おそらくデジタル資産のエネルギー効率化における唯一最大の貢献は、業界の制御がまったく届かないところで決定されている。2021年5月、中国国務院は暗号資産のマイニングおよび取引を全面的に禁止した。かつて全世界Bitcoinマイニングハッシュレートの44%を占めていた暗号マイニング(採掘)の世界拠点でのこの決定は、採掘者の他の司法権の下への大量脱出を呼び起こした。 これはBitcoinマイニング業界のエネルギー効率化にとって極めて大きな意味をもつ動きだ。電力の石炭依存が高い中国経済を離れ、再生可能なエネルギー形態の多い他の地域へ移動することを意味しているからだ。 北米はこの動きの大きな受益者であり、マイニングハッシュレートの米国シェアは、 4月の17%から8月は35%へと上昇した。カナダのマイニングハッシュレート、9.5%を加えて、今や北米は世界供給の50%近くを占め、全世界マイニングハッシュレートを支配している。 米国のエネルギー生産は全州に分散しているが、この転換はBitcoinマイニングの持続可能性にとって朗報だ。米国は再生可能エネルギーが豊富であることに加えて、大規模なマイニング会社は薄利な業界で競争しており、主要な変動コストはエネルギーであることから、インセンティブは最安値のエネルギー源に移行することであり、その大部分が再生可能エネルギーだという事実がある。 たとえばニューヨーク州はBitcoinハッシュレートで最大級のシェアをもつ州の1つであり、Foundry

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MetaがAWSを戦略的クラウドプロバイダーに選定、Meta AIの研究開発やPyTorch利用企業のパフォーマンスを強化

Amazon Web Services(AWS)は米国時間12月1日、Metaが戦略的クラウドプロバイダーとしてAWSを選定したことを発表した。 MetaとAWSはこの5年間で連携する範囲を拡大してきた。今回の合意を基に、AWSは引き続きMetaが取り組む研究開発をサポートし、イノベーションの促進、サードパーティやオープンソースソフトウェア(OSS)コミュニティとのコラボレーションを支援する。 Metaは、AWSの実績あるインフラストラクチャと包括的な機能を活用し、既存オンプレミスのインフラを補完するとともに、AWSが提供するコンピュート、ストレージ、データベース、セキュリティのサービス利用を拡大し、クラウドにおけるプライバシー、信頼性、拡張性を実現するという。サードパーティ企業とのコラボレーションをAWS上で行うとともに、すでにAWSを利用している企業の買収支援にも活用する。 またMetaは、AWSのコンピュートサービスを活かし、Meta AIグループの人工知能の研究開発を加速させる。AWS上でOSSの機械学習フレームワーク「PyTorch」を活用する顧客企業のパフォーマンスを向上させ、開発者による人工知能と機械学習モデルの構築・トレーニング・デプロイ・運用の加速を目指す。 AWSとMetaは、機械学習モデルの大規模な構築、トレーニング、デプロイに向けて、PyTorchのパフォーマンスならびにAmazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)や、機械学習専用に構築された機能を提供するAmazon SageMakerなどのコアマネージドサービスとの統合において、さらなる最適化を進める。自然言語処理やコンピュータビジョンのための大規模な深層学習モデルを開発者が容易に構築できるよう、両社はAWS上でのPyTorch活用を促進し、AIアクセラレーターの分散システム全体で大規模なトレーニングジョブのオーケストレーションを可能にする。 また両社は、PyTorch上での推論のパフォーマンス、説明可能性、コストを向上させるネイティブツールを共同で提供。本番環境へのモデル展開を簡素化するため、PyTorchのネイティブなサービングエンジンであるTorchServeを強化し、学習したPyTorchモデルを容易に一括展開できるようにするという。これらのOSSへの貢献をベースにAWS上でパフォーマンスを最適化し、大規模な深層学習モデルの研究から本番環境までをより迅速に導入するための支援を展開する。 Original Post>

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Concurに経費申請のミス/不正を検知して差し戻す新機能、人力の承認作業を不要に

コンカーは2021年12月7日、出張・経費申請のミスや不正を機械的に検知して差し戻すSAP Concurの新機能の開発・提供において、日本IBMおよびデロイト トーマツ リスクサービスと協業したと発表した。両社がSAP Concurと連携した申請ミス/不正の検知機能をユーザーに販売する。価格は個別見積もりで、両社とも初期費用は「数100万円程度から」としている。  コンカーは、経費精算クラウド「Concur Expense」をはじめとする出張・経費管理クラウドサービス群「SAP Concur」を提供している。同社は経費申請の手間や負荷の軽減を目的に、法人クレジットカードや電子マネー決済と連携して申請データの手入力を廃する機能や、紙の領収書を電子化して申請を簡素化する機能を提供している。「経費精算はあらゆるビジネスパーソンによって最も付加価値のない仕事。社会的使命として、経費精算のない世界をつくる」(同社、図1、関連記事:経費精算クラウドのコンカーがPayPayと連携、経費計算のデータ入力を省力化)。 図1:経費申請の手間や負荷を軽減する機能に注力している(出典:コンカー)拡大画像表示 今回新たに、経費精算の人手作業を廃するのに未解決だった課題を解決すべく、日本IBMおよびデロイト トーマツ リスクサービスと協業した。両社は、SAP Concurの連携製品として、申請ミスや故意の不正申請を機械的に検知する機能を提供する(画面1)。 連携機能は、申請データの人手による承認作業をなくすことが狙いである。コンカーの標準機能でも入力データが正しいかどうかをある程度分析できるが、2社のサービスを活用することで、より高度な不正検出が行える。コンカーは、今後4年間でSAP Concur導入企業の半数以上への導入を目指す。 画面1:経費申請画面の例。領収書の画像データを登録して電車代を申請しようとしている(出典:コンカー)拡大画像表示 日本IBMは「経費精算不正検知ソリューション」の製品名で販売する(図2)。コンカーの申請ワークフロー内で申請ミスや不正申請を自動でチェックし、問題があった場合は差し戻せる。さらに、蓄積した申請データを後から分析する使い方もできる。AI-OCR(光学文字認識)による領収書の突合、領収書の使い回しチェック、入退館データなどを利用した出張確認などの機能を備える。 図2:日本IBMとデロイト トーマツ リスクサービスが提供する不正検知サービスの概要(出典:コンカー)拡大画像表示 例えば、領収書の画像から読み取った金額と、申請データの入力金額が異なることを検知する。また、すでに提出済みの領収書を再度提出しようとしていることを、画像とOCRデータから検知。入退館データや勤怠データなどに出張の痕跡が見られなかった場合は、出張費の根拠となる出張実績の証跡を出すように促す(画面2)。 画面2:ユーザーが経費を申請した際に出張・経費管理クラウドのバックエンドで「経費精算不正検知ソリューション」(日本IBM)が動作している様子(出典:コンカー)拡大画像表示 デロイト トーマツ リスクサービスは、「リスク

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トレッタキャッツ「Toletta」とNEC「waneco talk」が連携、ねこの排泄状況をLINEで飼い主にメッセージ

トレッタキャッツは12月7日、ねこヘルスチェックサービス「Toletta」(トレッタ)と、NECの「waneco talk」(ワネコ トーク)を連携させ、ねこがTolettaで排泄するとそのデータをLINEで飼い主に送るサービスを発表した。2022年1月から提供開始する。 Tolettaは、ねこがスマートトイレ(Tolettaトイレ)に入ると、体重・尿量・尿回数・トイレ入室回数・滞在時間・経過時間の6つのデータが自動計測されるサービス。データは24時間スマートフォンで確認でき、体重や尿の量の変化もわかるため、ねこの体調変化に気づくきっかけとなる。AIねこ顔認証カメラが搭載されているので、多頭飼いをしてても、それぞれのねこが識別される。 waneco talkは、留守番をしている犬やねこの状況を、遠隔地からLINEのトーク形式で把握できるというサービス。ペット用IoT機器から取得したデータをNECの最先端AI技術群「NEC the WISE」で分析して、公式アカウントからペットが話しているようなLINEメッセージを飼い主に送付する。 [link ] この2つのサービスが連携することで、たとえばねこがTolettaで排泄をすると、飼い主に「トイレしたにゃ〜!」や「用を足したとこ……」といったメッセージと写真が届くようになる。「まるでねこちゃんと会話しているかのように、楽しく健康管理ができる」とのことだ。さらに、Tolettaから取得した排泄データをNECのAI技術により分析し、飼い主がねこの「いつもと違う変化」により早く気づけるような通知機能の追加も予定している。 waneco talkは12月19日まで、応援購入サイト「Makuake」で応援購入できる。応援購入を行うと、現在Tolettaを利用あるいは利用を検討している場合は、2022年1月から「waneco talk(Tolettaオプション)」が利用できるようになる。 また現在、Tolettaとwaneco talkの連携を記念して、ねこの排泄通知の大切さと楽しさを知ってもらうための「第2回 #ねこが入りました選手権」が開催されている。これは、Tolettaに入ったねこの写真コンテスト。Tolettaの「ねこ入室通知」画面の写真に「#ねこが入りました選手権」と「#wanecotalk」という2つのハッシュタグを添えてTwitterで応募する。募集期間は12月7日から12月19日。 Original Post>

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CNDT2021、Kubernetesのマルチテナントを実装したIIJのSREが語る運用の勘所

CNDT2021から、Kubernetes上でマルチテナント環境を実装した事例のセッションを紹介する。これは株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)のSREである田口景介氏が行ったもので「シングルテナント・マルチクラスタ vs マルチテナント・シングルクラスタ論争 決着のとき」というタイトルが示すように、シングルテナントとマルチテナントの利点や欠点などを実際に実装した経験を元に解説するものだ。 単一のクラスタ上で実装されるKubernetesでは、IIJのようなインターネットサービスを提供するサービスプロバイダーなどにおいては不十分であることは理解できる。またサーバーハードウェアのリソースをフルに活用できていないことから、より効率的な運用のために複数のテナントを共存させることでハードウェアリソースを効率的に運用できることを目指すもの理にかなっていると言える。 直近のKubeCon NA 2021では、Cluster APIへのマルチクラスタの機能の追加についてキーノートでも紹介された。またKubeCon EU 2021やKubeCon China 2019でも、その実装方法についてRed HatやHuaweiなどのエンジニアによるセッションが行われているように、マルチクラスタ、マルチテナントに関する議論は活発な状況だ。 KubeCon EU 2021でのRed Hatが提案するkcpに関する記事:KubeCon EU 2021でRed Hatが発表した複数のKubernetesを制御するkcpを紹介 KubeCon China 2019でのHuaweiのセッションに関する記事:KubeCon China:サーバーレスとマルチテナンシーのセッションに注目

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【コラム】新たなハイブリッド生活、私たちと共存するハードウェアにできること

社会におけるさまざまな場面でハイブリッドモデルが登場しているが、それらは驚くほどの柔軟性がある一方で、仕事とプライベートの境界線はますます曖昧になり、私たちが精神的に疲弊をしていることは明らかだ。 儀式というのは、常に私たちの精神的、感情的な状態を形作る強力な力を持っている。例えば、人の集まり、物理的なトーテム、衣装や空間デザインなどはすべて、その経験を生み出すために機能する。しかし、ハイブリッドで働く人々にとっては、これまで慣れ親しんできた儀式の多くがもはや手の届かないものになっているのだ。彼らの日々の仕事には、人と集まることも、場所の変更も必要なく、服装もほとんど(あったとしても)変える必要がない。 1日に7時間以上も画面を見ている若者は、うつ病や不安症にかかりやすく、仕事をこなすのが難しいという研究結果が出ているにもかかわらず、私たちはハイブリッドなバーチャル体験を増やし続けている。さらに、従業員たちは、複数のタイムゾーンにまたがって行われる会議の連続で、毎日が果てしなく続くような感覚に陥り、疲労や倦怠感を訴えている。 現在、多くの人々が仕事や学校、買い物、銀行、医療など、あらゆる場面でコンピューターデバイスに依存していることを考えると、私たちは、ハイブリッドな仮想世界での新たな儀式に備えて、これらのデバイスをどのように設計・開発しているかを、より注意して見ていかなければならない。 今日「コンピュータデバイス」とは、従来のデスクトップ型ワークステーションから超ポータブルな携帯電話まで、あらゆるシナリオを想定している。しかし、これらのデバイスのデザインが、ユーザーの仕事とプライベートの境界を明確にするのに役立つとしたらどうだろう? 例えば、画面の前にキーボードがあるデバイスは「生産性の高いツール」という印象を与えるが、タッチ式のタブレット端末では、よりカジュアルでエンターテインメントに特化した印象を与える。もし、リモートワーカーがこの2つの様式を切り替えることで「仕事」から「プライベート」への切り替えを知らせることができたらどうだろう。 また、最近注目されているのが、ビデオチャットや会議ツールだ。私たちの多くにとって、人との交流の大半は、ビデオ会議アプリを使ったバーチャルミーティングで行われている。HDウェブカムやリング型ライトの需要は高く、バーチャルな背景やエフェクトの数は日々増加している。 ただ、ハードウェアの設計に大きく依存していることもあり、ビデオ会議の体験にはまだ多くの課題や制限がある。Zoom、Google Hangouts、Teamsなどのツールは、最新のアップグレードに対応しようと競い合っているが、統合された照明源、改良されたオーディオ、さらには触覚フィードバックなどのハードウェア上のハードルに取り組まなければ、ソフトウェアができるのはここまでだ。 しかし、対面からバーチャルへのパラダイムシフトを受け入れることができれば、ユーザーが同僚と直接目を合わせているように見せるために、ディスプレイ内埋め込み型の1ピクセル以下のカメラレンズのようなハードウェアのアップグレードによって、未来の日常に向けたデザインができるようになる。他にも、温度や触覚の技術を応用することで、仮想空間を介してお互いのつながりをより深く感じることもできるだろう。また、没入型の体験が進化していく中で、嗅覚の技術を追求することで、新たな可能性が生まれるかもしれない。 しかし、このようなハードウェアの進化は、実際に生産や消費の面ではどのようなものになるだろう?テクノロジーの便利さには目を見張るものがあるが、その一方で地球への負担も大きい。 消費者は地球を酷使する存在になってしまったのだろうか? 自分が大切にしているものを考えてみると、それらに共通しているのは、どれも古くて希少なものだということだ。もちろん、これは貴重なものに共通することだが、この価値観をハイテク製品にも適用できないだろうか。私はiPhoneを1〜2年ごとに交換しているが、Ducati(ドゥカティ)のバイクはパーツを少しずつアップグレードしていくことに大きな喜びを感じている。新品に交換するために捨てようとは決して思わない。 サステイナブルなソリューションを求める消費者が増えれば、ハードウェアメーカーはサービスを調整しなければならない。Apple(アップル)のような強力なブランドは、環境再生活動の強力なリーダーとなり得るだろう。デスクトップPCを自作することは(特にハードコアゲーマーにとっては)目新しいことではないが、すべてのポータブル機器がアップグレード可能なモジュール式になった未来を想像してみて欲しい。50年後、2025年に購入したスマートフォンが、いまだに機能していて価値の高いビンテージ品になっていたとしたらどうだろう? 私たちの新しい日常の現実は、デバイスの多さが解消されない一方で、ソフトウェアの開発が飛躍的に進んでいることだ。そろそろ私たちは、自分のデバイスを、クルマや家と同じように、最新の進歩に合わせて修理したり、改造したりして、大切にしていく対象として考えていかなければならない。 編集部注:執筆者Francois Nguyen(フランソワ・グエン)氏はfrogのプロダクトデザインのエグゼクティブデザインディレクター。 画像クレジット:Peter Cade / Getty Images [原文へ] (文:Francois Nguyen、翻訳:Akihito Mizukoshi) Original

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ALBERT、データ分析自動化の「dotData」を活用した伴走型DX支援サービス

ALBERTは2021年12月9日、NECのデータ分析自動化ソフトウェア「dotData Enterprise」を活用した伴走型のDX支援サービスを開始すると発表した。まず、dotDataの導入によって労働集約的な分析プロセスを自動化し、人材やコスト面におけるボトルネックを軽減する。さらに、データサイエンティストが伴走してデータ活用や分析業務を支援することで、DXのサイクルを定着させる。  ALBERTは、データ分析をAIで自動化するソフトウェア「dotData Enterprise」を活用した伴走型のDX支援サービスを開始する。まず、dotDataの導入によって労働集約的な分析プロセスを自動化し、人材やコスト面におけるボトルネックを軽減する。さらに、データサイエンティストが伴走してデータ活用や分析業務を支援することで、DXのサイクルを定着させる(図1)。 図1:伴走型DX支援サービスの概要(出典:NEC、ALBERT)拡大画像表示 第1に、データ分析プロセスを整備する。システムを導入しただけでは分析結果を業務やビジネスにうまくつなげられないケースも多いことから、データドリブンDXに必要な分析リテラシ(データを分析し、ビジネス変革から価値創造を行う能力)向上のための仕組みを構築する。さらに、dotDataを活用し、経営目標に対してどのデータをどう活用するか、方針やプロセスの確立に向けたコンサルティングを実施する。 第2に、データ分析環境を整備する。データマートの構築、各種システムとの連携など、多様なデータをdotDataで活用するための環境を構築する。また、dotDataの導入後も環境変更の対応や問い合わせ対応、利用状況の連絡などdotDataの保守サポートを提供する。 第3に、データサイエンティストが伴走型で分析を支援する。伴走しながら、dotDataを軸に、クライアント企業のデータ活用、およびDX推進体制の構築を支援する。導入初期はdotDataの操作指導・操作代行、データ活用コンサルティング(分析テーマ選定・優先順位付け)を行う。習熟度に合わせて、クライアント自身のdotData操作・活用支援、データからの業務知見をもとにした施策の立案・分析などのスキルを習得する支援を実施する。 なお、dotDataは、データ分析をAIで自動化するソフトウェアである。データ分析の試行錯誤に費やす時間・労力を削減でき、ビジネス施策の検討に注力できるようになる。また、導き出す結果からは、人が思いもよらなかった洞察が得られる。特に「特徴量の自動設計」に強みがあり、従来であればスクラッチで3カ月程度かかっていた分析が数日程度に短縮できる。簡易なユーザーインタフェースで課題設定と分析のサイクルを現場で繰り返し実施できる。 dotDataを活用したユースケースの例を示している。 購入者予測(ターゲティング) 過去の購買データ等から、未来の購買の可能性が高い顧客を予測 機器故障予測(判別分析:数値ではないデータを予測する分析手法) センサーから取得した温度や振動データ等から、機器の故障を予測 シェアバイク利用予測(回帰分析:数値データを予測する分析手法) 過去のシェアバイク利用データや気象データ等から、未来のレンタル数を予測 NECは、2018年にdotDataの提供を開始し、経営や現場の課題解決に向けて、DX人材の育成とアジャイルでのデータ収集・分析、結果の可視化を定着させるデータドリブンDX事業に取り組んでいる。一方、ALBERTはデータサイエンス企業であり、ビッグデータ分析、AIアルゴリズム開発、AIシステム実装を通じたデータ・AIの活用支援やデータサイエンティスト育成支援などに取り組んでいる。ALBERTは今回、同社のデータ分析・AI活用ノウハウとdotDataを連携させ、データドリブンDXを加速させる支援サービスを開始する。 NECとALBERTは、サービス提供に至った、ユーザー側での課題を次のように説明している。「多くの企業で、データ分析から業務知見を抽出できず、分析結果をビジネスに繋げられない/利用できるデータやそれを活用する人材が限定的で会社全体にDXアクションが広がらない/DXを経営目標と位置付けたもののDX実現に向けた組織・環境づくりが自社だけでは困難といった課題を抱えている」。 Original Post>

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“クラウドスマート”なHCIの狙いとは オンプレミスを再重視した三井化学の意図

 3層に分かれることが普通だったサーバ、ストレージ、ネットワークを同じ筐体(きょうたい)に収めたのが「ハイパーコンバージドインフラ」(HCI)だ。HCIは基本的な仕組みとして、複数のサーバの内蔵ストレージを1つの共有ストレージにする技術を活用する。3層型インフラの運用管理の負担や、拡張のしにくさを解消するメリットが見込める。ただしこの基本だけでなく、HCIソフトウェアに組み込まれる追加機能や、ニーズの変化によってその役割は広がっている。 Nutanixの「AOS」(Acropolis OSとも)やVMwareの「vSAN」はHCIを実現する代表的な製品だ。TechTargetジャパンが読者向けに実施したアンケートでも「関心のあるHCI製品」として、この2製品が比較的多く選ばれる傾向にあった。昨今は、両製品とも「Amazon Web Service」(AWS)などのクラウドサービスのベアメタルサーバでHCIソフトウェアを動かす仕組みを提供するなど、活用範囲は単にオンプレミスのデータセンターに限られた話ではなくなっている。本稿はこのうちの1つである、NutanixのHCIがどのように使われているのかが理解できる事例を紹介する。 HCIの利用を考える上で注目すべき点は、クラウドサービスに関する企業のインフラ戦略に変化が見られることだ。Nutanixでアジア地域のCTO(最高技術責任者)を務めるジャスティン・ハースト氏は、アジア太平洋地域を対象にしたメディア向け説明会で「企業は『クラウドファースト』から『クラウドスマート戦略』に切り替え始めている」点を強調した。  国内企業も頻繁に使用するクラウドファーストという言葉は、可能な限りシステムやデータをクラウドサービスに置くことを意味している。対してクラウドスマート戦略は、クラウドサービスの重要性を前提にすることは同じであるものの、クラウドサービスを“最終的な目的地”にするのではなく“手段”として有効に活用することを意味するという。 この戦略転換が起きているのは海外だけではない。説明会でハースト氏は、クラウドファーストを採用してきた化学メーカーの三井化学が、次世代の生産体制を構築するためにオンプレミスのデータセンターや、工場などのエッジ拠点にHCIを配備した取り組みを一例として挙げた。 「事業の副産物であるデータを将来に生かすための取り組みだ」と、ハースト氏は三井化学の方針転換を説明する。三井化学は工場が生み出すデータの本格的な活用を視野に入れたときに、クラウドサービスだけではなくデータセンターやエッジ拠点の再整備が必要になった。そのインフラとして同社はNutanixのHCIを使用している。 Nutanixの年次イベント「.Next Conference Japan 2021」で、三井化学で業務システム分野を統括する黒田雅人氏が説明した内容を基に、もう少し具体的に見てみよう。同社は2015年にクラウドファーストの方針を採用し、ERP(統合業務)パッケージを含む大半のシステムをAWSに移行させた。「コスト抑制を重視して、各拠点にできるだけサーバを配置しない方針でインフラの集約を進めた」と黒田氏は説明する。このクラウドファーストの方針に変更を加えた理由の一つは、データ活用における問題が見えてきたからだ。 三井化学の工場はセンサーなどのIoT(モノのインターネット)機器がさまざまなデータを生み出しつつある。その全てのデータをクラウドサービスに転送するのではネットワークの負担が大きくなる上、遅延も無視できない。「リアルタイム通信を必要とする工場のデバイスが大量のデータを生み出すようになれば、クラウドサービスに転送する前に各拠点でデータの分析と保管をする前処理サーバは必須になる」と黒田氏は話す。 過去に工場が自然災害の被害を受けた経験を踏まえて、BCP(事業継続計画)の強化を図ることも三井化学の課題だった。大規模な災害発生時は、公共のネットワークや拠点間ネットワークが寸断する事態も考えられる。そうした場合でも業務に必要なファイルへのアクセスが各拠点で完結するように、工場を含む各拠点にファイルサーバを配置する方針を同社は採用した。 これらの点をまとめると、三井化学はクラウドサービスの利用は従来通り継続しつつも、データ活用のためのエッジコンピューティング(エッジ拠点におけるデータ処理)を導入し、さらには災害対策が必要になったために、オンプレミスのインフラを再び配備するという判断をしている。これを具現化するために、同社はHCIを中心としたNutanixのソフトウェア群「Nutanix Cloud Platform」を採用し、2021年9月に稼働させた。データの前処理サーバと、ファイルストレージ機能「Nutanix Files」によるファイルサーバを6カ所の工場に配置し、AOSのレプリケーション機能によって各拠点のデータを本社のHCIに複製してデータの冗長化を図る構成となっている。 稼働時点では本社のHCIとAWSが接続する形だが、今後計画しているWAN構成の見直しの際は、工場などの各拠点とAWSを直接接続させたデータ処理の仕組みも三井化学は視野に入れている。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大によって出社制限が各国で発生したことで、ハードウェアの運用や保守をベンダーに任せることができるクラウドサービスの利用は加速した。ただしデータ保護やネットワーク遅延などの要件からクラウドサービスに移せないものがあれば、システムはオンプレミスのインフラとクラウドサービスにまたがる。三井化学のように工場や小規模拠点でデータ分析基盤を取り入れればシステムはさらにエッジ拠点へと広がる。こうした動きの中で「システムに統一性を持たせ、事業に俊敏性(アジリティ)を与える役割としてHCIの有用性が高まっている」とハースト氏は話す。 Original Post>

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CNDT2021、ミクシィのSREによるEKS移行の概要を解説するセッションを紹介

CloudNative Days Tokyo 2021から、株式会社ミクシィのセッションを紹介する。家族で写真動画を共有する「家族アルバム みてね」の運用担当エンジニアが、仮想マシンからコンテナへの移行、インフラストラクチャーアズコード(IaC)を実践するための改善点、オブザーバービリティ向上のためのNew Relic導入などを解説した。タイトルは「全世界のユーザーが快適に利用できるクラウドネイティブなシステムを目指して」、担当したのはミクシィのSREである清水勲氏だ。 ミクシィのSRE、清水勲氏がセッションを担当 サービスの紹介の後に、世界を対象にしたサービスを運用する際の課題を解説。ここでは東京にメインのサーバーが置かれている状況で世界中からのアクセスをどうやって高速化するのか、問題発生時の解決のための工夫などについて解説を行った。 SREとしての課題を解説 より安定したネットワークを実現するために、ミクシィが利用しているAWSの機能であるS3 Transfer Accelerationを使って、エッジである日本以外の国や地域からのアクセスを高速化したことを紹介。 S3 Transfer Accelerationを利用 これは海外から直接東京リージョンのS3にデータを送信するのではなく、エッジのロケーションのストレージで一旦受けてから東京リージョンのストレージに高速送信をすることで、ユーザー体験としての高速化を目指したものといえるだろう。 また通信状況や端末の環境によって起因するトラブルや遅延を検知するために、New Relicのオブザーバービリティプラットフォームを採用していることを解説した。 端末側でメトリクスを採取する仕組みを導入 ユーザーがアップロードするデータはS3に向けて送信され、メトリクスはNew Relicのクラウドサービスに向けて送信することで、サービスの運用担当者はNew Relicのダッシュボードからシステムの状態を確認することができる。 また各国で実施されるプロモーションなどの結果として起きる突発的なアクセス増加に対応するために、従来はAWS OpsWorks上で実装されたChefによって新規の仮想マシンがデプロイされる方式を改め、コンテナ化されたアプリケーションが即座にデプロイされる形式によって高速化が実現できたと説明した。 OpsWorksからコンテナでアプリケーションがデプロイされる方式に移行

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Azureに対する史上最大級のDDoS攻撃が突き付けたメガクラウドの是非

 MicrosoftのAzure Networkingチームは「Microsoft Azure」においてインターネット史上最大級のDDoS(分散型サービス拒否)攻撃を防いだ方法を公開した。 Azureの単一IPに対する過去最大の攻撃は2020年春の1Tbpsの攻撃だった。2021年8月の攻撃は2.4Tbpsで、2020年春の2倍以上だ。規模の点ではAzureでこれまでに検知された全ネットワーク攻撃を上回る。 Azure Networkingチームのアレテア・トー氏(プログラムマネジャー)とサイード・パシャ氏(プリンシパルネットワークエンジニア)は、攻撃トラフィックの発生源は約7万に上り、アジア太平洋地域(APAC)の複数の国と米国から仕掛けられていたという。 攻撃の詳細  UDPリフレクション攻撃は10分以上続き、数秒間で急増する短期バーストを3回伴っていた。そのピークは1回目が2.4Tbps、2回目が0.55Tbps、3回目が1.7Tbpsだった。 「Azureの『DDoS Protection』はDDoS検知および緩和の分散型パイプラインに構築されており、数十Tbit規模のDDoS攻撃を吸収できる。この緩和能力を拡大してDDoSを吸収し、ユーザーに必要な保護を提供する」 今回の攻撃はAzureのDDoSコントロールプレーンによって適切に緩和された。リソースは攻撃の発生源に物理的に近い場所に動的に割り当てられた。これにより、悪意のあるトラフィックが顧客のリージョンに到達することはなかった。トラフィック量がベースラインから大きく逸脱していることが検知されるとこのロジックが起動し、数秒で巻き添え被害が緩和および防止される。 「クラウドでもオンプレミスでも、インターネットに接するワークロードはDDoS攻撃には脆弱(ぜいじゃく)だ。Azureのグローバル規模の吸収と高度な緩和ロジックにより、ユーザーは影響を受けることもダウンタイムが生じることもなかった」 ImmuniWebの創設者で、欧州刑事警察機構(Europol)の「Data Protection Experts Network」のメンバーでもあるイリア・コロチェンコ氏によると、今回の攻撃は大手パブリッククラウドプロバイダーの機能が大きなメリットになる可能性の優れた実例になるという。 コロチェンコ氏は英Computer Weeklyのインタビューに次のようにコメントしている。「クラウドベースのDDoS対策ソリューションによって保護されるとしても、オンプレミスに侵入する恐れをなくすわけではない。DDoS対策ベンダーがDDoS攻撃を受けたとき、他の顧客に悪影響を及ぼさないようにするために顧客の一部を見捨てた例を目の当たりにしたことがある」 「主要プロバイダーのパブリッククラウド、特に『Amazon Web Services』とAzureは恐らく最も包括的で効率的なDDoS保護をユーザーに提供している。プレミアムな機能は非常に高額だ。しかし他のソリューションよりも驚くほど高いコストパフォーマンスを実現する」 パブリッククラウドにデータを移行しない理由としてサイバーセキュリティとコンプライアンスを挙げる人は多い。だが正しく構成、強化されたクラウドインフラは自動化とインシデント対応機能の向上により、全ユーザーのセキュリティも強化するとコロチェンコ氏は補足する。 Original Post>

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