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  • Google Cloud、仮想通貨の不正マイニングを検出する機能を発表

     Google Cloudが、クリプトジャッキングを検出する新たなセキュリティ機能を発表した。 Googleは米国時間2月7日、「Virtual Machine Threat Detection(VMTD)」のパブリックプレビュー版を「Security Command Center(SCC)」で提供開始したことを明らかにした。SCCは、セキュリティの脆弱性や構成ミスがないかスキャンして、クラウドアセットに対する脅威を検知するプラットフォームだ。 製品マネージャーのTimothy Peacock氏は、組織のクラウド移行が進むのに伴い、仮想マシン(VM)ベースのアーキテクチャーがワークロードを扱うことが多いと述べた。 クラウド環境はまた、価値のあるデータを狙うサイバー攻撃者や、仮想通貨をマイニングするマルウェアを仕掛けようとする者たちの主要な標的にもなっている。 「XMRig」のような仮想通貨マイニングツールは、合法的なプログラムだ。しかし、攻撃者によって仮想通貨マイニングツールが悪用され、クラウドシステム上で許可なく使用されるおそれがある。 クリプトジャッキングと呼ばれる攻撃では、侵害されたシステム上にマイニングツールが配置され、このツールがコンピューティングリソースを不正に使用する。Monero(XMR)を含む仮想通貨は、往々にしてこの方法でサイバー犯罪者によって採掘され、マルウェアの運営者が管理するウォレットに送られる。 Googleの最新の「Threat Horizons」レポート(PDF)によると、最近に不正アクセスを受けたインスタンスの86%は仮想通貨のマイニングに利用され、10%は他の脆弱なインスタンスのスキャンを実行するのに利用されたという。 Google Cloudで運用されているVMに対するクリプトジャッキング攻撃の脅威に対抗するため、VMTDソリューションはSCC内で「エージェントレス型メモリースキャン」を実行する。 Googleのアプローチは、感染の疑いがあるシグナルの収集をハイパーバイザー(VMを実行するソフトウエア)に指示するというものだ。VMTDは、仮想通貨マイニングを検出する手段としてスタートし、パブリックプレビュー版から正式版になる段階で、Google Cloudの他の機能と統合される予定だ。 ユーザーはSCCの設定でVMTDを有効にすることで、試用できるようになる。このサービスはオプトイン方式で、ユーザーはスキャンする範囲を選択できる。 この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。…

  • 海洋研究開発機構と鹿児島大、デジカメ撮影による海岸の写真からAIで漂着ごみの被覆面積を高精度に推定する新手法を開発

    セマンティック・セグメンテーションを用いた、海岸の写真からの海ごみ検出のイメージ図。写真に対して、ピクセル単位でのクラス分類が行われる。訓練用に2800枚、評価用に700枚の画像データを用いた(写真は山形県提供) 海洋研究開発機構と鹿児島大学は2月4日、ディープラーニングを用いた画像解析で、デジカメなどで普通に撮影された海岸の写真から、海岸の漂着ゴミを検出する手法を開発したと発表した。 海岸漂着ゴミの実態調査は世界中で行われているが、ゴミの現存量の定量化が行える、汎用性と実用性の面で優れた技術がなかった。人による調査では、経済的負担、時間的制約、さらに範囲も限定されてしまい、精度にも課題があった。ドローンや人工衛星を使う技術も開発されているが、それではコストがかかりすぎる。そこで、海洋研究開発機構の日高弥子臨時研究補助員、松岡大祐副主任研究員と、鹿児島大学の加古真一郎准教授からなる研究グループは、地上においてデジカメなどで簡易的に撮影された画像から、高精度で海洋漂着ゴミの定量化ができる技術の研究に着手した。 ここで採用されたAI技術は、セマンティック・セグメンテーションと呼ばれるもの。ディープラーニングを用いた画像解析技術で、画像内のすべてのピクセルにラベル付けを行い、ピクセルごとに、人工ゴミ、自然ゴミ、砂浜、海、空といったクラスを出力する。そのクラス特有のパターンの学習には、山形県庄内総合支庁から提供された海岸清潔度モニタリング写真3500枚が利用された。そこから正解となるラベルを作成し、AIの訓練や判断の評価を行った。 入力画像、正解ラベルおよびAIによる推定画像の例 今回の研究では、海岸漂着ゴミを検出した後の画像を、真上から見た構図に変換(射影変換)して、ゴミの被覆面積を推定することも可能であることがわかった。ドローンによる空撮画像から推定した被覆面積と比較したところ、誤差は10%程度だった。 セマンティック・セグメンテーションと射影変換による人工ごみの被覆面積推定結果。海岸漂着ごみ検出後の画像を真上から撮影した構図に射影変換することにより、海岸全体のごみの被覆面積が推定可能であることを示したもの。同手法の精度は、ドローンによる空撮から得られた正解値との比較により検証している 今後は、海岸漂着ゴミの堆積の推定や、プラスチックゴミの個数のカウントもできるように発展させるという。今回の研究から生まれた学習用データセット(The BeachLitter Dataset v2022)は、非商用の研究目的に限って公開される。汎用性の高いシステムなので、多くの人がデータを集め学習させることで、それぞれの地域特有の、目的に合ったAIの開発が可能になり、全世界で活用できるようになるとのことだ。そこで、研究グループは、アマチュア科学者をはじめ多くの人々が参加する市民科学に期待を寄せている。 Original Post>

  • NTTコミュニケーションズ、山形県との連携のもとAIで積雪状況を分析し除雪業務の効率化を目指す実証実験を開始

    NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は2月4日、山形県との連携のもと、米沢市と高畠町において、車載カメラで収集した画像データからAIで積雪状況を分析する実証実験を同日開始した。これは除雪業務の効率化を目指す実験で、積雪状況をリアルタイムに「可視化プラットフォーム」の地図上に表示する。 同実証実験はNTT Comの社内ビジネスコンテスト「DigiCom」および社内新規事業創出プログラム「BI challenge」にて創発されたビジネスアイデアで、その事業化に向けた取り組みの一環。 山形県は豪雪地帯として知られているが、なかでも米沢市と高畠町は国土交通省から「特別豪雪地帯」に指定されており、除雪の緊急度把握が特に重要な地域となっている。今回実験を行うNTTコミュニケーションズのシステムは、様々な車両の車載カメラで撮影された道路の映像をクラウドに集め、地図上にマッピングするというもので、積雪状況のリアルタイムの可視化、状況把握の効率化、緊急度に応じた除雪車の早期手配などに役立つ。 これには、NTT Comが提供するクラウド録画カメラサービス「coomonita 」(コーモニタ)」と、ネット地図サービス企業HERE Technologies(ヒアテクノロジーズ)の位置情報システム「HERE Maps API」が用いられる。AI画像分析は、東大・松尾研発のAIスタートアップACES(エーシーズ)と協力し実施する。 実証実験は、2つのステップで実施される。2月28日まで実施されるステップ1では、道路などの積雪状況の画像データを集め、個人情報をマスキングした上でリアルタイムに「可視化プラットフォーム」の地図上に画像を表示し、可視化データを自治体に提供する。2022年12月に実施予定のステップ2では、積雪状況、道路の幅、事故、道路陥没状況などをAIで画像分析し、結果を自治体に提供する。 今後は、積雪アラートなどの機能を追加すると同時に、道路の損傷検知や地域防犯など、積雪地域以外の全国にも同システムを展開を目指すとのことだ。 Original Post>

  • ソニー銀行、住宅ローン審査のオペレーションをSalesforceと連携した文書管理システムで改善

    ソニー銀行は、住宅ローン審査のオペレーションを改善し、文書管理基盤とともに2021年5月に稼働させた。新たなオペレーションでは、審査書類をソニー銀行に送付する手段を増やし、郵送、メール添付、FAXに加えて専用サイトへのアップロードを可能にした。これにともない、どの経路から来る書類でも効率的に一元管理できる仕組みとして、文書管理システムの「SPA Cloud」(ウイングアーク1stが提供)を導入した。ウイングアーク1stが2022年2月7日に発表した。  ソニー銀行は、住宅ローン審査のオペレーションを改善し、文書管理基盤とともに2021年5月に稼働させた(図1)。新たなオペレーションでは、審査書類をソニー銀行に送付する手段を増やし、郵送、メール添付、FAXに加えて、専用サイトへのアップロードを可能にした。これにともない、どの経路から来る書類でも効率的に一元管理できる仕組みとして、文書管理システムのSPA Cloudを導入した。 図1:Salesforceと連携したSPA Cloudで重要書類を一元管理するフロー(出典:ウイングアーク1st)拡大画像表示 従来は、書類受付から審査結果の告知まで3~5週間かかっていた。特に、書類の受付と確認に1~2週間がかかっており、ボトルネックになっていた。これを改善するため、顧客が書類をアップロードして提出する方法を追加した。書類の受付や確認を含め、書類の管理に要する時間を短くすることによって、書類受付から審査結果の告知までを早期化した。 ソニー銀行は、顧客管理にSalesforce.comのExperience CloudとService Cloudを活用している。SPA Cloudでは、Salesforceで管理している顧客情報と書類を紐づけて管理する。これにより、各経路から送られてくる書類を、SPA Cloudを介してSalesforceの画面から確認できるようにした。また、SPA Cloudでは、住宅ローン関連の書類だけでなく、過去20年分の顧客関連書類のデータを一元的に管理している。これにより、数百万個のフォルダから対象フォルダを4秒程度で検索可能になった。 なお、アップロードは、ソニー銀行から顧客にExperience CloudのIDとパスワードをメールで送り、顧客にファイルをアップロードしてもらう。メールで受け取った際には、Service Cloudで検索した顧客フォルダにドラッグ&ドロップで格納可能である。郵送で受け取った書類は、顧客のQRコードが付いた表紙を出力して書類と一緒にスキャンするという工夫によって、顧客ごとのSPA Cloudフォルダに自動的に格納する。 今後は、紙の書類のスキャン作業にAI-OCR(光学文字認識)などを活用することにより、書類の振り分けを自動化させる予定である。 Original Post>

  • カレンダーアプリ「Fantastical」がプライバシーファーストのミーティングスケジュールのリンク共有を可能に

    人気のカレンダーアプリ、Fantastical(ファンタスティカル)の開発元であるFlexibits(フレクシビッツ)は、スケジューリングを便利にする新機能をいくつか追加した。この分野は、Calendly(カレンドリー)が支配しているようだが、Flaxbitsはアプリの「Opening(オープニング)」機能を、プライバシーファーストのスケジューリング機能だと強調している。そして、もちろん新機能はFantasticalに直接組み込まれ、別のツールやサービス、サブスクリプションなどは不要だ。

  • 理研ら国際共同研究チーム、医療ビッグデータとコンピューター科学を活用し卵巣がんの新しい治療標的を特定

    高異型度漿液性卵巣がんにおけるLKB1-MARK3経路の機能異常 理化学研究所(理研)は2月7日、医療ビッグデータとコンピューター科学の活用により、卵巣がんの新しい治療標的「LKB1-MARK3経路」を特定したと発表した。卵巣がんの中でもっとも死亡者数の70から80%を占める「高異型度漿液性卵巣がん」の新しい治療法の開発につながると期待されている。 これは、理研、国立がん研究センター研究所、国立がん研究センター中央病院、東京大学、米メモリアルスローンケタリングがんセンター、米国立がん研究所の国際共同研究によるもの。 高異型度漿液性卵巣がんの研究では、ゲノム解析の結果、ほぼ全例にがん抑制遺伝子TP53の不活性化型変異が認められている。その症例の半数にはPARP阻害剤が有効な治療法とされるが、残りの半数の症例への治療標的が十分には確立されていなかった。しかし、個別の遺伝子変異に注目した従来型の研究手法では、これ以上新しい治療標的を発見できない可能性がある。そう感じた研究グループは、様々なアルゴリズムを用いてコンピューター解析を行う「ビッグデータ解析」による、遺伝子発現量の変化を定量的に評価する必要があると考えた。 研究グループは、高異型度漿液性卵巣がんのがん組織と正常卵巣組織の遺伝子発現量を比較解析するために、大規模なマイクロアレイデータ、RNA-seqデータ、臨床情報などが含まれる複数データベースの統合解析を行い、遺伝子発現変化が臨床予後に影響する遺伝子を抽出するために、新しい解析プラットフォームを構築。これにより、「LKB1-MARK3経路」のMARK3遺伝子が高異型度漿液性卵巣がんで発現抑制されており、その遺伝子発現量の低下が臨床予後の悪化に関わることがわかったという。 医療ビックデータ解析による新規治療標的の探索パイプラインと解析結果 次に、ビックデータ解析の結果を臨床医学的に検証するために、高異型度漿液性卵巣がんの正常組織(卵管上皮細胞)と前がん病変(上皮内がん)、浸潤がんの患者由来検体を用いて、「セリンスレオニンキナーゼ(serine-threonine kinase)をコードするがん抑制遺伝子」であるLKB1と、「LKB1によって直接的にリン酸化修飾を受けるセリンスレオニンキナーゼ」であるMARK3のタンパク質発現量を評価した。 その結果、LKB1とMARK3からなる「LKB1-MARK3経路」のMARK3遺伝子が高異型度漿液性卵巣がんで発現抑制されており、その遺伝子発現量の低下が病状の悪化に関わっていることがわかった。さらにその後の解析により、MARK3は卵巣がん細胞株において抗腫瘍効果を発揮することもわかった。これは、マウスの皮下組織にMARK3を強制発現させた卵巣がん細胞株を移植する実験でも、明らかとなった。 卵巣がん組織におけるLKB1とMARK3のタンパク質発現プロファイル 今回の研究は、理化学研究所革新知能統合研究センターの情報科学技術を用いて、「医療ビッグデータを解析し、従来の医学研究手法でその結果を検証した」ものであり、その成果は「がん研究においても情報科学と医学が融合した学際的な研究手法が重要であることを示しています」と研究グループは話している。このビッグデータ解析手法は、異なるがん種や疾患の原因探索にも応用できる可能性があるとのことだ。 Original Post>

  • グーグルがGoogleアシスタントやGoogle One、Google Fiなどに新セキュリティ機能を追加

    Google(グーグル)は米国時間2月8日、Safer Internet Day(セーファーインターネットデー、SID)に合わせて、Googleアシスタント、Google Fi、Google Oneを含むさまざまなアプリやサービスの新機能とともに、安全なオンライン体験に関する情報提供の拡大を目的としたパートナーシップを発表した。特に、教育系非営利団体であるKhan Academy(カーンアカデミー)に500万ドル(約5億8000万円)を寄付し、無料のオンラインセーフティレッスン開発を委託するとのこと。また、Googleは非営利の政策・政治団体と協力して「Campaign Security Project(キャンペーンセキュリティプロジェクト)」という新しい取り組みを行っている。このプロジェクトは、2022年の米国中間選挙に向けて、選挙の候補者やキャンペーン担当者にオンラインセキュリティに関するトレーニングを行うことを目的としている。 後者のプロジェクトのパートナー団体には、Veterans Campaign、Collective Future、Women’s Public Leadership Network、LGBTQ Victory Institute、Center for American Ideas、サンフランシスコ大学、Emerge、Latino Victoryなどが含まれている。米国外でも、Googleは国際選挙制度財団(International Foundation for…

  • 【コラム】DAOに未来を任せられるか?今のところは無理だ

    Coinbaseといった暗号資産取引所が、伝統的経済体制の支持者の目を暗号資産が提供する利益に目を向けさせるようになったのは、つい昨日のことのようである。 暗号資産などの分散型テクノロジーは、信頼を確立するための自動化された方法を提供することにより本当の社会的価値を生み出すことを約束するアプリケーションを生み出してきた。しかも、このアプリケーションは信頼を独占してきた従来の介在者(銀行や政府)によるサービスよりずっとコストがかからない。 前向きな思考の持ち主たちは、分散型テクノロジー革命に基づき、次なる大きなブレイクスルー、自律分散型組織について議論している。これは組織レベルでの信頼を保証できる可能性のあるテクノロジーである。しかし、DAOによる問題解決が現実的なものである一方、DAOの支持者はこれらの問題の性質を誤解し、利益よりも害をもたらすツールを提供しているのではないか。 分散型アプリケーションは、スマートコントラクトと呼ばれる、あらかじめ定められた条件が満たされた時に実行されるアルゴリズムで成り立っており、そのようにすることで一般的な意思決定を自動化する。スマートコントラクトは予測性を保証することで信頼を確立しており、あらかじめ定められた一連の動きが発生すると、トークンで支払いが行われる。 こうしたやり方を熱心に支持する人々は、DAOを信頼構築プロセスの次なるステップとみなしている。彼らは、一連のスマートコントラクトを統合して、彼らがスマートな「組織」と呼ぶものを作り出そうとしている。そこでは在庫管理、現金管理、価格設定といった事業上の決定や雇用さえも、あらかじめ定められたインプットを元に行われる。 極端な例として、Amazonのサードパーティセラーについて考えてみよう。このセラーは、さまざまな商品に対する関心のレベル、さまざまな施設での原料や生産コスト、配送コストといった一連のシンプルなインプットに基づいて事業を運営している。これらのあらかじめ定められたインプットをベースにすると、投資家にとって価値は、非常にシンプルに判断できるものであり、DAOはマネージャーが間違った、または自分の利益に基づく判断をする可能性を排除する。 事業者は、投資家の視点から見ると最適ではない意思決定をさまざまな理由(これはよくいっても不透明なもので、自己利益のためであることが非常に多い)でするものだ。例えば、よりコストの高いメーカーに切り替えるといった決定は、品質が低いことで製品が返品されることへの対策であるかもしれないし、あるいは、その新しいメーカーの経営者が自分のいとこだから、という理由によるかもしれない。 DAOを用いると、事業は一切人間の手を経ず運営され、すべての判断はスマートコントラクトによって行われる可能性がある。ある製品シリーズが売れなければ、生産量は自動的に削減され、価格も在庫が減るまで引き下げられるだろう。販売量が増えれば、生産量も増加する。生産コストが上がれば、それにあわせて価格も引き上げられる、といった具合である。そして、事前に定められた(そして事前に承認された)スマートコントラクトに基づき投資を決定したDAO投資家が利益を受け取ることになる。 しかし、小さな問題を解決するためにスマートコントラクトへ大きく依存すると、エッジケースと呼ばれるものの影響を受けることになる。仮に、メーカーでストライキや火災が発生したらどうなるだろう?注文を再開しても安全かどうかマネージャーが判断するよりも優れた判断をスマートコントラクトができるとは想像し難い。 これこそが、事業者がスマートコントラクトに加え従来のコントラクトを用いる理由である。現実には、ビジネスにおける関係性とういうのは、一連のスマートコントラクトで予測可能な範囲をはるかに超えて混沌として複雑な要素で成り立っている。もちろん、DAOはこうしたエッジケースの解決に社員やコンサルタントの形で人の手をかりることができるが、私が疑問に思うのは、人がスマートコントラクトが引き起こした問題を解決するのに招集されるのを快く受け入れるかどうか、ということである。 分散型ファイナンスは、定量化可能な経済的決定をより効果的に検証することで価値を生み出している。これが成功を収めてきたのは、単純な(または複雑なものでも)取り引きのための自動化信用メカニズムには、決定の利益を測定する単純な指標(経済的価値)しかいらないためである。 しかし、組織やコミュニティではいうまでもないが、取り引きにおける信用を解決するのと、関係性の中に信頼を確立するのとでは、大きな違いがある。人は取り引きから経済的価値を得るが、関係性や組織の一部であることから、また別の価値を得ている。私たちは、組織の一部であることからここが居場所であるという感覚を得、この場所の感覚から、最終的には自己感覚を得るのである。 この場所の感覚は、お互いにそしてグループ内で常に再交渉が行われている、相互関係の網から得られるものだ。そして組織的な関係においては、私たちは常に意思決定において競合する価値を常に比較検討する必要がある。「経済的な意味はないが、将来だれかが私を助けてくれることが期待できるような意思決定をすべきだろうか?」といった具合に。 Pierre Bourdieu(ピエール・ブルデュー)氏は、こうした価値の総体をフィールドと説明し、各人のフィールドはそれぞれが積み上げてきた歴史的環境や文化的環境に基づき異なるものからでき上がっていることを強調している。ブルデュー氏によると、これらの関係性をマスターするには、人はすべてに適用できるアルゴリズムではなく、彼が「ゲーム感覚」と呼ぶ直感が必要である。 このゲーム感覚は、夢想家と優れたビジネスマンを区別するものである。そして、もっと重要なことは、それが単なる良い人間と優れたマネージャーを分けるものであることだ。私にとって、DAOが欠陥のある既存のビジネス組織に取って代わることができるかを最終的に証明するには、スマートコントラクトがいつ従業員に休日を与えるのが最適がを判断できるようになることが必要だ。あなたがDeFi支持者なら、それを実現できるか努力してみて欲しい。 [原文へ] (文:Bob Greenlee、翻訳:Dragonfly) Original Post>

  • 「競争より共創」を地で行く独シーメンス、種々のデジタル施策:第29回

    2022年2月9日(水)麻生川 静男 ドイツの総合重電機メーカー、シーメンス(Siemens)。その企業スローガンは“Infinite opportunities from infinite data(無限大のデータから無限大の可能性が広がる)”である。新製品やそれに関連するトピックから、デジタル化を強力に推進するシーメンスの取り組みと根底にある戦略を紹介する。  ドイツだけでなく、欧州を代表する重電機メーカーのシーメンスがデジタル化を加速させている。その成果の一部を一気に見ていくことにしよう。 CO2排出量管理システム「SiGreen」 SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の観点から、CO2排出の削減が大命題となっている。取り組みにあたって、企業はどのぐらいCO2を排出しているのか、またそれぞれの製造行程でどれぐらい排出しているのかを正確に知る必要がある。そのためには、メーカーだけの情報では不十分で、サプライヤー、顧客、パートナーが、それぞれのCO2排出量(いわゆるカーボンフットプリント)に関するデータを交換できなければいけない。 シーメンスの「SiGreen(シーグリーン)」は、これら複数の企業にまたがって製造過程におけるCO2の実排出量に関する情報の検索、計算、情報共有を可能とするシステムである。このシステムのために、同社は分散型台帳技術(DLT:Distributed Ledger Technology)を使った業界横断型のオープンなネットワーク「Estainium」を立ち上げた。 SiGreenでは、分散型アーキテクチャの利点を生かしてハイレベルのデータ保護が保証されている。DLTと共に、暗号化された証明書を交換する仕組みにより、企業は機密情報の漏洩を心配することなく、データを交換することが可能になっている。メーカーだけでなく、関連する企業や顧客のすべてがCO2排出量データを共有することができる。 製造業マーケットプレイス「Industrial Edge」 「Industrial Edge」は、シーメンスが運営する製造業マーケットプレイスである。ここには、シーメンスのエッジアプリケーションだけでなく、Braincube、Cybus、Seio Tec、TOSIBOXなどのゲートウェイを介してサードパーティも出品できる。実際に出品されている製品としては、接続端子、ハードディスク、データ視覚化ソフト、データ解析から、デバイス監視、エネルギー管理、資産管理にまで広範である。 技術的な基盤として、Industrial…

  • SUBARU、AIモデルでエンジン部品研削加工工程の品質を保証、量産ラインで稼働開始

    SUBARUは2022年2月9日、エンジン部品であるカムシャフトの研削加工品質をAIで判定するシステムを稼働させたと発表した。同年1月末からSUBARUの群馬製作所大泉工場で運用している。全カムシャフトの品質保証をリアルタイムに実現したことで、従来の抜き取り検査による品質検査と比べて品質保証レベルが上がったとしている。なお、AIモデルは富士通と共同で開発した。AIモデルの導入に合わせて、製造現場でAIモデルを管理するための運用管理ソフトウェア「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA 現場品質AI 運用管理パッケージ」(COLMINA 現場品質AI)も導入した。  SUBARUは、エンジン部品であるカムシャフトの研削加工品質をAIで判定するシステムを稼働させた(図1)。2022年1月末からSUBARUの群馬製作所大泉工場で運用している。導入の効果として、全カムシャフトの品質をリアルタイムに保証できるようになったことにより、従来の抜き取り検査を主体とした品質検査と比べて、品質保証のレベルが上がった、としている。 図1:カムシャフトの研削加工品質をAIで判定するシステムのイメージ(出典:SUBARU、富士通)拡大画像表示 開発したAIモデルの特徴は、加工中の全カムシャフト(写真1)の品質をリアルタイムに推測する点である。研削設備に接続したセンサーから、全カムシャフトの主軸動力値や振動のセンシングデータを、エッジデバイスを介して収集する仕組み。収集したデータを基に、AIモデルで推測した品質状態が品質基準値の範囲内かどうかを判定し、設備側へフィードバックする。 写真1:カムシャフトの外観 製造現場でのAIモデルの運用を支援する仕掛けとして、運用管理ソフトウェア「COLMINA 現場品質AI」も導入した。複数の設備に組んだAIモデルを一元管理できるようにした。予測精度を維持できているかどうかを、AIモデルの推論結果と検査結果を照らし合わせて常に監視する。蓄積した予測結果からAIモデルのチューニング時期を判断し、必要に応じてAIモデルの再学習と展開を実施できる。 実運用前には実証実験も実施した。2019年12月から2020年12月にかけてAIモデルの実証を群馬製作所大泉工場で実施した。1年間の量産での研削加工工程において、AIモデルが高精度に加工品質を予測可能で、実運用でも確実な品質保証が期待できるという結果を得た。 さらに、量産運用を想定した「COLMINA 現場品質AI」の開発・実証を2020年8月から2021年12月にかけて実施した。精度維持のための定期的な確認、精度低下時のAIモデルの再学習、エッジデバイスへの再導入、などを繰り返し実施する仕組みを検証した。AIモデルを組み込んだ各種設備のデータをリアルタイムに処理する仕組みも検証した。 SUBARUと富士通は今後、今回の取り組みをリファレンスとし、カムシャフト以外の部品を含めた群馬製作所全体に横展開を推進する。 Original Post>

  • グーグル、「Workspace」の無償版「Essentials Starter」提供開始

     Googleは米国時間2月3日、個人が職場で使用できる同社の生産性スイートの無償版である「Workspace Essentials Starter」をリリースしたと発表した。これは、同社の生産性ツールを日々の生活の中で個人的に使用しており、職場のレガシーなテクノロジーを使わずに済ませたいと考えている膨大な数のコンシューマーに向けた製品だ。 提供:Google Essentials Starterでは、「Docs」や「Sheets」「Slides」「Drive」「Meet」といったGoogleの人気ツールを利用できるが、「Gmail」アカウントへのアクセスは含まれていない。ユーザーはその代わり、会社から与えられている電子メールアドレスを用いてサインアップする。こうしたアカウントがいったん確認されれば、ユーザーはすぐにEssentials Starterを使用し、コラボレーションに向けて他の人々を招待できるようになる。 またユーザーは、ファイル形式を変換することなく、既存のツールを用いて作業できる。「Microsoft Office」ドキュメントやPDFを含む100種以上のファイルの保存や共有、編集が可能となっている。さらにEssentials Starterはファイルの暗号化やセキュアなアクセスを提供する。 「Google Workspace」のマーケティング担当バイスプレジデントであるKelly Waldher氏は米ZDNetに対して、「従業員が大局的な観点から、自らどう働きたいのかや、誰のために働きたいのかという決定を下す時期に(この新製品を)投入する」と述べ、「われわれは、この新製品を提供することで、従業員らが自らにとって最適な意思決定を下せるよう支援し続ける」と続けた。 さらに、これは「モダンなコラボレーションツールセットを採用し、現在のハイブリッドな作業環境を念頭に置いて開発されていないレガシーなテクノロジースタックを使い続ける必要がない」ことを意味していると同氏は続けた。 Google Workspaceは大半のデジタルコミュニケーション/コラボレーションツールと同様、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによって拡大してきたリモートワークやハイブリッドワークというトレンドの恩恵を受けている。Waldher氏は、ビデオ会議ツールの「Google Meet」が過去2年間で特に大きく伸びてきていると付け加えた。 このパンデミックによってビデオ会議ツールに対する関心が高まったことを受け、GoogleはMeetに対して多大な投資を実施した。また同社は、生産性向上ツールのラインアップを全面的に刷新し、2020年10月には「G Suite」として知られていたツール群をWorkspaceという名称にリブランディングした。 2月1日に開催された第4四半期決算(10~12月期)発表後の電話会議において、GoogleはWorkspaceの売上高の成長について、シート数と1シートあたりの平均売上高の双方が堅調に伸びたことによるものだと説明した。 この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

  • DeepMindのAI「AlphaCode」は競技プログラミングレベルのコードを書ける

    DeepMind(ディープマインド)は、任意の問題を解決するためにコードを書くことができるAIを開発した。このAIはコーディングチャレンジに参加し、中間あたりの成績を収めたことで実証されている。まだソフトウェアエンジニアの仕事を奪うまでには至っていないが、基本的な作業の自動化に役立つ可能性がある。 Alphabet(アルファベット)の子会社であるDeepMindのチームは、できる限り多くの形で知能を創造することを目指しており、最近ではもちろん、多くの優秀な頭脳が取り組んでいる作業としてコーディングが挙げられる。コードは、言語、論理、問題解決の融合であり、コンピュータの能力に自然に適合すると同時に、難題でもある。 もちろん、このような試みは初めてではない。OpenAIには独自の自然言語コーディングプロジェクト「Codex」があり、GitHub Copilotと、Microsoftが提供する、GPT-3にコードを完成させるテストの両方を支えている。 関連記事:OpenAIが自然言語AIコーダーのCodexをアップグレード、プライベートベータを開始 DeepMindの論文では、競技プログラミングを狙う理由を説明する中で、フレンドリーながらも競争相手を遠回しに侮辱している。 近年の大規模な言語モデルは、コード生成能力に優れており、簡単なプログラミングタスクをこなすことができるようになってきた。しかし、これらのモデルは、単に命令をコードに変換するだけでなく、問題解決能力を必要とする、より複雑で見たことがない問題で評価すると、いまだに性能が低い。 それについてOpenAIは言いたいことがあるかもしれないが(そして、同社の次の論文ではこの点についての反論が期待できるだろう)、研究者たちが指摘するように、競技プログラミングの問題は一般的に、既存のコードAIには見られないレベルの解釈と創意工夫の組み合わせを必要とする。 DeepMindは、この分野に挑戦するために、GitHubの厳選されたライブラリと、コーディング問題とその解決策のコレクションを使って、新しいモデルをトレーニングした。言葉にすると簡単に聞こえるが、些細なことではない。完成したモデルを、この種のコンテストを主催するCodeforcesが最近開催した(言うまでもなく、AIはそれ以前に見ていない)10のコンテストに投入した。 その結果、50パーセンタイルを少し超える中位の成績を収めた。人間であれば中途半端な成績かもしれないが(決して簡単ではない)、機械学習(ML)モデルの最初の試みとしては、かなり注目に値する。 CodeforcesのMike Mirzayanov(マイク・ミルザヤノフ)CEOはこう述べている。「AlphaCodeの成績は、私の期待を超えていたと断言できます。なぜなら、競技プログラミングでは単純な問題であっても、アルゴリズムを実装するだけでなく、それを発明することも求められることが多いので(これが一番難しい)、半信半疑でした。AlphaCodeは、新人の有望なコンペティターと同レベルの性能を発揮してのけました」。 AlphaCodeが解決した課題とそのソリューションの一例は以下の通り。 画像クレジット:DeepMind (DeepMindへのメモ:SVGはこのような図には厄介なフォーマットだ。) ご覧のとおり、これは賢いソリューションだが、エンタープライズ向けSaaS級のものではない。心配無用、それはもっと先の話だ。今は、このモデルが複雑に書かれた課題を一度に解析して理解し、ほとんどの場合、首尾一貫した実行可能な回答を生み出すことができると示すだけで十分だ。 DeepMindチームはこう書いている。「コード生成に関する私たちの探求には改善の余地が大きく残されており、将来はプログラマーの生産性を向上させ、現在コードを書いていない人々にもこの分野を開くことができるような、よりエキサイティングなアイデアを示唆しています」。最後の部分は、筆者に当てはまる。もしAlphaCodeがCSSでレスポンシブレイアウトを変更できるなら、私よりもよほど優れている。 こちらのデモサイトでは、AlphaCodeがどのように構築されたのか、また、さまざまな問題に対するAlphaCodeの解決策をより詳しく見ることができる。 画像クレジット:Krisztian Bocsi/Bloomberg / Getty Images…