オラクル、「Oracle Cloud Infrastructure AI」を発表、学習済みモデルやアノテーション機能を提供

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日本オラクル、Oracle Cloud AIサービスを発表、各種の学習済みモデルやアノテーション機能を提供

日本オラクルは2021年11月22日、AIクラウドサービス「Oracle Cloud Infrastructure AI」(OCI AI)を発表した。Oracle Cloud上で利用できるAIサービスである。画像処理や言語処理といった用途に使える学習済みの各種AIモデルをサービスとして提供するほか、学習用のラベル付きデータセットの作成を支援する機能などを提供する。アプリケーション開発者は、データサイエンスの専門知識がなくてもAIを簡単に活用できるとしている。米Oracleが2021年11月3日に発表したプレスリリースの抄訳として発表した。

 Oracle Cloud Infrastructure AI(OCI AI)は、Oracle Cloud上で利用できるAIサービスである。画像処理や言語処理といった用途に使える学習済みの各種AIモデルをサービスとして提供するほか、学習用のラベル付きデータセットの作成を支援する機能などを提供する。アプリケーション開発者は、データサイエンスの専門知識がなくてもAIを簡単に活用できるとしている。米Oracleは、OCI AIを「Oracle AI」(AI、マシンラーニング、データサイエンスの製品群)の中核として位置付けている。

OCI AIで提供する主なサービスは、以下の通り。

  • OCI Language
    テキストデータを分析するAI機能である。文書、顧客とのやり取り、サポートチケット、ソーシャルメディアなどの非構造化テキストを対象に、センチメント分析、キーフレーズの抽出、テキスト分類、固有表現抽出などの機能をアプリケーションに組み込める。テキストを分析するための、事前に学習済みのAIモデルを組み込んでいる。
  • OCI Speech
    リアルタイムで音声を認識する機能である。数千人のネイティブ言語スピーカーと非ネイティブ言語スピーカーを対象に学習したAIモデルを用いている。音声データファイルをテキストに変換できる。コンテンツのインデックス作成やオーディオ/ビデオの分析などに利用できる。
  • OCI Vision
    画像認識機能とOCR機能である。事前に学習済みのAIモデルを提供する。製造における視覚的な異常を検出したり、業務を自動化するためにフォームからテキストを抽出したり、画像内の製品数や出荷件数を数えたりできる。
  • OCI Anomaly Detection
    異常を検出する機能である。危機的な不規則性を早期にフラグ付けできる。数種類のプログラミング言語で利用できるライブラリやREST APIを提供する。MSET2アルゴリズムをベースに構築しており、不正検出、機器の故障の予測、複数のデバイスからのデータの受信による障害予測などに使える。
  • OCI Forecasting
    マシンラーニング(機械学習)と統計アルゴリズムによる時系列予測機能を提供する。製品需要、収益、リソース要件などを予測できる。これらの予測は、ビジネス上の意思決定を行えるように、信頼区間と説明可能性を持っている。
  • OCI Data Labeling
    学習によってAIモデルを作成するための事前準備として、学習用のラベル付きデータセットを構築できるようにユーザーを支援する。UIや公開APIを介して、データの組み立て、データセットの作成と閲覧、データレコードへのラベルの適用を行える。作成したラベル付きデータセットは、OCI VisionやOCI Data ScienceなどのオラクルのAIサービスでのモデル開発に利用できる。