もうかる企業こそ「共感力」を重視する“納得の理由”

共感は、カスタマーエクスペリエンス(CX:顧客経験価値)向上の基盤となる要素だ。一般的にCXを高めるために共感が必要であることは、企業のCX担当者にとって当然だが、それ以外の従業員が共感の重要性を知るにはトレーニングが必要な場合がある。  

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企業が自社製品の顧客に対して「お客さまとのやりとりを通して得た経験を理解しています」と示すと、顧客はその企業とのつながりをより強く、感情的に感じる可能性がある。企業が優れたカスタマーサービスを提供していると顧客が知ると、顧客はその企業が提供するサービスを頻繁に利用したいと考える可能性がある。こうした工夫により企業は収益を増やし、競合企業の中で優位に立つことができる。

「共感は重要な要素だ」ということを企業の従業員全体が理解するための最初のステップは、各従業員が共感の意味を理解することだ。

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共感力が企業に不可欠な“あの理由”

 共感とは、他人の感情を感知し、他人が考えていることや感じていることを想像する能力だ。他人の立場を理解することが共感であり、必ずしも他人の立場に同意するものではない。

 カスタマーサービスの担当者や組織の代表者が高い共感性を発揮すると、顧客満足度や顧客の企業への愛着が増し、売り上げや利益も増加する可能性がある。米誌Harvard Business Reviewが2015年に発表した調査 によると、企業の共感力ランキング「Global Empathy Index」2015年版にランクインした160社のうち 、最も高い共感を示す上位10社の純利益 は、下位10社より50%多かった。Global Empathy Indexは、コンサルティング会社Lady Geek(現Empathy Business)が年次で発表するランキングだ。

 企業は共感を示す声明を発表するだけでは十分ではない。顧客の状況や感情、動機を認識し、理解していると顧客に印象付けることが重要だ。

 一貫して共感を示さない、または顧客の立場に立たない企業は、他社に顧客を奪われるリスクがある。管理職が共感の重要性を認識し、それを従業員文化に反映することが重要だ。管理職が共感の重要性を積極的に理解せずにCX向上をしようとした場合、顧客満足度スコアだけに焦点を当てる事業運営になり、問題の根本的な原因を特定することが困難になる。