仮想オフィスや没入型ワークスペースへの期待が高まる─ガートナーの国内UXハイプサイクル

https://it.impress.co.jp/articles/-/22373

ガートナージャパンは2021年11月25日、「日本におけるユーザー・エクスペリエンスのハイプ・サイクル:2021年」を発表した。ユーザー体験の向上に関係する主要なテクノロジを27個取り上げている。VR(仮想現実)は幻滅期の底を越えて普及へと向かっている。仮想オフィスや没入型ワークスペースは黎明期に位置しており、期待が高まっていている。

 ガートナーのハイプサイクルは、テクノロジやサービス、関連する概念、手法などの認知度や成熟度などを視覚的に示したものである。「日本におけるユーザー・エクスペリエンスのハイプ・サイクル:2021年」は、ユーザー体験の向上に関係する主要なテクノロジを取り上げている。以下の4つの領域から合計で27個のテクノロジをプロットした(図1)。

  1. ユーザー・インタラクションに関するテクノロジ(AR:拡張現実、VR:仮想現実、MR:複合現実、スマート・スピーカーなど)
  2. 自律行動型のデバイスに関するテクノロジ(スマート・ロボット、次世代ドローンなど)
  3. デバイスやエンドポイント向けのワイヤレス通信(Wi-Fi、5Gなど)
  4. 知覚や嗅覚など人を代替、あるいは拡張するための未来型テクノロジ(五感センサー、ライブ顔認証、双方向ブレイン・マシン・インタフェースなど)
図1:「日本におけるユーザー・エクスペリエンスのハイプ・サイクル:2021年」(出典:ガートナージャパン)
図1:「日本におけるユーザー・エクスペリエンスのハイプ・サイクル:2021年」(出典:ガートナージャパン)
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ハイプサイクルでは、VR(仮想現実)が幻滅期の底を越えて普及へと向かっている。仮想オフィスや没入型ワークスペースは黎明期に位置しており、期待が高まっていている。過度な期待のピーク期には、スマートワークスペース、Wi-Fi 6/802.11ax、MR(複合現実)などをプロットしている。5GやDaaS(仮想デスクトップサービス)は過度な期待のピーク期を過ぎて幻滅期に入っている。

ガートナーによると、2021年現在、従来の従業員向けテクノロジが成熟する一方で、デジタル変革を推進するテクノロジに過度な期待が寄せられ、ハイプ(過熱)状態になっている。また、ユーザーIT環境は「テクノロジ・ドリブン型」から「ユーザー・セントリック型」への変換が起こっている。人にとって使いやすく心地よいテクノロジの重要性が増している。