PC上のDBサーバーでSQLスキルを上げよ ひとり情シスでもサーバースペシャリストを目指せ!

Linux、Webシステム開発言語、Active Directoryなども大いに役に立ちましたが、ベスト3のスキルセットは、ひとり情シスを将来にわたって安定的に運営するための土台となっており、今も色あせることなくひとり情シスとしての価値を高めてくれています。これらのスキルは、昨今のコロナ禍で不透明な将来でも、社外価値を高めてくれるスキルといえるでしょう。

 ITの知識は多ければ多いほど仕事がやりやすくなることは間違いありません。しかし、時間には限りがあります。特に守備範囲が広いひとり情シスは、多忙な中でも即戦力を求められるため、限られた時間の中で効率よく学んで成果につなげる必要があります。

 ベスト3の技術には、次の役割を期待しています。仮想化技術で手足となる仮想マシンを簡単に調達できて、EXCELマクロで迅速に効率化・自動化を行い、SQL・DBで社内のデータを集約して活用につなげることです。これらのスキルは、いずれも長期にわたって役に立つ汎用的なスキルです。特に、仮想化技術やSQL・DBのスキルは、私がひとり情シスとしてのキャリアパスを描くときの助けとなった技術でした。

 そこで今回は、仮想化技術やSQL・DBなどのサーバー系技術を効率よく学んで仕事に活用し、サーバースペシャリストとして新たなキャリアパスを描くためにはどうしたらよいかを考えてみます。

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ひとり情シスはなぜサーバーなのか、DBなのか

 まず、ITをシンプルに考えてみましょう。ITとはデータの保管と共有と活用であり、それらをコンピュータで実現しているだけです。つまり、企業システムやインフラは、重要なデータを安全に活用しやすくするための手段といえます。経営者はデータに基づいて経営をしているため、情シスは本来、データを活用した経営判断のサポート役を期待されています。そのように考えると、いつまでもPCサポートや現場対応だけに時間を費やしているだけでは、情シスとしての評価が得られにくいことがわかるでしょう。

 ひとり情シスは仕事の範囲が広く、一人であるがゆえに、キャリアパスをイメージしにくいかもしれません。また、ひとり情シスもたいていはどこかの組織に所属することになりますが、残念ながらそこにはひとり情シスのキャリアパスも居場所もありません。つまり、自分の居場所やキャリアパスを自分で作らないと、単なる雑用係から脱することはできないということです。これは、私自身がスタッフ部門を転々と居候したときに感じたことでもあります。

 私が、サーバーやDBにシフトしようと思った理由の一つに、技術の賞味期限が比較的長いことが挙げられます。ITの進化は早いといわれていますが、進化の流れの速さは技術によって異なります。具体的にいうと、サーバーやネットワークなどの技術の流れは比較的遅く、一方、ユーザーに近いPC系やサービス側の流れは速いです。物理サーバー、OS、ミドル、アプリ、サービスの順に流れが速くなっていきます。流れが速いということは、知識の陳腐化も早く、競争が激しい分野であることを意味します。

 ひとり情シスにとっては、サービス系のような華やかでアピールしやすい技術よりも、DBのような長期的に負荷を下げて広範囲の仕事に役立つ技術が重要になります。だからといって、PC管理を放棄してサーバーにシフトすればよいわけではありません。社員がPCでネットワークにつながるからこそサーバーに価値が生まれるのです。そのため、PCの統制・管理には関わる必要があります。

 しかし、それに伴う単純作業やサポート業務まで一人で抱えていては、価値のある仕事にシフトする余裕は生まれません。最近は、購入・キッティングから廃棄までの運用管理を、PCメーカーに一貫してお任せできるサブスクリプションサービスなども出てきています。このようなサービスを利用することで、特に規模がそれほど大きくない環境では、PCサポートを受けてくれる委託先探しの苦労から解放されるかもしれません。

 ベスト3の汎用的なスキルセットが身に着けば、もし上司や経営者から理解や評価が得られなかったとしても、社外を含めた広い範囲でのキャリアパスを描けばよいだけです。景気低迷下のIT人材不足の中では、広範囲に問題解決できるIT人材は、特にユーザー企業で重宝されるでしょう。定年後も働く時代になってきたこともあり、賞味期限の長い技術と経験を得ることは、ひとり情シスのエンジニア人生にとって大切なことです。

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SQLやDBを効率的に学ぶ方法

 ここでは、SQLやDBを効率よく学ぶためのヒントを出したいと思います。

 お客様からお金をいただいて開発するとなると、それなりのレベルと経験が必要になります。しかし、社内の課題解決や自分の業務の効率化・自動化をする程度であれば、ある程度の技術知識さえあれあれば対応が可能です。また、他のプログラミング言語と異なり、SQLは単独で結果を得られ、技術者以外でも理解しやすいため、学ぶハードルが低い言語であるといえます。

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