日立、運用作業をコード化する新サービス「JP1 Cloud Service/Operations Integration」

日立製作所は2022年1月24日、システム運用管理ソフトウェア「JP1」および「JP1 Cloud Service」を強化したと発表した。JP1においては、ジョブ管理機能のAzure連携などを強化した新版「V12.6」を同年1月31日から提供する。JP1 Cloud Serviceにおいては、運用作業をコード化する新サービス「JP1 Cloud Service/Operations Integration」(Ops I)を同年3月31日から販売する。

 JP1とJP1 Cloud Serviceは、システム運用管理ソフトウェア製品群である(関連記事日立、システム運用管理の新版「JP1 V12.5」、障害対応時の対処案を提示して属人性を排除)。JP1ブランドの下、用途に応じて多数の運用管理ソフトウェアを用意している。クラウド版のJP1 Cloud Serviceでは、JP1を構成するソフトウェア製品のうち、システム監視(JP1/IM2)とジョブスケジューラ(JP1/AJS3)という2つの中核製品をSaaS型で提供している。

今回、JP1を新版「V12.6」とした。ジョブスケジューラ機能(JP1/AJS3)において、AWS上のサービスに加えて新たにAzure上のサービスとの連携機能を追加した。これにより、マルチクラウド/ハイブリッドクラウド環境をまたがった一連のジョブを自動で実行しやすくなった。価格(税別、以下同)は、JP1/AJS3のマネージャ機能が27万円から、エージェントは5万円から。

今回、クラウド版のJP1 Cloud Serviceも強化し、運用作業をコード化して実行・管理・再利用する新サービス「JP1 Cloud Service/Operations Integration」(Ops I)を追加した(図1)。これまでシステムごとの運用計画書や手順書などをもとに人手に依存して行ってきた運用作業を、各システムで再利用可能な形で標準化する。

図1:運用作業をコード化する新サービス「JP1 Cloud Service/Operations Integration」の概要(出典:日立製作所)
図1:運用作業をコード化する新サービス「JP1 Cloud Service/Operations Integration」の概要(出典:日立製作所)
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Ops Iを用いて、サービスデスクや監視、定期メンテナンス、セキュリティ対応といった運用作業をシステム間で標準化する。具体的には、運用作業の審査承認フローや作業内容などを、使いやすい単位に分けてコード化する。この上で、バックアップなどの定常運用に合わせた運用シナリオや、障害対応などの随時運用の項目に合わせた運用シナリオとして管理する。

運用シナリオには、JP1のノウハウをもとに日立製作所が検証したベストプラクティスを標準で搭載している。運用シナリオのカスタマイズや新規作成も可能。運用要員のスキルや作業スケジュールを管理する機能も搭載しているため、スキルや作業進捗状況に合わせた適切な作業をアサインするなど、システム間での要員の共有も可能である。

運用作業が各種業界規格に準拠していることの確認や、運用監査対応のための証跡の管理といった、運用ガバナンスの管理機能も搭載している。運用作業と規格との対応付けや、企業固有の運用ポリシーを管理し、必要な作業が実施されているかの状況を可視化する。監査証跡の自動収集も可能である。

インフラ構築をコード化するAnsibleやTerraformと連携するほか、各種の外部サービス(REST API)と連携する。例えば、導入済みのITサービス管理ツールと連携して運用作業を統合したり、APM(アプリケーション性能管理)ツールと連携して動的にシステム構成や運用を変更したりできる。帳票管理ツールと連携すると、各帳票が適切に記入されているかを点検した記入済みチェックリストをOps Iに取り込んで監査証跡として活用する、といった使い方も可能である。

Ops Iの価格は、通常版の「プロフェッショナル版」が月額41万5000円から、スモールスタートで始められる「スターター版」が月額24万円から、プロフェッショナル版と同等の機能をマルチリージョン構成(HA構成)で利用できる「ディザスタリカバリー版」が個別見積もり。なお、スターター版とディザスタリカバリー版は、2022年6月30日に販売を開始する。

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