LinkedInが予測する2026年の急成長職種–AIエンジニアが首位、戦略的AI職種の需要が急増

 昨今、生成AIが大きな注目を集めている。これに伴い、雇用主が適切なAIスキルを備えた専門家を求めるのは、必然の流れといえる。この需要は、AIデータを扱う必要がある営業やマーケティングなどのビジネス部門の担当者から、必要なAIツールやシステムを設計・構築する開発者やエンジニアまで、幅広い職種に及んでいる。

LinkedInは米国時間1月7日、米国で最も需要が高まる職種を分析した最新レポート「LinkedIn Jobs on the Rise 2026: The 25 fastest-growing roles in the US」を発表した。同リストは多様な職業を網羅しているが、トップ10には複数のAI関連職種がランクインしている。同レポートが明らかにした、急成長する職種の実態について紹介する。

AIエンジニア

第1位はAIエンジニアで、機械学習(ML)エンジニアとも呼ばれる職種である。この職務では、通常は人間が対応すべき意思決定や問題解決能力を要する複雑な課題に対し、それらを解決するためのAIモデルの開発や構築を担う。

主な必要スキルには「LangChain」や検索拡張生成(RAG)、さらに「PyTorch」などのプログラミング言語や技術が挙げられる。AIエンジニアの需要が特に高い業界は、テクノロジー/インターネット、ITサービス/コンサルティング、ビジネスコンサルティング/サービスの分野だ。求人の多くは、サンフランシスコ、ニューヨーク、ダラスといった都市に集中している。

採用に当たっては平均して3.7年の実務経験が必要とされる。AIエンジニアへの転職者における前職は、ソフトウェアエンジニア、データサイエンティスト、フルスタックエンジニアが一般的だ。働き方の柔軟性も高く、常時オフィス勤務を避けたい層にとって、26%のリモートワークや27%のハイブリッド勤務が選択肢となっている。

AIコンサルタント/ストラテジスト

第2位はAIコンサルタント/ストラテジストである。この職種は、企業の全体的な業務改善や特定のビジネス目標の達成に向け、AI技術の導入計画の立案から実装までを支援する役割を担う。主な必要スキルとしては、大規模言語モデル(LLM)や「MLOps」、コンピュータービジョンなどが挙げられる。

こうした専門家を必要とする業界は、テクノロジーおよびインターネット、ITサービス/ITコンサルティング、ビジネスコンサルティング/サービスの分野が中心となっている。求人が最も多い都市は、サンフランシスコ、ニューヨーク、ボストンである。

採用条件として8.2年という豊富な実務経験が求められる点が特徴だ。この分野へは、起業家やソフトウェアエンジニア、プロダクトマネージャーなどの職種から転身するケースが多い。柔軟な働き方も普及しており、求人の30%がリモート勤務、33%がハイブリッド勤務となっている。

データアノテーター

第4位はデータアノテーター、またはコンテンツアナリストである。この分野の専門家は、特定のガイドラインと品質チェックに基づき、データの確認とラベル付け作業を担う。その目的は、AIや機械学習モデルの訓練に使用されるデータセットの正確性を担保することにある。

一般的に求められるスキルには、検索エンジン最適化(SEO)ライティングやコンテンツマーケティング、コンテンツ制作が含まれる。データアノテーターの需要が高い業界は、テクノロジー/インターネット、人材派遣/採用、高等教育の分野である。ただしLinkedInの分析によれば、学術機関におけるデータアノテーション業務は、主に研究助手や研究員が担当する傾向にあるという。

求人が最も多い都市は、テキサス州オースティン、ニューヨーク、サンフランシスコである。採用に当たっては約3.5年の実務経験が求められ、コンテンツマネージャーや編集者、データアナリストからの転身が目立つ。働き方については、約27%がリモート勤務、29%がハイブリッド勤務に対応している。

AI/ML研究者

第5位はAIおよびMLの研究者である。この職種では、既存システムの改善を目的とし、新たなAIモデルやアルゴリズムの設計および検証を専門とする。必要なスキルにはPyTorchや深層学習、コンピュータービジョンが挙げられ、テクノロジー/インターネット、高等教育、研究サービスの業界で特に高い需要がある。

求人はサンフランシスコ、ニューヨーク、ボストンに集中している。採用に当たっては約3年の実務経験が求められる。この分野へは、データサイエンティストやソフトウェアエンジニア、機械学習エンジニアといった技術職からの転身者が多い。柔軟な勤務形態も普及しており、16%がリモート勤務、24%がハイブリッド勤務となっている。

データセンター技術者

第17位にランクインしたのはデータセンター技術者である。データセンター内におけるコンピューターサーバーやストレージシステム、その他ハードウェアの設置、保守、トラブルシューティングを専門に担当する職種だ。主な必要スキルには、データセンターインフラ管理(DCIM)やデータセンター運用、データセンター配線技術が含まれる。

 こうした専門家を必要とする業界は、ITサービス/コンサルティング、テクノロジー/インターネット、人材派遣/採用の分野である。求人拠点の多くは、ワシントンD.C.、アトランタ、オハイオ州コロンバスに集中している。

 採用に当たっては約3.8年の実務経験が望ましいとされる。情報技術者やテクニカルサポート技術者、データセンター運用スペシャリストといった経歴を持つ人材が求められる傾向にある。勤務形態については、リモート勤務が3.6%、ハイブリッド勤務が32%にとどまっており、職務の性質上、大半はオンサイトでの勤務が想定される。

 これら5職種以外にも、テクノロジーに関連する職種が複数ランクインしている。具体的には、第7位の戦略アドバイザー/独立コンサルタント、第9位の起業家、第12位のベンチャーパートナー、第16位の事業開発エグゼクティブ、第20位の定量研究者/アナリストなどである。

このリストの作成に当たり、LinkedInは2023年1月1日~2025年7月31日に会員が投稿した数百万件の求人情報を分析した。各職種の成長率を算出することが目的であり、リスト掲載の条件として、過去数年間で成長傾向を示し、かつ直近1年間に十分な数の求人投稿がある職種を抽出している。

LinkedInは今回の発表に際し「このリストは、AIエンジニア、AIコンサルタント、データアノテーターを含む技術的、戦略的なAI職種が継続的な勢いを持っていることを示している」と述べている。加えて「創業者や独立コンサルタントの増加は、市場の不確実性への適応に伴い、自営業やギグワークへの移行が進んでいる現状を示唆するものだ」と分析している。

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