TISは2023年2月9日、「マルチクラウドインテグレーションサービス for Oracle Cloud Infrastructure & Microsoft Azure」を発表した。Oracle CloudとMicrosoft Azureという2つのパブリッククラウドサービスを組み合わせたマルチクラウド環境を構築するサービスである。Microsoft Azure上で動かしたアプリケーションからOracle Cloud上のOracle Databaseを利用する、といった使い方を想定している。コンサルティングから運用・保守までワンストップで提供する。販売目標は、2025年までに30社。
TISの「マルチクラウドインテグレーションサービス for Oracle Cloud Infrastructure & Microsoft Azure」は、Oracle CloudとMicrosoft Azureという2つのパブリッククラウドサービスを組み合わせたマルチクラウド環境を構築するサービスである(図1)。Microsoft Azure上で動かしたアプリケーションからOracle Cloud上のOracle Databaseを利用する、といった使い方を想定している。
コンサルティングから運用・保守までワンストップで提供する(表1)。まず、アセスメントとして、3つのメニュー(移行方針/ロードマップ策定、ToBeシステム構成定義、コスト試算/効果算定)で、導入移行の計画策定を支援する。PoCでは、移行/性能/運用の3つの観点で検証し、実現可能性を確認する。導入・移行では、導入・設定からクラウドへの移行、システム切り替えまでを支援する。運用・保守は24時間365日体制で実施する。
コンサルティング | アセスメント |
|
POC |
|
|
導入・移行 |
|
|
運用保守 |
|
Oracle CloudとMicrosoft Azureを組み合わせた運用は容易だとしている。まず、Oracle CloudのFastConnectとMicrosoft AzureのExpressRouteを使うことで、閉域網で相互に接続可能である。同じネットワーク内にあるかのように両者のリソースをつなげられる。また、Oracle Cloudの管理画面を操作することなく、Microsoft Azureの管理画面からOracle Cloud上のOracle Databaseの操作・監視が可能である。ユーザー管理においては、Oracle CloudにアクセスできるユーザーをAzure ADで制御可能である。
背景には、自社環境を複数のクラウドで構成するマルチクラウド化のニーズが高まっている状況がある。中でも、Microsoft Azure上で動作する業務アプリケーションからOracle Cloud上のOracle Databaseを使う需要が大きい。しかし、マルチクラウドを運用するスキルや移行後の性能面で不安を感じるユーザーも多い。こうした経緯からマルチクラウド構築支援サービスを企画した。
今後は、TISがAmazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure向けに提供しているセキュリティ監視サービスとITリスクマネジメントサービスをOracle Cloudにも拡張し、マルチクラウド構成においてもセキュリティを一元管理・監視できるサービスを提供する予定である。