Google Cloud では、ユーザーの尊重、簡潔さ、コラボレーション、柔軟性など、 Google の理念をもとに、パートナー企業とのコラボレーションを進めている。パートナー企業の成長と収益の拡大を重視し、世の中に求められているサービスの展開を目指している。
こうした施策はパートナー プログラム「Partner Advantage」として提供しており、パートナー企業の得意分野に合わせたサービスを用意。チャネル パートナー向けの「Sell」、システム インテグレーターやコンサルティング事業者向けの「Service」、SaaS や ISV 事業者向けの「Build」という 3 つのエンゲージメント モデルがある。
日本企業が目指す DX(デジタル トランスフォーメーション)実現には、あらゆる課題が立ちはだかる。課題解決のためには、SaaS や ISV 事業者が提供するサービスも進化が必要だ。多岐にわたる Google Cloud の製品だが、なかでも IaaS や PaaS といった開発の根幹を担う技術を主力製品としている。「Build パートナー」となることで、パートナー特典の無償の技術トレーニングや Google Cloud の認定資格支援プログラムを通じて、自社の人材育成ができたり、 Google Cloud のサポートを受けながらイノベーティブな技術を導入し、ビジネスを成長させていくことが叶う。
Build パートナーは「Google Cloud Marketplace」を通じて全世界に自社のソリューションを販売できる。ユーザー企業がソリューションを検索し、すぐに調達できるプラットフォームのため、Build パートナーは簡単にソリューション販売のチャネルを増やせるというメリットがある。グローバルに展開する「ISV Solution Connect」という営業連携プログラムでは、条件を満たしたパートナーは Google Cloud の営業と一緒に、顧客に対して自社ソリューションの提案が可能となる。プロモーションやイベントを共同で行うなど、マーケティングの面でのサポートも受けられる。
こうした Build パートナーの施策について今井氏は「Google Cloud だけでは顧客の課題を完全に解決することはできません。Build パートナーが作られているプロダクトやソリューションこそが課題解決には大切です。我々が培ってきたノウハウをもとに、お客様にパートナー様のソリューションとセットでご提案することで、真の DX を実現したいと考えています」と目標を語る。
Build パートナーは、自社が開発・提供するサービスに Google Cloud を採用し、プロダクト連携している。パートナー申請の際にそのプロダクト連携の内容・実績を示した資料を提出し、審査を経て Build パートナーとして認定される。
坂本氏は「審査の中で、ビジネスプランをヒアリングしたり、直接お会いしたりと、丁寧に審査して営業連携やマーケティング連携を進めさせていただいています。Google Cloud のデータ ウェアハウス製品である BigQuery と連携をしているプロダクトがここ日本でも近年増えてきています」と話す。
ISV Partner Development Manager 坂本 真紀氏
ビジネス チャネルの拡大やさまざまな連携サービスを受けられることもあり、Google Cloud の Buiid パートナーは今年、さらに増加傾向にある。分野を問わないプロダクト開発のしやすさや、Google Cloud を採用することによる信頼性などに評価を得ているという。
「たとえば、Build パートナーの代表的な事例としては、日本企業によく利用されている BI ツールなどを提供されているウイングアーク1st 様とのコラボレーションがあります。我々も BI ツールとして Looker を提供していますが、パートナー企業と連携することで、より日本のお客様が使いやすいプロダクトを提供することが可能です。ウイングアーク1st 様の『MotionBoard』と弊社の BigQuery を組み合わせて、製造業のお客様向けに特化したソリューションの提供などに取り組んでいます」(今井氏)
ISV Partner Development Manager 今井 寿康氏
近年のビジネスの潮流に合わせ、新たなビジネス領域に挑もうとする企業とのソリューション連携も活発化している。例えば、教育分野への進出はそうした事例の 1 つだ。国内の多くの教育機関で Google Chromebook が採用されており、Google が持つ各種ツールの機能性を高めるソリューションが増えている。
坂本氏は「教育系のパートナーに対してはマーケティング サポートや Google for Education ニュースレターや事例への掲載、ブログ投稿やイベントでの紹介などを行い、各社のソリューションが普及するようにサポートしています」と話す。
直近では教科書出版社の東京書籍をパートナーとし、新たなサービスの提供に取り組んでいる。遠隔授業などを支援する「Google Workspace for Education」と東京書籍のデジタル教材を組み合わせたソリューションでは、Google アカウントとシングル サインオンさせたり、準拠する教材をデジタル化したりと、一体的に活用できるように整備した。Google Cloud では、今後も教育分野で全国各地の ISV 事業者とのパートナーシップを強化することで、児童生徒がより主体的に深く学ぶことができる環境を充実させていきたいと考えている。
サステナブルな取り組みを行う企業との協業事例もある。Google はこの 10 年間、業界を率先してカーボンフリーに向けた活動をしており、その技術や手法を外部に提供し、世界中の組織が持続可能なシステムに移行できるように支援している。坂本氏は、この分野の日本の Build パートナーの事例を 2 つ挙げている。
1 つは、衛星データの活用基盤を Google Cloud で構築した Synspective 社で、地球観測用の小型レーダー衛星とデータ分析技術により、土木インフラ、災害予防などのソリューションを構築し、政府・自治体、建設、金融保険などの分野へビジネス展開している。
もう 1 つは、データ駆動型脱炭素にむけた街づくりを支援する unerry 社だ。スマートフォンの位置情報による人流ビッグデータを保有、AI 解析することで交通手段別の移動の可視化や行動変容を促す仕組みを提供している。「脱炭素まちづくり」を始め、ウォーカブル、賑わいの創出など持続可能な街づくりにむけて、この技術が使われている。
「この 2 社のシステムはすべて Google Cloud 上で稼働しています。また、両社とも Google for Startups というスタートアップ支援プログラムに参加しています。こうした新たな分野への企業との連携に力を入れています」と坂本氏は説明を加える。
新たな社会潮流となっている Web3.0 分野のパートナー企業も増えている。企業の Web3.0 事業や DX をブロックチェーン技術で支援する Ginco 社はそうした代表的な事例の 1 つだ。インフラ、決済、ウォレット、NFT サービス運営までの Web3 事業開発をサポートするサービス基盤「Ginco Web3 Cloud」に Google Cloud が採用されている。
また、需要予測の分野ではグルーヴノーツ社がパートナーとして参画。同社が提供する「MAGELLAN BLOCKS」は、機械学習や量子コンピューティングを手軽に業務活用できるクラウド サービスで、Google Cloud 上で稼働する。データの格納先として BigQuery を利用しており、ビッグデータを手軽に利用できる環境づくりに貢献している。
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