キャリア形成の困難をしなやかに乗り越える–レジリエンスを高める5つの秘策

 どんなに優れたリーダーでも、頂点に上り詰めるには大きな困難を乗り越えなければならないことを理解している。実際に、5人のビジネスリーダーが米ZDNETに語ったように、そうした困難は偉大なリーダーになるための学習に欠かせない要素だ。

このような試練を受け入れて、新しいスキルと対処法を身に付ける新進気鋭のビジネスパーソンが、昇進を続けていくだろう。

ここでは、経営幹部への昇進を目指すに当たり、個人としてのレジリエンス(立ち直る力)を高める5つの方法を紹介する。

1. 流れに身を任せる

英国の郵便事業を運営するRoyal Mailでサイバーポートフォリオ・アーキテクチャー担当ディレクターを務めるMartin Hardy氏は、Dwight D. Eisenhower元米大統領のよく引用される言葉を引き合いに出した。「計画自体は無意味だが、計画を立てる行為こそが全てだ」

キャリアアップを重ねてIT部門のリーダーに就任した自身のレジリエンスについて考えると、その言葉が強く胸に響くという。

「このような形でキャリアを進めようと計画していたわけではない。思っていたよりずっと良い結果になった。40歳の頃は、セキュリティアーキテクトを目指していた。セキュリティアーキテクトのチームや、その他のさまざまな部門を管理する立場になるとは思っていなかった」

レジリエンスを高めるには、リスクを取って機会を受け入れることが重要だとHardy氏は語る。成功するビジネスパーソンは、粘り強く学び続ける。

「拒絶されることもあれば、『PowerPoint』のプレゼンテーションがうまくいかないこともあると覚悟した上で、思い切って行動してほしい。流れに身を任せて、明日は必ず来るということを理解しなければならない。成功しようが、失敗しようが、挑戦する限り、昨日よりも成長した自分になれる」

2. 教訓を学ぶ

Colgate-Palmoliveの最高データ・分析責任者であるDiana Schildhouse氏によると、レジリエンスを強化するにはまず、物事が自分の望み通りになるとは限らないという考え方を理解する必要があるという。

「そのような状況は、誰のキャリアであっても、どんな分野であっても避けられない。どれだけ綿密に計画を練っても、思い描いていた通りの結果を得られならないこともあるだろう。自分にはどうしようもない理由でそうなることもある」

Schildhouse氏は米ZDNETに対し、キャリアを積み上げていく中で困難に直面するということを受け入れ、成功するかどうかは学習能力次第だと考えるようになった、と語った。「この教訓をどのように生かして、困難に別の角度から対処する方法を見つければよいか。それを考えよう」

同氏は自身のキャリアで経験した事例に言及した。構想段階のプロジェクトをビジネス部門の同僚に売り込んでいたが、テクノロジーや、問題解決のためのテクノロジーの活用方法を理解している相手ばかりではなかったという。

「新しいコンセプトを紹介して、説得し、どのような付加価値を生むかを示す必要があった。選んだ戦術がうまくいかないときは、別の方法を試さなければならなかった」

こうした挫折を受け入れて、逆境を好機に変えたことが、トップに上り詰める支えとなった。

「『そこから学ぼう、別の方法でやってみよう、根気強く続けよう』という考え方が、レジリエンスの好例だと思う。なぜなら、個人や会社の価値を高める可能性があるのなら、途中で多少の障害にぶつかったとしても、そこから立ち直って、目標とする結果にたどり着くために別の方法を試すことには意義があるからだ」

3. 意識的に対処する

英国でロードサービスなどを提供するRoyal Automobile Club(RAC)でデータ・インサイト責任者を務めるIan Ruffle氏は、レジリエンスを身に付けるには時間と練習が必要だと語る。ストレスを感じているときや燃え尽き症候群になったときには、特にそれが重要だという。

「自分の長所と短所、そして自分の許容量を超える事態に意識を向けなければならない」とRuffle氏。「何かに不安を感じるような心境であっても、恥じる必要は全くない」

Ruffle氏は米ZDNETに対し、近年はメンタルヘルスへの意識が高まっており、仕事のプレッシャーに意識的に対処している新進気鋭のビジネスパーソンは成功する可能性が高い、と語った。

「レジリエンスとは、自分自身をケアすることだ。自分の責務を中心にして時間に優先順位をつけることで、生産性を高められる」

忙しいと感じているときに一番やってはならないのは、その感情を無視することだという。何らかの行動を起こすべきだ。それは、上司や同僚、部下に相談することかもしれない。

「こう伝える準備をしておこう。『手伝ってもらえますか。仕事を分担してもらえますか』と。恥じるようなことではない。自分の気持ちを率直に伝えて、自分に正直になれば、プレッシャーに効果的に対処できる。これは本当に重要だと思う」

4. 正直に話し合う

英国の年金規制当局(The Pensions Regulator:TPR)でデジタル、データ、テクノロジー担当ディレクターを務めるPaul Neville氏は、人生に困難は付きものなので、レジリエンスが重要だと述べた。

 「誰もがキャリアで浮き沈みを経験する。重要なのは、その経験をどう生かすかだ」

 Neville氏によれば、キャリアを重ねる中でレジリエンスを発揮するマネージャーは、従業員がチームの一員として自信を培える環境を育む必要もあるという。

 「そのため、誰もが個人的な問題を抱えているという事実を皆に認識してほしい。そういう人たちを支えるためにわれわれがいる。時には正直に話し合うことも必要だが、寄り添うこともわれわれの役割だ」

Neville氏は、多様性について考え、チームのメンバーが活躍の機会を得られるようにすることに多くの時間を費やしていると述べた。

「そうした機会に恵まれない人もいる。だからこそ、メンバーのキャリアアップを支えることは私の仕事の重要な部分だ」(Neville氏)

「その実現のために、実に多くの取り組みを実施している。われわれの戦略は決して完璧ではないが、このアプローチを心から信じている」

5. 全力を尽くす

Lenovoのグローバル最高情報責任者(CIO)であるArt Hu氏は、キャリア形成において運が果たす役割の大きさを認識することが、重要な戦術だと語る。

「その事実を認識したことで、感謝の気持ちを持てた」。同氏は自身の昇進の道のりを振り返って、このように述べた。

Hu氏は米ZDNETに対し、経営幹部への昇進において運が果たす役割を認識する人は非常に少ない、と語った。運の役割を理解すれば、自分のキャリアを広い視点で捉えられる。

「1日中寝転がって空を眺めるのが好きだからという理由で幹部に昇進した人などいない。しかし、多くの人が前に進もうとする意欲を持っている。今の私の地位まで上り詰める可能性があった人は大勢いるかもしれないが、実際にこの地位に就いたのは私だけだ。その理由を本当に説明できる人はいない」

「その事実を知ったことが、レジリエンスを高める助けになったと思う。ある段階を越えると、そこから先は運次第だということに気づいたら、あとは自分にできる最善を尽くすだけだからだ」

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