NTTグループ3社、データ主権を保護する国際データ流通基盤を共同開発、Catena-Xなど欧州基盤と相互接続

NTTコミュニケーションズ(NTT Com)とNTTデータは2022年4月27日、ドイツの自動車メーカーなどが運営するデータ流通基盤「Catena-X」と相互に接続可能な新たなデータ流通基盤の開発に取り組むと発表した。この取り組みを支えるセキュリティ技術をNTTが提供する。

 NTT ComとNTTデータは、ドイツの自動車メーカーなどが2022年夏から運営するデータ流通基盤「Catena-X」と相互に接続可能な新たなデータ流通基盤の開発に取り組む(図1)。この取り組みを支えるセキュリティ技術をNTTが提供する。

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 Catena-Xは、企業や組織間で安全にデータを流通させる仕組み「Gaia-X」の主要技術「IDS」を用いたデータ流通基盤である。自動車業界の企業1000社が相互にデータを流通させられる。今後、日本企業がドイツの自動車関連企業と取引する場合、Catena-Xの利用を求められることが想定できる。

 しかし、日本企業がドイツの自動車関連企業と取引する際にCatena-Xを使うと、欧州のポリシーでデータが管理されることになる。日本のポリシーでデータを保護することが困難になる。このため、欧州のデータスペースと相互接続でき、日本のポリシーで安全にデータを管理する仕組みが必要になる。NTT ComとNTTデータは、これを開発する。

 NTT ComとNTTデータは今後、自動車、航空、エネルギなど各種の業界に参加を呼びかけ、オープンな共創活動として、日本のデータスペースの実現を目指す。また、オランダ応用科学研究機構、ドイツFraunhofer研究機構、IDSAなど海外の組織とも連携し、Catena-Xなど欧州のデータスペースと日本のデータスペースを安全に相互接続する基盤の開発を継続する。

 今回、NTT ComとNTTデータは、企業間の安全なデータ流通を必要とする業界団体や企業とともに、知見獲得を目的とした試験や、基盤の構築、技術開発などを実施した。

 (1)取り組みの1つとして、DAPS間の接続試験を実施した。IDS準拠のデータスペースの必須機能であるデータ交換用ソフトウェア「IDSコネクター」と、IDSコネクター認証システム「DAPS」を実装し、同様の機能を実装した「SCSN」と相互に接続した。異なるデータスペース間を国際間で相互に接続した事例であり、これにより各国それぞれのポリシーでDAPSとIDSコネクターを管理し、データ主権を保護できるようになる。

 (2)取り組みの1つとして、グリーン分散エネルギー情報流通基盤を構築し、DER(分散型エネルギー)データを共有して流通させる機能を実証した。送配電事業者および需要家のデータを相互に開示することなく、電力系統全体の安定供給に向けたデータ処理を実現する。

 (3)取り組みの1つとして、データ主権を保ったまま安全にデータを分析可能なセキュリティ技術を開発した(図2)。ハードウェア暗号化技術(TEE)を用いて、複数の提供者が所有するデータと、これを分析するプログラムを秘匿したままでデータを処理可能なプロトコルを確立した。同技術により、データ流通基盤の利用者は、情報の漏洩を心配することなく、重要なデータやプログラムを相互に持ち寄って活用可能である。

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 (4)取り組みの1つとして、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の協力の下、データ流通試験を2022年4月に実施した。航空機の空力特性に関するデータを、データ流通基盤のプロトタイプを介して、JAXAの日本拠点からNTT Comの欧州拠点に流通させることに成功した。

https://it.impress.co.jp/articles/-/23097

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