医師よりも高精度――Googleが「AIがん診断」に抱く自信と“2つの願い”

Googleはノースウエスタン大学(Northwestern University)との共同研究で、AI技術に基づくサポートによって、乳がんの診断プロセスにおける待機期間(初回の検査から2回目のフォローアップ検査までの期間)を短縮できるかどうかを検証。Verily Life Sciencesとの共同研究では、糖尿病性の眼疾患を診断するアルゴリズムを開発した。Verily Life Sciencesはもともと、Googleの親会社Alphabetのライフサイエンス部門だった研究組織だ。

子宮頸がん検診の大幅な改善を目的とした共同プロジェクトについて、GoogleとHologicが重点を置いていることは2つある。子宮頸がん検診の重要性を強調することと、社会背景や経済環境に関係なく利用できる子宮頸がん検診技術を生み出すことだ。

Hologicのがん診断支援システム「Genius Digital Diagnostic」は、Googleのクラウドサービス「Google Cloud Platform」(GCP)をバックボーンとして利用している。診断支援アルゴリズムはGCPの機械学習(ML)技術に基づいており、GCPの基幹通信網が世界中のデータの整理、処理、アクセスを支援している。

GoogleとHologicは新たな診断方法を模索するために一丸となって研究に取り組んだ。1細胞レベルの解析をするHologicの診断アルゴリズムを改良するに当たって、両社はGoogleのAI技術を活用した。

Hologicで研究開発・イノベーション部門のバイスプレジデントを務めるマイケル・クイック氏の説明によれば、GoogleとHologicはAIモデルの検証に2つの異なる臨床データセットを使用した。この検証の結果「標準医療を提供できるほどの十分な医療インフラが整っていない環境であっても、診断支援ツールは人間の医師による診断精度に匹敵するだけのデータを提供できる可能性が示唆された」とクイック氏は語る。

この研究結果からは、さらに高度なAI技術の必要性も判明している、とクイック氏は補足する。「Googleとの提携によって、Genius Digital Diagnostics向けの新たな技術を開発する。子宮頸がんの撲滅に役立つ手段を増やす上でプラスに働く」(同氏)

メーカーHologicと共に、AI技術による子宮頸がん診断支援システムの共同研究を進めている。このプロジェクトが目指すものと、両社の技術提携で生まれた診断アルゴリズムの評価は。

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