出光興産、燃料輸送を効率化するシステムが稼働、データに基づいて配車計画を策定

出光興産は2021年3月19日、燃料の輸送を効率化する輸送管理システムを新たに構築し、稼働させたと発表した。陸上物流における業務フローの大部分を統合してデジタル化した。さらに、石油の元売だけでなく、サービスステーション、取引先、運送会社(タンクローリー)などの関係者が必要な情報を共有できる仕組みを構築した。荷卸現場にはタブレットを導入した。システム構築はアクセンチュアが協力した。

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出光興産は、燃料の輸送を効率化する輸送管理システムを新たに構築し、稼働させた(画面1)。新システムは、燃料油の陸上輸送に関する全データをクラウド上でリアルタイムに一元管理し、分析できるシステムである。出光興産、運送会社、全国約6400カ所のSS(サービスステーション)などにまたがる、受注から荷卸しまでのあらゆるデータを管理・分析する。システム基盤として、Salesforce.comを用いている。画面1:輸送管理プラットフォームの画面(出典:出光興産)
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 収集して蓄積するデータは、配車計画や関係者との連携状況、SSへの配送状況、荷積・荷卸実績、タンクローリー約900台が搭載するタブレット端末がリアルタイムに収集する車両の位置情報、作業状況などを含んでいる。

 新システムにより、輸送状況を可視化し、受注・配送業務をデジタル化できる。さらに、データに基づいて配車計画を策定するなど、これまで難しかったリアルタイムなデータに基づく輸送計画の精緻化と輸送オペレーションの効率化を図れるようになった。配送経路の最適化は、二酸化炭素の排出削減にもつながる。

 出光興産だけでなく、燃料油の物流に関わるすべての関係者が、瞬時に必要な情報へアクセスしたり、よりきめ細やかに情報を共有したりできるようになった。これにより、関係者との連携・協働を推進できるようになった。

 タンクローリーが搭載するタブレット端末には、乗務員が直感的な操作で業務内容や注意事項の確認、輸送状況の報告を行えるアプリをインストールした(画面2)。これにより、これまで以上に安全かつ効率的な輸送業務を実現できるとしている。画面2:タンクローリー乗務員用アプリの画面(出典:出光興産)
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 システム構築はアクセンチュアが協力した。新システムに関する構想、Salesforce.comを活用したシステムのの設計・開発、既存システムとの連携を含む、導入に至るまでのプロセスを全面的に支援した。また、タンクローリー乗務員用アプリの開発にあたり、乗務員に対する実態調査を踏まえ、一連の業務シナリオに沿った設計、UIのデザインおよび開発を支援した。