人事ERP導入企業の約7割がコンサルティングサービスの必要性を実感–パーソルP&T調査

パーソルプロセス&テクノロジー(パーソルP&T)は8月4日、「人事業務におけるERPシステム導入企業の実態調査」の結果を公表した。この調査は、全国の従業員1000人以上の企業に勤め、人事統合基幹業務システム(ERP)を実際に利用している20~60代の会社員300人を対象に行われた。調査期間は6月25日~7月7日だった。

 調査結果から、人事ERPシステムを導入している企業の約6割がコンサルティングサービスを活用し、約7割がコンサルティングサービスの必要性を感じていることが明らかになったという。

 同社では、人事データを活用し、企業が抱える人事課題の解決を支援する「人事DX推進支援サービス」を8月2日より提供している。今回の調査は、同サービスの提供に伴い、人事ERPシステムを導入した企業が抱える課題や導入後の変化について調査した。

 調査によると、人事ERPシステムを導入するきっかけとして最も多かったのは、「申請業務を電子化、ペーパーレス化できていない」が45.3%だった。続いて「散在しているデータを一元管理できていない」が43.3%、「労務業務の効率化ができていない」が37.3%、「データ活用ができていない」が30.0%という結果だ(図1)。

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 また、人事ERPシステムの導入により、導入時の課題を解決できたかという問いには、「申請業務の電子化/ペーパーレス化」と「労働業務の効率化」についてはそれぞれ51.5%、53.6%が「課題解決できた」と回答している。一方、「散在しているデータの一元管理」や「データ活用」については、「課題解決できていない」との回答がそれぞれ46.2%と54.4%で、システムを導入しただけでは解決できていないことが明らかになった。

 次に、導入時の課題に対して、人事ERPシステムを導入しても解決できない理由を尋ねると、「申請業務の電子化/ペーパーレス化」「労働業務の効率化」「労務業務の効率化」の課題には、「システムが業務にフィットしていない」という回答が最も多かった。また、「データ活用」については「使いこなせる人材がいない」が最多だった(図2)。

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 システムを導入しても解決できなかった課題を解決するための検討事項としては、デジタル人材の採用・育成(56.5%)や人事ERPシステムの乗り換え(55.0%)、コンサルティングサポートへの相談(47.3%)、他テクノロジー・サービスの活用(45.8%)、制度や業務プロセスの見直し(42.7%)が挙げられた。

 実際に人事ERPシステムを導入している企業の人事業務において、外部コンサルティングサービスをどれほど活用しているのかを見ると、「積極的に活用している」「やや活用している」と回答したのは合計で60.3%だった。また、外部コンサルティングサービスの必要性を感じていると回答したのは、「とても感じている」「やや感じている」を合わせて66.6%という結果だ。

 他方、導入検討時の課題において、システムの導入により解決できたと回答した人の多くが外部コンサルティングサービスを活用していることが明らかになっている(図3)。

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 人事ERPシステムの導入により、「作業コストの削減」や「システム費用の削減」、また「経営・戦略人事へのデータ活用」が成果として挙げられた。また、「ペーパーレス化が進みテレワークがしやすくなった」「採用活動から従業員の受け入れまで一括管理できるようになった」というエピソードも寄せられたという。

 この調査結果を踏まえて、パーソルP&T ワークスイッチ事業部 エグゼクティブマネジャーの竹下百里氏は、「デジタル変革(DX)時代において、従来の業務に合わせてシステムを選択するのではなく、業務を最適化して効率良くシステムを活用する考えにシフトした方が成功に近づく」と語った。